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黒崎正一郎

「知念修、沖縄読谷村出身、東京R大学理学部を

卒業し12年前に入社、最初の5年間

は輸入機械課に所属し、機械営業部第3課移動、

ここは主に電子機器を取り扱っています。

そして2年前営業部のショッピングモール

事業プロジェクトのシステム担当に

なりましたが1年前にプロジェクトが中止になって、

退社しました」


「なるほど、同じ大学だったんですね」

亮は知念の経歴を聞いて国城との関係に納得した。

「ところで彼がどうしたんだ?」

「小型のICマネーカードリーダで電車の乗客の

ICマネーが盗まれたんです」


「それって・・・」

内村は聞いただけでどれだけの被害者が出るか

想像が付いた。

「はい、ショッピング系、鉄道系を合わせると

1億万枚のICマネーカードが

 狙われる可能性があります」


「それに知念が絡んでいると言うのか?」

「はい、逮捕した男と知念さんは共犯の

可能性があります」

「それでうちの会社にも関係あると言うのか?」

内村は会社の信用に関わるので心配になった。


「いいえ、それはまだ。葉子さん、今朝知念さんが

訪問した相手が分かりますか?」

「はい」

葉子は内村の顔を見て確認を

取り内村がうなずくと話し始めた。


「ピーエヌエーの知念さんが尋ねてきた理由は、

機械営業部に万引き防犯システムの

プレゼンに来たんです」

「万引き防犯システムですか」

亮が友子に聞いた情報と同じだった。


「プレゼンに出席した川平課長に聞いたんだが、

商品に貼り付けたバーコードが磁気インクで

プリントされていてレジを通らないと

ブザーが鳴るんだが、今までつけていたタグと

違って1枚当たりの価格がほとんど只だそうだ」


「なるほど、高感度の防犯ゲートなら可能ですね。

おそらくレジのバーコードリーダーに

紫外線を使ってバーコードの磁気を

 消すんでしょうね」


「そ、その通りだよ。どうして知っているんだ」

「そんな事誰でも考えるんじゃないですか、

防犯カメラと連動して

 商品を持って歩けば追跡するシステムもつければ完璧ですね」

内村と葉子と美也子は驚いて亮の顔を見た。


「なるほど、そんなシステムあれば凄いじゃないか」

「ありますよ」

「何処に?」

美也子と葉子が同時に聞いた。

「アメロカンウエブ、ロビン・ハイドの会社が

作ったシステムです。ロビンと僕が

話し合って・・・」


「ん?そうなるとピーエヌエーがアメリカン

ウエブのシステムを売るわけか?」

「その件でロビンが明後日来日します」

「そんないいシステムらなら亮が売ればよかったのに・・・」

葉子が残念そうな顔をして答えた。


「そうですね、でも僕だったら万が一万引きを

されて逃げられた時

顔認識システムに記憶させて再び来店した時に

店員に警報を流す方法を考えます。

入店時と退店時の体重に500g以上の

差が出たら万引きとみなすシステムは

本屋さん向け良いとおもいますよ」


「そんなに顔認証システムって当たるの?」

葉子が首を傾げた。

「はい。目、眉、鼻、口の配置と老齢化して

からの全体的に目や口の下がる

顔をプログラムして判断します。他に耳の形で

チェックするならほぼ100%。

 最近は耳の軟骨で鼻を高くする人がいますけど、

鼻は2つありませんからね」


「本当!?」

葉子と美也子は自分の耳を触った。

「じゃあ、耳を隠してサングラスをして

マスクをした人間だったらどうするんだ?」


「そうですね・・・完全に怪しいです。

それでも分かります」

「ほう」

内村はO駅に作るショッピングモールには亮が言っている

防犯システムが必要である事が分かり、

それをモデルにシステムごと

シッピングモールを広げて行く事を考えた。


「そうなるとピーエヌエーと契約しなければならないな」

「そうですね、今のところは」

亮は五島商事がピーエヌエーと契約する事によって

密かにピーエヌエーの株価が上がる事を感じ取って

ほくそ笑んだ。


「亮くん、まさかピーエヌエーの株を買っているのでは

 ないだろうね」

「い、いいえ」

亮が首を横に振ると隣に座っていた美也子が笑っていた。

「さて、そろそろ場所を移そうか」

内村は亮をクラブ蝶に行く事を催促した。


~~~~~

クラブ蝶の席に着くと内村が亮の耳元で囁いた。

「亮くん、大阪に行ったついでに

塩見の話しを聞いてきたよ」

「黒崎さんとの関係ですか?」

「うん、それが塩見は黒崎グループの中心

関西ステート銀行の会長黒崎正一郎と組んで

 黒崎グループの乗っ取りを図っているらしい」


「乗っ取り?」

「ああ、ここのママ絵里子さんと娘の祐希さんが

黒崎憲治氏の遺産を継いで

黒崎グループの持株会社黒崎ホールディングスの

25%を持っている。それを黒崎正一郎が

取ってしまおうという訳らしい」


「黒崎正一郎ってどなたですか?」

「黒崎憲治氏の従兄弟だ、憲治氏が亡くなってから

 実権を握っている」

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