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ジムの敵は?

「面倒くさい事になったな、何故そんなにマッスルカーブを恨む?

 それとも亮の事を憎んでいるのか?」

「僕の事を恨んでいるなら直接僕を狙ってくるはずです。

 とにかく明日調査しましょう。蓮華、桃華立花、千葉を警戒してください

 いざとなったら、過激な方法を取って来るかも知れません」

「了解」

「俺は?」

ピョートルは自分を指差した。

「筋トレしていてください」


~~~~~

亮は自分の部屋に戻ってブルーノに電話を掛けた。

「ブルー、東京のマッスルカーブが妨害を受けています

申し訳ありません」

亮はせっかくマッスルカーブ日本1号店が

うまく行っていない事に申し訳なく思った。

「やはりそっちもか・・・」

「何かあっんですか?」


「実はアラブ系企業から私の会社の買収話しが有るんだが

軍隊のトレーニングを扱っているので断っている。

しかし、そのせいでかなり反感をかって妨害を受けている」

「じゃあ、トレーナーのビザが下りないのもそれが原因でしょうか?」

「日本の法務省があっちから影響を受けているとは信じがたい。

 ただ日本進出を失敗させるのは戦略的に間違いではない」


「そうですね、調査してみます」

「こっちで研修をしている日本人達のプログラムが

 あと6ヶ月で終わる。それまでがんばってくれ」

「もちろんです。敵は廃絶します」

亮は敵の姿が薄っすらと見えてきてホッとしていた。


「ところで、体の方は大丈夫か?」

「はい、普段鍛えているお陰で回復は早かったようです」

「あはは。君は私の誇りだ」

「ブルックの公演の時にはぜひ一緒に来て下さい」

「ああ、そのつもりだ」


翌朝、亮がジョギングに出ると目の前を

桜井亜里沙が横切って亮に挨拶をした。

「おはようございます」

「おはよう。昨日はどうも」


「こちらこそ、色々すみませんでした」

「一緒に走っていいですか?」

亮は恐る恐る亜里沙に聞いた。

「もちろんです」

亜里沙は笑顔で答えた。


「團さん、スポーツクラブを経営なさっているんですか?」

亜里沙は昨夜葉子と話しをして聞いていた。

「はい、新宿のマッスルカーブです。一度トレーニングに来て下さい」

「素敵。行きます」

二人は公園に着くとストレッチを始めた。


「ところであちこちにアウトレットモールが出来ているんですが

 対抗策ってお考えですか?」

「ええ、まずアウトレットモールの殆どは借地と

建物に投資していないために平屋建てでアーケードが無く

雨の日はお客様に迷惑をかけています。

だから僕はアウトレットと一般のショッピングの複合モールを作ろうと

思っています」


「それで、土地代と建設費の元は取れるんですか?」

「はい、僕は常に日本未上陸の世界中のブランドを出店させる事が出来ます。

 日本中の女性がこぞって来たがるようなモールを作り上げます」

亮は自信ありげに答えた。

「そんな事って・・・」

「できます。もちろん亜里沙さん達には契約で

世界中に行ってもらう事になりますけどね」


「はい、喜んで」

亜里沙はそれを聞いて飛び上がった

「よろしく」

亮は爽やかに笑って亜里沙と握手を

すると亜里沙の体に電流が走った。

「團さんって謎だらけですね」


「謎?そんなもの無いですよ。普通です」

人間は誰しもが自分は普通だと思って生きている

自分が異常だとか特別だとか自覚がある人間は

そんなにいないものだ。


亮は自分が謎だと言われるのがとても嫌で

必死に普通を主張する亮が可笑しかった

「うふっ、面白い人」

亜里沙が声を出して笑った。


「さて、今日も忙しい・・・」

ストレッチを終えた亮は呟いた。

「お仕事がんばってください」

「はい、今後の亜里沙さんの動きは昨夜

内村社長と話しをしてあります」

「わ、分かりました」

亜里沙は亮がただ銀座で女を侍らかして

お酒を飲んでいただけだと思っていた。


「あっ、しまった!」

「どうしたんですか?」

「絵里子さんの部屋に行くのを忘れた・・・」

亮は亜里沙に聞こえないように呟いた。

亮は絵里子と祐希と絢香と四人で話をする

約束していた。それをピョートルとアントンが

いたので忘れて家に帰ってしまったのだった。


「くそ!」

亮は声を出して走り出した。

「團さん、どうしたんですか?」

「いや、なんでも」

亮は友達の妹に変な事を言った自分が可笑しかった。

「そうだ、兄が團さんに会いたいそうです。

メールアドレス教えておきました」

「了解です!」

~~~~~

亮とアントンは9時に目白警察署刑事課行った。

「あなたが彼の身元保証人の團さん」

刑事は若い亮がアントンの身元保証人と言われて

馬鹿にしたような態度を取った。


「はい、問題でも」

「いいえ」

亮は住所を証明する為に免許証を提示し

刑事は部下に免許証を渡した。

「アントンは私の取引先のロシアのアイザックが来日するので

その準備の為に先乗りしていました」

「それで、アイザックって言うのは何者だ?」

刑事はロシアと聞いて亮を疑った言い方をした。


「ロシアの食品を扱っている商社の代表です」

「なるほどねえ・・・」

刑事はアントンのパスポートをジッと見つめていた。

「ところで、アントンとトラブルを犯した男は何者ですか?」

「それはあんたに関係ない。問題はこのアントンさんが

 男を怪我させたのではないのかと言っているんです」


「ビデオをごらんになったでしょう。ナイフを持っていたのは

 怪我した男でしょう」

「ビデオはまだ解析中で結果は出ていない」

「ふう、まったくどっちが悪者か判断できないんですかね」

亮は怪我した男が恵里香を脅していた男とは

話しが複雑になりそうで言えなかった。


「石田係長、お客様が見えています」

「誰だ!こんな時間に」

「それが警察庁の人が」

「警察庁の警視が何の用だ」

石田が入り口を見るとそこにグラマーな美女、美咲が立っていた。

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