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アントン刺される

亮は美咲に渡そうとして買った、箱を渡した。

「三野さんも」

真由美は突然受け取ったプレゼントに驚いて受け取った。

「明日、また美宝堂へ行けばいい」

亮はそう呟いた。

「それで、彼女は何を」

内村は目の前にいる美人を見て亮に聞いた。

「はい、彼女はモデル向きなのですが、

僕としては女優になってもらいたいんです。

それからミュージカルも」

「でも私歌が」

真由美が戸惑っていると

葉子が言った。

「大丈夫ですよ。ブルックは亮が育てたんだから」

「大袈裟ですよ、喉を治したのは事実ですけど」

「本当ですか?」

初め聞いた話に真由美は驚いていた。

亮は真由美のメンタルの弱さに気づいていて、

これからどうしていいか悩んでいた一方まだ18歳の真由美に理恵は嫉妬していた。


そこに、その様子を見ていたかのように

美咲から電話がかかってきて亮はドキッとした。

「亮、仕事中だったでしょうごめんなさいね。

例のICカードの被害届を鉄道会社から出させたわ」

「お疲れ様です美咲さん」

「被害者が十二人居たんだけど個人的に出させると

 手続きが大変なのでICカードを管理している鉄道会社から出させる事にしたの」

「ありがとうございます」


「早速だけど明日捜査会議をするからね」

「はい、出来たら池袋鉄道警察隊の力を借りたいんですが」

「分かったわ」

「それと入国管理局にどなたかお知り合いが居ませんか?

 マッスルカーブのインストラクターの労働ビザが下りないんです」


「それは簡単よ、父の東大学法学部の同期が法務省のトップクラスだから

 直ぐに調べてもらうわ」

「お願いします」

亮は電話を切ると優秀な美咲に

対して敬意を表しスマートフォンに向かって頭を下げた。


~~~~~

「重要な用事だったのかね」

内村は心配になって亮に聞いた。

「はい、警察庁の原美咲さんからでした」

「えっ?警察庁」

亜里沙はいきなり警察庁の名前を聞いて驚いた。


「美咲さんは亮の大学時代の同級生なのね、理恵ちゃん」

葉子と理恵は警察庁警視の美咲が身近に居る事を心強く思っていた。

「社長、そろそろ仕事の話をしていいでしょうか?」

「ああ、そうだった。君が言っていたO駅前のF電機工場跡地の

 大型商業施設だったな」

「はい」


「実は当社でもショッピングモールを計画中だったんだが担当部長が

 出店会社に賄賂を貰ってね、計画を中止してしまったんだ。その時に

 プロジェクトメンバーに亜里沙君が居たわけだ。亮君、

亜里沙君を右腕として

 使って欲しい」

内村が言うと亜里沙は亮に頭を下げた。

「はい、ところでF電機の件ですが」


「うん、野田元社長は私も面識があるが

技術畑出身で酒、タバコを一切やらない

真面目な男だ。彼が解任になった事が信じられなかった」

「やはり噂通り、損失隠しを発表しようとして・・・」

「可能性はあるなF電機は昔から黒噂があった。

ところで、跡地は買えそうか?」


「はい、1000000平方メートル土地代1000億円

開発、建築費800億円

岡村幹事長ルートで行けば買えます。

しかし、幹事長は20億円の裏金を要求しています」

「まったく、あの男は・・・。だから民政党は第2党に成り下がったんだ」

内村は舌を鳴らした。


「ねえ、葉子さん。2000億円とか言っていますけど

 團さんにそんな事できるんですか?」

亜里沙は小声で葉子に聞いた。

「もちろんできるわよ、彼の為なら銀行の頭取だって

アメリカの投資顧問の会社も不動産会社も

そして大統領だって動いちゃうんだから」


「うそ~」

亜里沙は大統領の話など信じていなかった。

「今に分かるわよ、彼の実力」


~~~~~

恵里香は西武池袋線東長崎駅南口を降り

目白通りに向かって歩き商店街を抜け

はらっぱ公園の脇を通ると突然ドスの聞いた声が聞こえた。


「おい、遅かったな。姉ちゃんよ」

恵里香は驚き足がすくんで足が震えた。

「ええ、ちょっと買い物に・・・」

「まさか、マッスルカーブに行っているんじゃねえだろうな」

「いいえ」


「行ったらただじゃすまねえぞ」

「はい、ただじゃすまねえって、どうするつもりですか?」

恵里香は勇気を振り縛って聞いた。

「殺す!」

「助けて!」

恵里香が悲鳴を上げると男の頭を大きな手が掴んだ。

そしてバスケットボールを持ち上げるように男の体が

宙に浮いた。


「助けに来た」

優しい白熊は片言の日本語で恵里香に微笑んだ。

「な、何だ。お前は手を離せ」

アントンが手を離すと男は直ぐに

ポケットからナイフを取り出しアントンの腹を刺した。

するとアントンの腹が血で真っ赤に染まった。


「キャー」

通行人は悲鳴を上げ他の通行人は警察を呼んでいた。


「痛てて・・・」

男はナイフを手から離し血だらけの右手を左手で押さえた。

アントンが中に着ていた炭素繊維ジャケットは

摩擦係数が限りなく0になり男の刺したナイフを滑らせ

自分で自分の右手親指を切り落としていた。

恵里香はアントンと男のやり取りを冷静にスマートフォンで

録画していた。


「まったく、亮の奴。無抵抗でいろって

言ったって一発殴りたかったぞ

 こんなへなちょこ」

~~~~~

「じゃあ、そろそろ」

食事を終えた内村は嬉しそうに声をかけた。

「はい、ご馳走様でした」

食事を終えた亜里沙は美味しい食事で

すっかり機嫌を取り戻していた。

「では、明日からの仕事の方頼むよ。亜里沙君」

「はい。ところで事業部の部長はどなたが?」


「今、私が選んでいる、とにかく君は亮君の命令で動いてくれ」

「かしこまりました」

亜里沙は内村と亮に深々と頭を下げた。

「亮君、この後は絵里子ママのところだ。心配していたからな」

「は、はい」

亮は仕事が山積していて時間が惜しかったが

母親の言う通り、迷惑をかけた人に早い

うちに謝っておきたかった。


レストランを出ると真由美は亮の袖をつまんだ。

亮はそれは何かの合図と思い内村に話した。

「社長、ちょっとこの子と話がるので

 終わったら向かいます」


「わかった、先に行っているぞ」

「すみません」


真由美は恥ずかしそうに話をした。

「團さん私がお願いしていた件なんですけど」

「なに?何を頼まれていましたっけ」

「私の初体験」

真由美は小さな声で囁いた。


「嫌です」

「君が僕に取って大事なタレントなった時は

君を悪い虫から護る為に君を僕の女にします。

でも今の君はまだタレントでは無い」


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