蝶の未来
「警察庁警備局警視團亮です。
いま強盗と思われリアのガラスが
割れた車が東山区大和大路通四条上ル廿一軒町236から
四条通へ向かっています。ナンバーは
京都し32-37、車種はトミタ黒のバン」
「被害者の様子は?」
「スタンガンを首筋に押し付けられましたが、
現在回復しました。救急車の必要ありません」
「了解しました。至急手配します。團警視」
「お願いします」
亮は電話番号を言うと電話を切った。
「ありがとうございました。アントン」
亮はアントンの後ろの方を見るとピョートルが走ってきた。
「大丈夫か、亮?」
「はい」
「車の映像を撮って亮のメールアドレスに送ったぞ」
「ありがとうございます。さあお茶屋さんへ行きましょう」
「本当にいいのか?亮を狙ったんだろう」
「いいえ、金を持っていそうなら誰でも良かったようです。
警察に報告をしたので捕まると思います」
「亮があんなに怒ったのを見たのは始めてだよ。
投げたボールペンが車に突き刺さった」
「すみません、僕は理由もなく人に危害を加える
人間は大嫌いなんです。
もしこれが僕の家族だったら、後を追いかけて捕まえます。
絵理子さんには内緒にしておいてください、心配しますから」
「あはは」
ピョートルが笑いながら亮の肩を叩いた。
~~~~~
お茶屋で舞妓と芸者の踊りを見たアイザックとカテリーナ
そしてピョートルもアントンも大喜びだった。
そして祐希も亮の隣りで見ていた
「はやり日本舞踊はいいですね。日本舞踊は
他の国の音楽に合わせる踊りではなく、
歌いの意味に合わせすべての所作に意味があります」
「言っている事は正しいけど、
亮って難しく踊りを見ているのね」
「えっ、そうですか?」
「私も昔ああやって踊っていたのよ」
「本当ですか?」
「ええ、舞妓の私を黒崎が気に入って見受けしたのよ」
「そんな話、京都サスペンスだけじゃないんですね」
亮は当事者の絵理子を思い浮かべてニヤニヤして答えた。
「何笑っているのよ」
「その頃の写真が見たいなあと思って、可愛らしかったんでしょうね」
「うふふ、今度家に行ったら見せてあげる」
「私も見たい」
「祐希つまらないかも、
私にそっくりだから」
「亮。今日は楽しかった。ありがとう」
アイザックが亮に握手をするとエレーナが亮にハグをした。
「いいえ、日本を楽しんでいってください」
「ああ、いよいよ明日、沖縄に土地を見に行く」
亮はアイザックの仕事がうまくいっていて少し肩の荷が降りた。
「良かったですね」
「ああ、全て亮のおかげた」
「あはは、そんな事・・・」
亮は照れながら頭を掻いていた。
~~~~~
アイザックたちと別れホテルに入った亮と
絵理子と祐希はしっかりと抱き合った。
「こうしているとまるで家族ね」
「家族だよ、私亮さんの娘のお姉ちゃんだよ」
「そうだね」
亮が答えると祐希は亮のほっぺたにキスをして、
頭を亮の肩に乗せ誰にも甘える事無く育った祐希は、
いつまでも亮に甘えていたかった。
~~~~~
「眠ている?」
隣の部屋にいる絵里子から
電話があった。
「その声で目が覚めました」
「ごめんなさい。ねえこれから蝶をどうしようか?」
「今まで通りでいいんじゃないですか?
お客さん減っていますか?」
「うーん、去年より10%減」
「市場が冷え切っていますから心配する事
じゃないと思いますけど」
「他の店では中国人を相手するために、
ホステスに中国語を習わせているそうよ」
「必要ないです」
「どうして?」
「中国のセレブはほとんど英語を話しますので、
コミニュニケーションを取るなら
英語でいいはずです。北京の女性のいるカラオケに
ロシア人がいますけど、彼女たちは英語で接客しています。
お店がレベルを下げる必要はないですよ」
「そうね」
「それより、いっそう客層の質を上げる事が
大事じゃないですか、その為にはホステスさんと
サービスですね」
「そうよね」
「ホステスさんを他店より美しくするには
僕に任せていただくとして、後は
おつまみですね。臭いが出なくて美味しいもの
考えてみます」
「お願い」
「それと温めるだけで作れる美味しい
冷凍フランス料理があるんです。
しかもローカロリーで」
「本当?食べてみたいわ」
「昨日、五島商事の内村さんと美也子さんと
ナチュラルグリルで冷凍フランス料理を食べて
内村さんは京都に激安フランス料理店を
出したいそうです」
「京都?」
「はい、京都の方が外国人観光客が多いですからね、
それに京都はパン屋さんも多くて思った以上に
洋食派が多いらしい」
「確かに朝はパン食ね」
「洋楽も大阪より京都の方が人気があるらしいけど」
「じゃあ、その食品を売ってもらえるの?」
「はい、直接お売りします。銀座で同伴で使える
安いフランス料理なんかどうですか?」
「そうね、冷凍フランス料理なら
色々な使い道があるわ。ありがとう亮」
「ナチュラルグリルの2店舗目として
フランス料理店をやりませんか、
フランチャイズで食材代とロイヤリティなんですが
当初広告宣伝費は使いませんから
利益の5パーセントにします。
東京1号店なのでかなり取材が入ると思いますよ」
「いいわね。二人でお店の経営」
絵里子はいつまでも蝶のママを出来るとは
思っていなかった。
それから祐希の件なんだけど、
アメリカでも彼女を護れるかしら」
「はい、それの手配はしています」
「でも、初恋は難しいわね」
「はあ」
亮は突然絵里子が
変な事言ったので返事に困った。
〜〜〜〜
「ママ、亮さんと電話していたの?」
祐希が絵里子に話しかけた。
「ごめん起しちゃた?」
「ううん、なんか胸が苦しくて」
「そうよね、私パパが亡くなって、亮の誕生日の
亮を誘ったのよ、それから亮がアメリカに
留学する時に絢香を宿したの」
「あっ、ママずるい」
「何が?」
「女の色気で惑わしたんだ」
「うふふ」




