表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/196

三瓶五郎

「そうだ、美菜子さん英語は?」

「はい、英検2級持っています」

「そうですか、レッスンは英語でするので勉強してください。

 それと土曜の夜はうちへ泊まって勉強、先生はマギーがいいかな」

「はあ」

すべてとんとん拍子で進む話に

美菜子は呆気に取られていた。


~~~~~

美菜子と別れて亮とマギーがホテルに入ると

三瓶は宮部に連絡をした。


宮部は亮が逃げる足も無いので

三瓶に明日の朝6時に確認するように

指示をした。


「亮、初対面の三瓶をどうして信用しているの?」

ホテルの部屋に入ったマギーは亮に聞くと

亮は冷蔵庫から特保コーラを取り出して一口飲んだ。

「それは三瓶くんが朴訥で有りながら人情味がある、

そして勤勉な秋田の人だから僕は信じます」

「そう言えば他の三人は?」


「二人は完全な大阪弁、宮部さんは京都弁でした。

 おそらく塩見との関係は深いと思います」

「亮、今度は何を考えているの?」

「サイリウム入りの無糖茶、日本人は食物性繊維が少なすぎる

 それを補うドリンクです」

「ところでサイリウムって何?」

「オオバコ科の植物ブランタゴ・オバタの種子の種皮、

繊維質は多いが比重が重く沈殿してしまう、

いまそれを改良中」


悩みを持っている亮はぶっきら棒に答えた。

「それならゼリーにすればいいじゃない、女の子なら

ゼリーでも喜んで食べるわよ。

アイスキャンディなら子供でも食べるし

ジェラートにすれば店頭でも売れるでしょう」


「なるほど・・・今までドリンクばかり考えていた。

沈殿しないように濃度を上げれば良いんだ。

とりあえず機内食に使ってお客さんの反応を見れば良い」

「そうでしょう、うふふ」

「ありがとう、マギー」

亮はマギーを抱き上げ、亮がマギーを降ろすと

マギーは亮に飛びつきキスをした。


亮はマギーのキスの上手さにそれを拒む事が出来きず

マギーは亮をベッドに押し倒した。

「亮、1ヶ月以上していないでしょう」

「う、うん。でも・・・自信が無い」

「あっ、脊椎の怪我?」

「うん」

「じゃあ、試して見よう」


「あっ、あああ」

亮はあっという間にズボンを逃がされ

暗鬼でベッドの中で男を殺害するという特殊任務についていた

マギーのテクニックは亮の不能をあっという間に治してしまった。

亮とマギーは欲望のままにすべてを忘れて求め合い数時間が過ぎた。

「亮、嬉しい」

思いを遂げたマギーはやっと亮と身も心も繋がったような気がした。


「なるほど、三瓶を裏切らせて味方に引き込むつもりなんだね」

「裏切るなんて人聞きが悪い、何千年前もの昔から人は正しい方に

 そして利益がある方に付くものです」

「なるほど、確かに亮の方が正しいわ」

「ありがとう、マギー」

「ところでその特保コーラ美味しい?」


「いや、ダイエット0カロリーコーラ同じような味」

亮はコーラをマギーに渡しマギーはそれを飲んだ。

「うふふ、代わらないね」

「うん、人工甘味料の後味の悪さは好きじゃない」

亮は帝国製薬が今開発しているドリンクの味を考えていた、

その顔を見たマギーは亮の思いを感じ取った。


「なんて自制心のない男だ、妹に手を出すなんて・・・」

亮がしきりに反省していると腕の中で甘えているマギーが亮に聞いた。

「亮、おじいさんってどんな人」


「うん、子供の頃はとても厳しかった。小学校に入ると夏休みは

 軽井沢で勉強と運動で常にトップを取るための勉強をさせられ、

 日本経済の勉強をさせられ株を指南されました。

 僕が高校に入っておばあちゃんが亡くなると、すべてを父に譲って

 世界放浪旅へ出てしまった」


「まあ、おばあさまの事愛していたのね」

「違う、おばあちゃんが亡くなって開放されたので世界中の

 女漁りに出かけたんだ」

「えっ、そんなに女好きなの?何歳?」

「77歳です。日本に帰ってくる度に連れて

来る女性が代わっています。

僕が会っただけでアメリカ、ブラジル、

オーストラリア、インド、中国」

マギーは亮に亮の祖父の事を言われ唾を飲み込んだ。


「パパに口止めされていたんだけど、

私おじいさんの養女になったのよ」

「なんだって!じいちゃんの?」

亮は驚きと共に父親の考えが見えた。

「亮、これでよかったのかしら」

「うん、じいちゃんにもしもの事があったら

 マギーがじいちゃんの遺産を半分相続できます。

父の考えがあったからでしょう」


「私、遺産なんか要らない」

「マギーは要らなくても、父は知らない

女達にお金や物を持っていかれるのが

 嫌なのかもしれません」

「おじいさんは一度も会った事の

無い私に遺産を残すと言う事?」


「いや、じいちゃんが許可するという事は

十二分に調査しているはずです」

「それでも私を養女にしてくれるなんて・・・」

マギーは亮を命を懸けて護れという

團家の暗黙の指示だと悟った。

「そういう訳でこれからもこの関係続けていい?」

「マギーがおばさんか・・・マギーおばさん

・・・マギーおばはん・・・マギーおばん・・・」

亮は天井を見ていると睡魔に襲われ深い眠りに陥った。


「失礼ね!マギーおばんって!」

マギーは眠っている亮の顔を覗き見込み、亮の顔を巨乳に抱きしめた。


~~~~~

「おはようございます、團さん」

6時きっかりに三瓶から亮の元に電話があった。

「おはようございます、昨日はどうも」

「7時40分の飛行機でお帰りですね、お見送りします」

「ありがとうございます。直ぐにロビーに行きます」

亮が電話を切るとマギーが亮に抱きついてキスをした。


「マギー、人前でこんな事をするなよ」

「もちろんよ。大丈夫よ」

マギーはしっかりと自分の立場をわきまえていて

部屋を出ると何事も無かったように亮の後ろを付いて

歩いていった。


車に乗った亮に三瓶が話しかけた。

「昨日はありがとうございました。美菜子は大喜びでした」

「それは良かったですね、都合がつき次第週末に来させてください」

「それで今週の土曜日から大丈夫でしょうか。金曜日の21時10分の

深夜高速バスに乗せます」


「分かりました、銀座でレッスンなので

東京駅で降りるように伝えてください」

「はい、よろしくお願いします。

「三瓶さん、くれぐれも宮部さんにこの件は

話さないようにお願いします」

「もちろんです。俺達は8時55分の飛行機で

東京に行きます。後のことは宮部さん

から連絡が行くと思います」


「了解です。では後ほど」

亮は車から降りて右手を差し出すと

握手などなれて居ない三瓶は照れくさそうに

亮と握手をした。

「そうだ、三瓶さんお前は?」


「五郎です、三瓶五郎」

亮とマギーは手を振って三瓶と別れた。


「亮、3とか5とか面白い名前ね」

「そうだね、福島県の仲通りを中心に多い苗字らしい、

瓶と言うのは一升瓶の事で昔の税金のシステムは所得によって

大戸、上戸、中戸、下戸の4つに分けられていた。

結婚式の時に飲めるお酒の量が上戸が八瓶(一樽)

下戸が二瓶までと決まられていた」


「一升瓶って何リットル?」

「1.8リットル。ちなみに酒が飲めない人が

日本語で下戸ゲコと呼ばれるのは

それが由来らしい」

「つまり三瓶は酒が少し飲めるわけね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ