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作戦会議

「乗って」

「はい」

美咲の運転する車は目白通りを下って練馬方面に向かった。

そこにホワイトハウスの電話鳴った。

それは所謂、定時連絡でエマが話した。

「亮、今日事件があったようね」

エマの元に既に情報が伝わっていた。


「大したこと無いですよ、予想通りでしたから

今犯人を捕まえるところです」

「わかったわ。この事件は私のところで止めておくわ、

上に知られたら大変な事になるから」

「すみませんよろしくお願いします」

続いて暗鬼の統領趙剛から電話あった。


「亮、どうする。殺るか?」

「いいえ、別な方法で抹殺します」

「わかった」

「それで、暗鬼の人間の何人かに

仕事をしてもらいたいんですけど」


「何の仕事だ?」

「運転手兼ボディガードの新しいビジネスです」

亮は闇鬼に新しい道を歩んで貰いたかった。

「ああ、良いだろう。世の中も変わったからな」

「すみません」

「いや、小妹と美喜はこちらの準備が終わったら返すからな」

「了解です」

亮は英語と中国語の会話を終えると美咲の顔を見た


「終わりました。美咲さん、内閣情報調査室の

桜井彰が僕にコンタクトをとってきました。

おそらく僕が桜井彰の自宅に来ると言う

情報を掴んでいたからだと思います」


「ついに接触してきたわね、あそこ。それでどんな内容だった?」

「皇居のジョギング当たり屋の女を探せって言っていました。

その女を虜にして情報を取って欲しいそうです」


「まあ、面白いターゲットね。でも亮を馬鹿にしているわ」

「その理由は僕がナンパ師で女を夢中にさせる

男だと言う情報が流れていて

るからだと思います」

「あら、変ね。国や警察は個人情報を

調べるのに法務省公安調査庁か

パパの警察庁警備局公安部から取るのが

最も正確と言われているわ」


「じゃあ、桜井彰はどこから取ったんだろう、

僕の初体験の相手は秋山良子になっています」

「ひょっとしたら好物は牛のランプ肉じゃない?」

「そう、僕の周りの人間なら誰も鮭の皮と言うのに」

「うふふ」

亮の好物が魚の皮と知っている美咲は笑いを堪えられなかった。


「ま、まさか・・・」

「そうよ、あなたの情報は私が作った嘘、

それを内閣情報調査局が入手したね」

「嘘の情報?」

「私はあなたの為にロビンと組んで法務省公安調査庁、

警察庁警備部、防衛省諜報部、FBI、CIA等の情報

全て改ざんしてあるわ、だからあなたは一般市民で

かなりスケベな男になっている」


「わざわざスケベな男にすることなかったのに・・・」

亮は肩を落とした。

「私がロビンに頼んだのよ。女好きならあなたの

周りにいつも女性が居ても不思議じゃないでしょう。

そして誰かがあなたのデータを書き換えても

 自動的に元に戻ってしまうプログラムまで入っているわ、

だから絵里子さんにも絢香ちゃんにも危害が及ぶ事も絶対ない」


「ありがとう、美咲さん。本当の自分は自分しか知らないどこかの組織が

 自分の情報を持っている事が間違っている。学歴や職歴は仕方ない話だけど

 男女関係は本当にプライベートな事だから」

亮は民主主義世界で組織が必要以上の個人情報を持つ事が許せなかった。


「そうね。でもあなたと私の関係加筆しておこうかしら、

面白い事になると思うけど」

「や、止めてください」

「うふふ、冗談よ」

「ところで、僕を捜査にメンバーに推薦した警察幹部ってひょっとしたら」

「多分、父よ。たとえ公園で寝ているホームレスを

秘密捜査官だと父が言ったら誰も本気にする」


「あはは、お父さんは僕に何を

させるつもりだったんでしょう」

「本人に聞いてもうすぐ家につくから」

「今から美咲さんの家に行くんですか?」

「ええそうよ、今から捜査会議」

「しまった!」

亮は美咲に渡すつもりだったキーケースを

亜里沙の母親、房江にプレゼントしてしまった。


「何慌てているの?」

「い、いいえ何でもないです。どこかでお土産のケーキでも」

亮はいきなり美咲の家に行くと聞いて手ぶらでは

まずいと思った。

「大丈夫よ、父も母も健康の為に夜食は食べないわ。それにこの時間じゃ

ケーキはもうどこも売っていないし」

「お父さんはそんなに健康に気を使っているんですか?」


「ええ、父は警察庁長官になってあちこちの省庁にできている諜報部を一元化して

アメリカのようなCIA中央情報局を作りたいのよ。

そのために必要なのはトップ立つ為の体力と健康なのよ。

美咲は亮の質問に答えた。

「それはいい事かもしれませんね、情報は犯人逮捕だけではなく

犯罪の抑止力にもなりますからね」


「だから私は父のアシストをして警察庁長官になってもらいたいの」

美咲の横顔は真剣そのものだった。

「ところで、相談って何ですか?」

「ちょっと待って資料を見ながら説明するわ」

家に着いた美咲は車を車庫に入れた。


もう、11時になるのに美咲の母親は玄関で

両手を付いて挨拶して亮を向かい入れた。

「やっぱり、買ってきた方が良かった・・・」

亮は手ぶらで美咲に家に上がった事を後悔した。

「やあ、亮君いらっしゃい」

美咲の父巌は応接間で亮を迎えた。

「夜分済みません」


「いや、美咲が明日の警視庁との捜査会議に間に合わせたいそうだ。

 申し訳ない」

巌は恐縮して亮に答えた。


「早速だけど亮、これ昨日山手線で見つかった被害者の住所

 これが今日見つかった被害者の住所よ」

亮は美咲に渡された被害者のリストのプリントを亮と巌に渡した。

「あのう、局長も?」

「ああ、私も話を聞かせてくれ捜査会議なんか20年以上やっていないからな、

 それに局長はやめてくれここでは美咲の父親の原巌だ」


「はい」

亮は頑固そうな原巌の前で打ち合わせをするのやりにくかった。

「今日、ICマネーの窃盗が発見されたのは八王子、立川、荻窪、中野、

錦糸町、亀戸、船橋だったわ」

美咲はイラついたように亮と巌の会話を遮った。

「被害者の乗降記録から推測すると新宿から下り電車に乗り

17時20分に仕事を始め、どこかで中央線上り電車乗り換えて

 お茶の水で総武各駅に乗り換え18時に秋葉原から乗車した客を相手に

仕事を始めたことになります。下りだと駅が分散して発見が遅れるのを見越して

夕方の下り電車を狙った」


「犯人も中々考えているな」

巌は腕を組んで答えた。

「はい、昨日朝の山手線でテストして山手線は発見が

早かった事に気づいたのだと思います。明日は総武快速線の下りですね」

「えっ?本当」


「いえいえ、冗談ですけど。奴らは今テストを行っているように見えます。

 乗り降りの多い地下鉄の効率が良いんですけど無理ですからね」

「そうか、電波もWiFiも届かいない地下鉄ではやらないわけか」

「ええ、ただ奴らはもっと大きな事をやりそうな気がするんです」

「もっと大きな事?」


「はい、こんな細々しているものじゃな

く一瞬で何億円盗むそんな気がします、

 今はこのスキャナーの性能を調べているのではないかと」

「被害者の体に触れることもなく勝手に

 お金が盗まれるなんて怖すぎる」

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