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豪華クルーザー

「岡村真紀子です」

真紀子は今にも亮に抱きつきそうに

跳ねていた。

「では行きましょうか」

美喜は岡村に会釈して亮と真紀子と祐希とホテルの玄関に向かって

出て行った。


岡村は真紀子の姿が見えなくなると同時に

立ち上がって絵里子の腰に手を回した。

「今日はよろしく頼むよ」

岡村は絵里子を自分の物にしたい下心を持っていた。

~~~~~

トランプホテルの玄関には

ケアカが迎えに来ていた。

「亮さん、昨日はお疲れ様!」

マリエがショートパンツにTシャツ姿で

出迎えた。

「マリエどうしたんですか?」

「昨日のあれで休みを取ったので兄の手伝いです」

マリエは爽やかに笑うと美喜と真紀子を祐希を

車の後部座席に案内をした。

~~~~~

クラブハウスの更衣室で着替えて出てきた絵里子の耳元で

真壁が囁いた。

「絵里子さん今日の我々の会話は他言無用です。

その代わり十分なお礼はさせていただきます」

「もちろんです。私を信じてくださったから

誘ってくださったんでしょう」

「はい、すみません」

落ち着いた態度で受け答えする絵里子に

真壁はしおらしく答えた。


岡村がオナーでスタートすると絵里子は

岡村の打ったボールと反対方向に

打った。


話のある人間同士が会話が出来る環境を作る接待ゴルフ。

絵里子はそれをわきまえていた。


しかも、スコアは岡村の常に下であるように

時には岡村の指導を受けるように

その仕草一つ一つが岡村の機嫌を良くさせていた。


「栗田君、今まで何回も接待ゴルフをしてきたが、あんなに人扱いの

上手い女性は初めてだよ。夜の方もお願いしてもらいたいな」

真壁は絵里子に岡村の相手をしてもらえば

すべての話しがうまく行きそうに思え、

真壁は期待を持って栗田に話しをした。


「それは無理だと思います、彼女はそんな女性じゃないですよ」

栗田は銀座の一流クラブのママが簡単に男と関係を持つなど

絵里子にそんな事を頼める訳が無いと思った。

「そうだよな、あんな魅力的な女性を抱ける男

 どんな奴だろう?」

絵里子と亮の関係を知らない真壁はため息をついた。


「たぶん、どこかのセレブですよ」

栗田はそう答えながら絵里子より自分の関心がある

美喜がどんな男と付き合っているか気になっていた。

そして夕方に合流して美喜と一緒に食事が出来るのを楽しみにしていた。


~~~~~

プレジャーボートがワイキキの反対側のワイアナエに向かって

出航するとデッキに座った真紀子は亮に付いたまま離れなかった。

「團さんはどんな仕事をしているんですか?」

「DUN製薬の研究員です。真紀子さんは?」

「慶桜大学の3年生です」

真紀子は亮を誘惑するように着ていたTシャツを脱

いで水着姿になった。


ずっと禁欲生活を送っていた亮は真紀子の

胸のふくらみを覗いて唾を飲んだ。

「うふふ」

亮の目線を感じた真紀子はクスクスと笑った。


「亮さん!」

美喜が亮をデッキの先端の真紀子から見えない場所に

呼んで腹を思い切り突いた。

「ウッ!」

「何やっているのよ!幹事長の娘になんか手を出したら終わりだよ」

「分かっていますよ」


「エッちなら私達いつでもOKなんだから、ママとも最近していないんでしょう」

「あっ、そうだった」

亮はボケた返事をした。


「亮私どうすれば良い、私まだ処女だし、このままだとまた男に戻ってしまう」

祐希が真剣な顔で言った

「困っ」

美喜が亮の股間を蹴り上げようとすると

亮は美喜の足を掴んで持ち上げた。

「股裂き!」


「何やっているんだ?あの二人」

二人がはしゃいでいるのを見ていたケアカが

呟いた。

「さあ、何をしているんだか」

マリエは今まで見たことの無い亮のはしゃぐ姿を見て

不機嫌そうに答えた。


「まさか奥さんが居る亮に惚れているんじゃないだろうなマリエ、

彼とは身分が違いすぎる」

「分かっているわよ、言われなくたって」

マリエはますます不機嫌になった。


「ねえ、團さん。入り江にたくさん

大きな船が泊まっているけどなぜ?」

真紀子は三階建ての大型クルーザーやヨットを指差した。

「あれは、セレブがクルーザーでこっちへ遊びに来ているのです。

 中は凄く豪華で1隻何十億、何百億円もします」

「凄い!あれでアメリカに帰るの?」

「忙しい人は遊んだ後は飛行機で帰りますけどね」

「いいなあ、乗ってみたい」

真紀子は体を乗り出してクルーザーを眺めていた。


目の前の大きなクルーザーのデッキに大男が立っているのを見た亮は

アントンとピョートルに見えた。


「ん?ところでなぜアントンとピョ-トルが居たんだろう」

亮は二人が昨夜誰の指示で警察署の屋上の敵を征圧したか

謎だった。

「まさか、アイザック?」

亮はロシア人のアイザックがハワイで起きた

亮の誘拐計画を知る事など思わなかった。


「亮!向こうの船から手を振っている人がいるぞ」

ケアカがボートのスピードを落とした。

「あれ!あれは・・・」


亮が双眼鏡でそれを見ると見覚えのある金髪の女性が手招きをしていた。

「ケアカこのままワイアナエに向かってください」

「いいのか?」

「はい」


すると亮の電話が鳴った。

「はい」

「無視するの?」

「い、いいえ。これから行くところがあるので」

「じゃあ、夕方に食事に来て、いいでしょう」

「分かりました」

「じゃあ、ワイキキに迎えに行くわ」

「分かりました」

「誰?」

亮の会話を聞いていた美喜が聞いた。


「あの船に乗っていたのはキャシーだった」

電話を切った亮が面倒くさそうに美喜に答えた。

「あの船キャシーの物だったの?」

美喜は何百億もする船の持ち主がキャシーと聞いて

目を丸くして驚いていた。

「今夜、あの船での食事を誘われました」

「キャー素敵!」


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