マギーの思い
「ありがとうございます、ところで何着?」
「おいおい、1着3000万円もするんだぞ。
もう1着はマギーの分だけだ」
「もちろん、お金は払いますよ」
「わかった、ただあのでかい二人の分は割り増しだぞ」
ウォッカのビンをラッパ飲みする二人を見ながら
秀樹は笑って答えた。
秀樹がラブポーションへ行った帰りに遅かったのは
亮の代わりにホステス達の相談に乗っていたからで
それは人間関係、体調管理、ダイエットに至るまで
様々だった。
そして秀樹は女性だけではなく男にも
愛されている自分の息子を
誇りに思った。
亮は美佐江と千沙子とリビングに移って
三人で真剣な話しを始めていた。
「美佐江姉さん、付き合っている人いるの?」
久美が覗き込んでも背中を向けて
亮が美佐江に質問した。
「別にいないけど」
美佐江の理想の男性は中々見つからなかった。
「ロビンの事どう思っているんだよ?」
「嫌いじゃないけど、彼はアメリカだし
私はこっちの仕事があるから
無理」
「美佐江ネエ、もう30だよ」
「分かっているわよ、言われなくたって」
美佐江は千沙子に強く返した。
「もし、ロビンが日本に住んだら?」
「それなら付き合ってもいいわよ」
美佐江は強気だが大手IT会社のCEOで総資産100億ドル
全米トップクラスの弁護士を父親に持つ
ロビンに満更でもなかった。
「よし、やった」
亮は握り拳を握りしめた。
「千沙子はどうするの?」
美佐江は千沙子の文明との付き合いが気になって聞いた。
「私たちはすれ違い夫婦を覚悟の上だから
問題ないわ。亮のハワイの状況も毎日メールで来ていたし」
美佐江の質問に千沙子は嬉しそうに答えた。
「マギー!」
亮は手を挙げてマギーを呼んだ。
「マギーは宝石と洋服どちらが興味あるの?」
「うーん、どっちも好き」
マギーは美佐江の真剣な質問の意味が分かっていなかった。
「マギー、宝石は美宝堂の仕事の要なの
こっちを手伝ってもらえないかしら、我が家の三女として」
美佐江はマギーが宝石を付けるとゴージャスなので
店頭に立てば美宝堂のイメージアップを図れると
確信していた。
「分かりました・・・」
マギーの返事はぎこちなかった。
「良かったわ、マギーは美人だし英語も中国語も話せるから
助かるわ。ねっ、亮」
「はい」
亮は仕方なしに返事を返した。
「マギーがいつも亮を護ってくれた事に感謝するけど
マギーがいたら彼らの仕事が無くなってしまうでしょう」
「はい」
ピョートルとアントンを指差した美佐江の言う事に
納得したマギーは笑顔でうなずいた。
~~~~~
翌朝、亮が右腕の痺れで目を覚ますとマギーの頭が腕に乗っていた。
「ま、マギー!」
亮が驚いて体を起こすとパンティをはいただけの
マギーが寝ていた。
「ま、マギー、まずいよ」
「どうしたの?」
マギーが首をあげると
亮は正座をしてマギーに聞いた。
「もしかしてやっちゃった?」
記憶が無かった亮はブリーフのゴムを持ち上げて
自分の物を覗き込んだ。
「それが残念ながら・・・」
マギーは自分の物を覗く亮が可笑しくて
笑いながら首を横に振った。
~~~~~
前夜、亮がアントンとウォッカをガブ飲みしている時に
秀樹はマギーを側に呼んだ。
「マギー亮の事好きか?」
「はい、大好きです」
マギーは真剣な眼差しで秀樹を見つめた。
「男としてか?」
「は、はい・・・」
「関係はあったのか?」
「まだ。ありません」
秀樹はマギーの体を舐めるように眺めるとフッと笑った。
「あいつ男じゃないな。こんないい女目の前にして・・・。
分かった養女の話しは無しよう」
「そんなこと・・・」
マギーは秀樹に突然養女の話を断られて唖然とした。
「その代わり、うちの父の養女にする」
「亮のおじいさん!生きていらっしゃったんですか?」
マギーは今まで亮の祖父は亡くなっていたと思っていて
驚いていた。
「ああ、隠居して世界を放浪している。
父の養女なら家族には変わりはない、
それにそれなら亮に抱かれてもいいだろう。あはは」
秀樹はマギーの心に気を使っていた。
「はい、ありがとうございます」
マギーは秀樹に言うと人差し指を唇に当てた。
「この話しは内緒だぞ、今まで通り私の娘という事でいいな」
「はい、パパ」
~~~~~
亮とマギーがドタバタしている6時に亮の元に
原美咲から電話が掛かってきた。
「亮、帰ってきたんだ」
「はい、昨日帰って来ました」
「どうして、連絡くれなかったの?」
美咲は亮を責めるような言い方をした。
「昨日は忙しかったので今日連絡しようと思っていました」
「直ぐに話しがしたいんだけど」
「はい、でも忙しくて」
「私が会社のほうへ出向くわ」
「お願いします、お土産買ってあります」
「どうせ、マカダミアナッツチョコレートでしょ」
美咲は冷たく返事をした。
「どうしてわかったんですか?」
「そんなの常識よ」
確かにハワイのお土産と言えば
マカダミアナッツチョコレートなのだが
亮は最近人気のクリバンキャットのティシャツとグッズを
買い込んできていた。
「では、また後で」
亮は電話を切ってベッドから出るとマギーの大きな胸が
上掛けからこぼれ落ちた。
「マギー早くブラをつけてくれ、幾ら経っても朝立ちが収まらない」
「じゃあ、お口で出す?」
「妹にそんな事させられないよ、それになんだって
僕のベッドに寝ているんだ?」
「別にただ一緒に寝たかっただけ、
そんな事言うなら妹になるの辞めようかな・・・」
マギーは秀樹が亮に対するマギーの気持ちを察して
対処してくれた事に感謝し、
マギーの意味ありげな言葉に亮は身震いした。
「ま、マギー今日は姉さんたちの仕事を手伝ってくれないか。
僕は会社に行って残務整理をするから夕方研究所で合流しよう」
「はい」
「とにかく、ブラをつけろ!」
亮はヴィクトリアズシークレットのモデル、ハイジやタイラの
胸を彷彿させるマギーの美しい胸を見て
愚息の興奮は収まらなかった。




