自白
「桃華やっぱり、家の中に入って良いって言った」
蓮華は家の中が荒らされていないか
確認していた。桃華に言った。
「ねえ、私の言ったとおりでしょう」
すでに野田の家の中で入っていた、
蓮華と桃華がハイタッチをした。
「亮がピョートルに靴を脱げって言ったわ、
何でもお見通しね,亮は」
蓮華が2階から聞こえる足音を聞いていた。
2階を調べているピョートルは綺麗に片付いた部屋に入ると
机の上にフォトスタンドが飾ってあった。
「息子さんか・・・雰囲気誰かに似ているな。誰だっけ?」
ピョートルは2階を歩き回って誰もいないのを確認した。
「クリア」
ピョートルは階段を降りて蓮華に話した。
「なあ、この写真誰かに似ていないか?」
ピョートルは蓮華に見せようとすると
蓮華の元に秀樹から電話がかかってきた。
~~~~~
「蓮華、そっちへ人がはいって行った。気をつけろ」
「了解、アントンに敵を片付けるように言って下さい」
「ああ、それが分かっているんだが・・・」
秀樹の車にはピストルを向けている男が取り囲んでいた。
「アントンどうする?この車のガラスは防弾で安全なんだが
ドアを開けるタイミングが・・・」
「は、はい」
アントンは服の下に防弾ジャケットを着ていたが
ヘルメットは被っていないのでドアを開けて
外へ飛び出す事は難しい状況だった。
「パパさん、運転代わってもらえますか?」
車の中を二人は絡み合ってやっとの事で入れ替わった。
「ふう、さてどうするんだ?」
「1.2.3この三人を車でなぎ倒します」
アントンは車のエンジンをかけハンドルを目いっぱい左に切り
アクセルを思い切り踏むと後輪から白い煙を出した。
~~~~~
その時、野田邸のリビングの庭側のガラスが割られ
六人の男たちが入って来た。
「来たよ。みんな気をつけて!」
蓮華が言うと男たちは誰もいない筈の家に人がいて
驚いてピストルを手に取った。
「ハッ!」
桃華は男の手首に30cmほどのスポークを差した。
「ウッ」
男は痛みでピストルを床に落とすと
両足の膝をスポークで差した。
「一人目、蓮華大した事ないわよ」
「了解」
蓮華は床をスライディングしながら
一人の男の股間を蹴り上げると
男の体が宙に浮き1回転して転がった。
「二人目、ピョートル殺しちゃだめよ」
「おお」
ピョートルは男の手を捻りながらを頭の上まで上げた。
「ボッギ」
男の肩の関節が鈍い音を立てた。
「三人目、もう片方もやるか?」
残った三人の男達は後ずさりしてピストルを
蓮華、桃華、ピョートルに向けた瞬間
ピョートルは二人の男のウエストにタックルして
壁まで押し付け、蓮華は男の顔を蹴り上げ
桃華その男の足の甲をスポークで刺した。
「さて、意識ある奴に黒幕を聞きましょうか」
蓮華は先ほど手首を桃華に刺された男の
胸座を掴んだ。
「この家にどうして入ったの?」
「ふん」
男が横を向くとピョートルが男の頭を掴んだ。
「死にたいか?」
「ピョートル、私に任せて暗鬼は拷問が得意なの」
桃華はスポークの先端を男の右手の
人差し指と爪の間に差し込んだ。
「ギャー」
~~~~~
アントンがサイドブレーキをはずすと
「キキキー」
車が音を立てて回転して男たちを弾き飛ばした。
アントンは車から降りて三人の鳩尾を蹴り
ピストルを取り上げた。
「ああ、美咲さん。亮の父親ですが野田さんの
家が何者かに襲われた警察をよこしてください」
アントンの様子を見ていた秀樹は美咲に電話をかけた。
「分かりました、凶器は持っていますか?」
「持っていたようですが・・・救急車もついでに」
秀樹はアントンが踏みつけている三人の男の様子を見て
美咲に答えた。
~~~~~
鍋の中の鶏肉を取っておいしそうに食べている
亮の元に蓮華から電話がかかってきた。
「亮、敵は野田さんの家に入って来たわよ」
「奴らは野田さんの家F電機に関する資料が目的だったと
思います」
「ええそれで男たちに命令をした黒幕が分かったわ」
「誰ですか?」
「塩見正長だそうよ」
「塩見正長どんな奴だろう?」
塩見正長は亮の記憶に無い名前だった。
「ええっ!亮も知らない?」
「はい、会社四季報とかデータに乗っている
人間なら記憶できるんだけど
でも苗字から推理すると京都丹波か
出身が京都の可能性が高いですね」
「亮はなんでも知っているんだね」
蓮華は苗字から出身地を推理する亮に驚いていた。
「とりあえず美咲さんに聞いてみます。
しかし良く自白しましたね」
亮はいくら蓮華たちより弱い連中でも黒幕をそう簡単に
教える連中だとは思わなかった。
「ちょっと体に聞いただけよ」
「うわ!ピョートルがやられたやつだ!」
以前、ピョートルは暗鬼に捕まって指と
爪の間に釘を差し込まれた拷問だった。
「そうか・・・それで顔を背けていたんだ」
蓮華はピョートルの顔を見て笑った。
「とりあえず、警察のそいつらを引き渡して
置いてください・・・生きていますよね」
「大丈夫だけど、何人かは病院に
行かなくちゃいけないみたいだけど」
「そんなに酷い傷なんですか?」
「ううん、精神的に壊れた」
「えっ?」
~~~~~
亮は電話を切ると二人の男たちが
様子を伺い店の中に入って来た。
「さて、マギー今度は僕たちの番だ」
「作戦は?」
「まず、やつらは野田夫妻を必死に探しているはずだ。
だから僕らに二人の行き先を
聞きに来る。でもこの店と僕達は無関係だと
見せなくてはいけないので
表から出る」
「了解、外で叩きのめすのね」
「いや。奴等が本当に野田夫妻を探しているか
どうか確認してから出ないとまずいだろう、黒幕も知りたいし」
「まあそうね」
マギーはナプキンで口元を拭いてお腹を撫でた。
「ああ、お腹いっぱい」
早速マギーは芝居を始めた。
「じゃあ、帰ろう」
亮は手を挙げて女将を呼んだ。
「女将さん、とても美味しかったですよ」
亮はお金を渡しながら料理の味を褒めた。
「ありがとうございます。またいらして下さい」
亮の状況を察した町子は当たり障りのない返事をした。
「はい、必ず来ます」
亮はもう1度秋田に来てゆっくりと
美少女探しをして、温泉で温まりたかった。
「マギー行くぞ!」




