警備会社
「そうですか」
三瓶は直子の機嫌が悪くならなく
笑顔でいたので胸を撫で下ろした。
「團さんの周りって美人が多いですね。
マギーに新村さんそれに
白尾尚子さんもお友達だそうで」
「そうね、美人ばかりよ」
「じゃあ、直子さん團さんを取られないように大変ですね」
「うふふ、その心配はないわ」
「直子さんに惚れているんですね、團さん」
三瓶は直子と亮が完全にできていると思った。
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一方亮は父親秀樹、マギー、一恵、玲奈、
和美とそして野口麻実が
森、早苗、雪を呼んで焼肉を食べていた。
「みなさん、いつも亮の事を護っていただいて
ありがとうございます」
秀樹が深々と頭を下げた。
「いいえお父さん、お世話になっているのは私たちの方です」
森たち全員が秀樹に向かって答えた。
秀樹は上機嫌でまるで結婚式の披露宴のように
みんなにビールを注いで歩いた。
「中村君、亮の面倒見てもらってありがとう」
「とんでもありません、毎日色々な事があって
とても楽しく仕事をさせていただいています。
ただ亮さんが危険なことばかりしていますけど」
「それは申し訳ない、しっかり言いつけておく」
「はい」
和美は亮にそれをするなと言っても、常に周りで事件が起きている
亮を止めることはできないと思っていた。
亮は久々に会った野口麻実と話をしていた。
「麻実さん、サーバーは落ち着きましたか?」
「はい」
麻実はロビンが来日した時、通訳をしながら指導を受け
そのまま麻実がサーバーのメンテナンスの仕事を請け負っていた。
「麻実さん、今度ロビンの会社のセキュリティシステムを
販売する新会社を作る事になったのでよろしくお願いします」
「本当ですか!」
麻実は亮に期待されて喜んでいた。
「元天才ハッカーのロビンが作ったセキュリティシステムは
アメリカの銀行、博物館、飛行場などで使われていて
とても信頼されているんです」
「ハッカーが作ったので弱点が無いんですね」
「そうです。実績があるので日本でも販売しやすいと思います」
「頑張ります」
麻実は一文字の命ずるままに男の相手をさせられていた自分に
仕事を与えてくれた亮に感謝していた。
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「美也子です」
美也子は初めて見る塩見の部下
宮部に愛想よく挨拶をした。
「宮部です」
席に座るだけで10万円の高級クラブ蝶の
ボックスに座り宮部は体を緊張で硬直させていた。
「宮部さんリラックスしてください、ここは癒しの場所なんだから」
美也子はそう言って水割りを作りグラスをコースターの上に置いた。
「どうも」
宮部は両膝に手を付いて頭を下げた。
「あはは、宮部はどうも緊張しているな」
「先生、今日はご機嫌ね」
絵里子が大きな口を開けて笑っている塩見に言った。
「ああ、電気伝導率の高い透明ボードを
売りに来た小僧を潰してやった」
塩見がご機嫌に答えるとそれを聞いた、
絵理子と美也子は亮の事だと気づき
顔を見合わせた。
「まあ、それは怖い話ですわ、先生に睨まれたらこの世界では
生きていけませんものね」
「そうだ、私に逆らった者は生きていけない。なあ宮部」
「は、はい」
絵理子におだてられた塩見は宮部に言うと絵里子は席を立った。
「失礼、美也子ちゃんお願いね」
絵里子は走りたい気持ちを抑え事務所に戻ると
直ぐに亮に電話をかけた。
「もしもし」
亮の声が聞こえると絵里子は体の力が抜け
椅子に座った。
「よかった、生きていたのね」
「どうしました?」
「今、ここに塩見が来ているのよ。小僧を潰したって」
「大丈夫です。塩見は蝶のお客さんだったんですね」
「ええ、塩見は元々山口厳介の部下で
独立して京都に事務所を作ると
黒崎の目に止まり面倒を見てもらって
総会屋として大物になって行ったのよ」
「じゃあ、絵理子さんは姉さんですね」
「人聞きの悪いこと言わないでヤクザじゃないんだから」
「あはは、すみません。いい情報ありがとうございました」
「ううん、でも気を付けてあいつは狙った敵は必ず潰すわ」
「ああ、確かに殺られそうになりました」
「本当!悔しいからお酒の中に毒をもってやろうかしら」
「絵理子さん、1つお願いがあります」
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「森さん、塩見が蝶でお酒を飲んでいるそうですよ」
「おお、早速亮を殺した祝い酒か」
「どうもそうらしいです」
「さて今度は俺たちの番だな」
「はい、日本企業の未来のためにダニは抹殺しましょう」
「わかった、今から塩見に張り付く」
森は焼肉を1個頬張った。
「雪さん、塩見正長の事を調べてもらえませんか?」
「はい、わかりました」
警視庁と警察庁のデータを取り出す事が可能は雪は
自信を持って答えた。
「亮、私にも手伝わせてあれを使えばハッキングは簡単だから」
「お願いします」
亮が麻実に頭を下げると秀樹が立ち上がった。
「さて、森くん。私と一緒に蝶の塩見の顔を拝みに行こうか?」
「いいんですか?」
「たまには一緒に飲もうじゃないか」
「はい、ご馳走様です」
森は久々にクラブ蝶で飲めるのでご機嫌だった。
「ちょっと所長、いい気になってお酒を飲みすぎないでください」
早苗が森の脇腹を突いた。
「私たちはなにか手伝うことないでしょうか、
蝶のホステスになって
情報を探るとか?」
玲奈と一恵が亮に聞くとマギーも亮を殺そうとした
塩見に報復できないことに不満を感じていた。
「三人とも後で頼むことがあります」
亮は三人を見て微笑んだ。




