ひみつのプレゼント【冬の童話祭2026】
雪が、静かに降っていました。
窓の外は白くて、世界が、そっと息をひそめます。
ゆうた君は、小さな白い箱を見つめました。
大好きなあやちゃんに、内緒で用意したサプライズのプレゼント。
お母さんにも、妹のみいちゃんにも、まだ秘密です。
「これで、完成っ!」
ゆうた君は、金色のリボンを、きゅっと結びました。
その時です。
トントントン
「おにいちゃ~ん、なにしてるの?」
みいちゃんが、お部屋をのぞきます。
「だめ、これはナイショ!」
「ふふっ、じゃぁ、みいも、ナイショにしてあげる。」
にこにこ笑うみいちゃんを見て、ゆうた君は、ちょっと心配になりました。
クリスマスイブの朝。
窓の外は、まっ白です。
ゆうた君は、ポケットの中の箱をにぎりました。
公園のツリーの下で、あやちゃんがまっています。
ピンクのマフラーに白いコート。
雪の中でも、笑顔が光っていました。
「これ、メリークリスマス。」
ゆうた君は、小さな声で言いました。
あやちゃんが箱をあけると、そこには、雪の形をしたオルゴール。
くるりと回すと、やさしい音が流れます。
♪きよしこの夜~
あやちゃんは目を輝かせて言いました。
「ありがとう、ゆうた君。」
その声は、雪よりも、あたたかでした。
夜になっても、雪は降りつづきます。
ゆうたくんは、窓から、外を見ていました。
遠くのツリーの星が、かすかに光っています。
同じ時、あやちゃんも、オルゴールを手にしていました。
小さな音が、夜に響きます。
「ありがとう、ゆうたくん。」
言葉は、雪にとけ、そっと空へとのぼっていきました。
ふたりの家の上を、ひとつの流れ星が、ぴゅーんと通りすぎます。
雪が、光をうけて、きらきらと舞いました。
まるで、ふたりの心が、やさしくつながったように。




