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怪しい客

亮がそう言うと真由美は目に涙を浮かべた。

「君は綺麗だしスタイルも良い、みんな君が

スターになるのを期待している。でも君の友人神村

さんは体重を5キロ落としました。分かりますか?

もし今僕と関係したらただの社長の

お手付き女になってしまって、

周りのタレントたちを見下げて見ると思います」


「あっ・・・」

真由美は亮の言った事に気づきその場にしゃがみこんだ。

「すみません、ごめんなさい」

「今、女性ホルモン増えて男性が欲しくなるのは

分かります。でも目標に向かって頑張ってください。

君がスターになったら、僕は本気で自分の女にする」


「本当ですか?」

「はい、僕と一時も離れたくないほど努力します」

真由美は嬉しくて両腕に抱き付いた。

「お願いします。キスして」

亮は黙って真由美にキスをし舌を絡め合った。


真由美は眩暈がしてたっていられないほど感じていた。


亮は真由美を駅まで送ると

聖子から電話がかかってきた。

「亮さん、恵里香さんを脅していた犯人が捕まりました。言われた通り

 男が脅迫した会話を録音、アントンが無抵抗だったのを録画しました」


「ご苦労様でした。それでアントンは?」

「まだ、聴取を受けています。終わったら目白の自宅に送り届けます」

「お願いします」


~~~~~

「社長ヤバイですよ」

立花智也と千葉昭夫が錦糸町南口の

消費者金融会社スミダに入って立花が言った。

「どうした?」

「マッスルカーブに変な奴が現れて

 中国拳法のデモンストレーションを始めたんです」


「どんなんだ?」

「3mの高さの物を蹴り上げたんです」

社長の家持三郎の問いに千葉が答えた。

「いい加減な事を言うな、そんな事

できるわけがないだろう3mと言ったら

オリンピックで金メダルだ」

社長の家持三郎が立ち上がって

届かない天井に手を伸ばした。


「しかも物凄くデカイ外人が二人、

中国拳法が出来る中国人女が二人

ジムの中にいました」

五人が居たら会員に脅しができない事がわかって

立花の顔が強ばっていた。


「どうしたんだ・・・簡単に潰せるはずだったぞ」

家持は唖然として呟いた。

「社長、こうなったら火でも着けますか、それとも殺りますか?

 いくら強くてもチャカで撃てばイチコロですよ」

若頭の本田和也が家持に言った。


「頼むぞ、さっさとケリを付けないと残りの金が貰えないからな」

「分かりました。立花、千葉。明日マッスルカーブに火をつけろ」

本田はうなずくと立花と千葉に向かって言った。

「はい」


~~~~~

「こんばんは、内村社長は?」

「お見えになっています。こちらへ」

「ハワイではお世話になりました」

「ううん、後で面白いものをお見せしますわ」

「はい」


「ごめんなさい、いつもの席はお客様入ったので」

絵里子は亮の耳元で囁いた。

「かまいません、僕達は席で飲むわけじゃな有りませんから」

「ありがとう。でもこの店のVIPは永遠にあなたよ」

絵里子は内村に気づかれないように亮の手を握った。


「ハワイではありがとうございました」

「ううん、楽しかったわ。祐希とも打ち解けたし」


亮は内村の手前、席につくと立ち上がって

絵里子に深々と頭を下げた。

「ご心配掛けて申し訳ありません」

「いいのよ、あなたがもう少し自分を大事にしてくれば、

あなたの命はあなただけの物では無い事だけ知っておいて」


「分かっています」

「このままだったら保険会社だって契約拒否するわよ」

「あはは・・・」

亮は笑いながら顔が真剣になった。


そこに美也子がやってきた。

亮は気まずそうな顔をして頭を下げると

美也子は亮のボディに思い切り突きを入れた。

「うっ」

「こら亮!いい加減にしておけよ」

「分かっています」

美也子が亮の脇に座ると耳元で囁いた。


「亮、今のお客様、様子が変なのよ」

「なんですか?」

亮はいきなりお客の話しをする

美也子のホステスの資質を疑り声をきつく

聞いた。


「怒らないでよ、かなりやばそうなんだから」

「分かりました」

亮は万が一の事が有るといけないので

美也子の話を聞くことにした。


「あのネ、お客さんは三人なんだけど、一人は

 IT会社の社長で身なりもしっかりしているの、

でも残りの二人は一言もしゃべらないのよ」

「一言も?」

亮は驚いて聞きなおした。


「ええ、うつむいたまま目もあわせないのよ」

「美也子さん達のような美人を目の前にして

 一言もしゃべらないなんて男じゃないですね」

「そうでしょう、私だって銀座の女の自負があるから

 それなりに楽しい話をする自信があるけど

 顔を合わせなくちゃどうしようも無いもの」


「年齢は何歳くらいですか?」

「そうね、二人とも20歳代前半」

「お酒は?」

「ウイスキーは好きじゃないみたいだけど

 がぶ飲みしていたわ、つまみが無いので

不機嫌そうだったけど」


「じゃあ、ビールも飲まなかったでしょう」

「そうよ、ビールも飲まなかったわ。どうして?」

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