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亮の経歴

キャシーはリスクを考えた。

「そうですね、開発許可、建築許可で

妨害をしてくるかもしれません。

他には裏の世界の人間が出てくるかもしれません」


「まあ、ずるい!」

キャシーはその程度の問題は簡単に片付けられそうな気がした。

「それなら直ぐにランド不動産日本支店を作ってF電機跡地の

 買収に入りましょう」


「俺もそこに出資するぞ、それとホテルは

ルーセント・インターナショナルジャパンだな、

それは俺が作る」

文明がキャシーに負けじと声を上げた。

「レストランNaturuGrillとスタジオD

ニューヨークは僕の方で、それと

日本未上陸のアメリカブランドを

マリアに頼んで探してもらいましょう」


「それはいいわ」

「他にはスーパーを1つピースマートの出店を計画しましょう。

 かなり話題になりますよ」

「そうか、ピースマートの息子のザックがいたな。

それにスポーツジムはマッスルカーブか」

ロビンは亮が今までやって来た事が

1つに繋がる事が愉快だった。


「栗田さん、真壁さんの立場は?」

「ええ、幹事長にお金を渡してしまっているし、

会社の業績も悪いみたいですので

 利益を考えてあげないと気の毒です」


「分かりました。マンション棟の建設と

販売を真壁さんにお願いしましょう」

「はい・・・」

栗田はたった四人で話しを決めて良いものかと

不安になっていた。


「栗田さん何か?」

不安げな顔をしている栗田に気づき亮が聞いた。

「はい、今の話し合いでよろしいのですか?」

栗田にとって会議とは議題を上げ書類を書いて

それを見ながらするものだと思っていた。


「いいのよ、最終的には亮が進めていく事案なんだから。

 私達は応援するだけ」

キャシーがにこやかに答えた。

「團さん、まだ紹介をいただいていないのですが」

栗田は亮を見て、文明の方を見た。


「兄さん、名前を明かして良い?」

亮は文明に確認を取ると文明は黙ってうなずいた。

「栗田さん、この事は内密にお願いします」

「は、はい」

「こちらはユニオンチャイナグループの

次期総帥で劉文明です」


「何ですって!劉文明さんですか!」

栗田は中国全土及び世界中に会社を持ち

その資産は天文学的と言われる

ユニオンチャイナグループの次期総帥を目の前にして

腰を抜かしそうになった。


「納得しましたか?栗田さん」

亮は優しい笑顔で栗田に聞いた。

「はい、もう何も・・・」

「では栗田さんは我々の仲間として動いていただけますね」

「もちろんです。よろしくお願いします」

栗田はこのメンバーに入れてもらえると言う

感激でテーブルに手を付き頭を下げた。


「では早急にランド不動産日本支社用の

銀行口座を作ってください」

「はい」

キャシーに言われ栗田は

立ち上がって部屋を飛び出した。


「さて、こっちの話しは終わった。

次はジャック・モーガンの件だ」

文明は腕を組んで渋い顔で言った。

亮は立ち上がり別室にいる小妹たちを呼びに行った。


~~~~~

岡村と真紀子と真壁はバーで一緒にお酒を飲んでいた。

「真壁君、あの男が気に入ったぞ!」

岡村が大声で笑った。

「今日泳いでいて私の足がつったら直ぐに助けに来てくれたの

 かっこよかったわ」

「そうかそうか」


岡村は真紀子に向かって微笑み、亮の持っている

アメリカの人脈を利用しようと考えていた。

岡村はハワイに同行して来ていた秘書、早坂を呼び出した。

「早坂、美宝堂の息子、團亮を直ぐ調べてくれ」


「分かりました、直ぐに」

早坂は亮を調べるために部屋に戻って行った。


「しかし、栗田君は奥さんがいるのに、

美喜さんに夢中になって困ったものだ」

岡村は栗田が船に残ったのは美喜と一緒に

居たいという理由だと思っていた。


「ええ、でもあれだけの人気モデルだった美喜さんと

 デートなんて夢のような話ですよ。うらやましい限りです」

「あはは、そうだな」

岡村は娘の真紀子がいなければ絵里子を誘惑して

一夜を過ごせるはずで、それが残念でならなかった。


「パパ、東京に帰ったら亮さんとまた会っていい」

「うーん、ちょっとそれは待て」

岡村は早坂が持ってくる亮の情報を見てから

真紀子に返事をしたかった。


「ところで例の件できそうか?」

岡村が真紀子の目をはばかって耳元で囁いた。

「はい、日本に帰って検討して必ず」

「そうか時間が無いぞ、早急に返事をくれたまえ

 その代わりテナントになりそうな企業に

私の方から声をかけておこう」

岡村は真壁にプレッシャーをかけた。


「お願いします」

「しかし、栗田君遅いな。まさか美喜さんと

上手くやっているんじゃないだろうな」

「そうですね。それでは私もそろそろ」

真壁は栗田がホテルに戻らないと確信して

テーブルに手を付いて立ち上がろうとした瞬間

早坂がビジネスセンターから出力された紙を持って来た


「先生、データが出ました。警察庁公安部の資料です」

早坂は岡村にプリントを渡した。

「うん、東京大学薬学部卒、ハーバード大学経済学部

大学院卒凄いじゃないか」

「凄い、エリートね」


プリントを覗き込んでいた真紀子が胸をドキドキさせていた。

「DUN製薬の営業部に就職。怪我のために退職、

嘱託研究員。株式会社パウル代表取締役か・・・

なぜだ?ハーバード大学を出ればもっといい

就職につけたはずだが」


「はい、何かもったいない気がします」

何も知らない岡村と早坂は亮の生き方に

批判的な考えだった。

「父親は美宝堂の社長で姉二人は取締役、

典型的な同族会社だな、

将来は彼が社長になるつもりなのか?」


「どうやらそのようですね」

「学歴の割には大した仕事をしていないな」

岡村は期待はずれの亮の職歴にため息をついた。


早坂の調査には大きなミスがあった。

それは美宝堂の経営内容と年商、パウルの

業務内容の調査を依頼していなかった

事そして調査以来をしたのは原美咲の

父親がトップにいる公安部だった事だった。

「ん?交友関係が女ばかりじゃないか」


岡村はその先にどんな人物が隠されているか、

その中に歌舞伎町のドン飯田と関西のドン黒崎の

元愛人絵里子、美容学校の理事長ジュディ山都の

存在を見落としていた。

「相当なプレイボーイではないでしょうか」


「そうだな、おそらくキャシーと言う女も

口上手くたぶらかしたんだろう」

岡村は真紀子に向かって厳しい顔で答えた。

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