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森田耕作

「うふふ」

後部座席で亮と和田の会話を聞いていた美喜が笑っていた。

「團さん、日本、アメリカ両方の資金運用をぜひお願いします。

 私の俳優仲間も紹介します」

「分かりました、ぜひお願いします」

亮はハンドルを握りながら頭を下げた。


「亮、一緒にいた男は言った通り高田義信、もう一人は

 南部隆弘、SNSグリーンの会社の社長招待客です」

「そうか、そうだ僕は一文字に利用されていたんだ」

亮は悔しさで車のハンドルを叩いた。


SNSソーシャル・ネットワーキング・サービス

社会的ネットワークを構築するサービスで

日本での数社は様々なインターネットゲームを供給し

会員確保の為にしのぎを削っており

その売り上げは数百億円に上る。


亮はプラネット証券の小村友子に連絡を取った。

「友子さん、IT会社のグリーンの株価を調べてください。

 取引高が上がっていませんか?」

「ええ、1週間前辺りから取引高が上がっているけど何かあったの?」


「はい、ピーエヌエーの代表取締役が捕まったら儲かる会社ですよ」

「なるほど、それはそうね。それでどうします?」

「月曜日の朝、グリーンの株を買ってください」

「了解です。実は値上がりが急だったのでもう買いを入れていました」

友子の反応は早かった。


株を買うのには関連株に注目するのは常道だった。

「團さん、何かあったんですか?」

和田は興奮していた亮に恐る恐る聞いた。

「話せば長いんですけど、先ほどパーティに出席していた

ピーエヌエーの社長の葛原が麻薬所持で逮捕されたんです」


「えっ!マスコミで有名な葛原社長ですか?」

「はい、自宅のパーティに女性を呼んで麻薬を飲ませて

毒牙にかけていたようです」

「信じられない!許せない」

梓沙は色々な芸能人と噂がありその他に

女性に手を出していた事が許せなかった。


「社長の葛原が逮捕されて株価にも影響するでしょうね」

「もちろん、カリスマ経営者が逮捕されたんですから

株価の暴落は必然です」

「しまった。私もピーエヌエーの株を持っていたんだ

が大損してしまった」


「大丈夫です、売らずにそのまま持っていてください。

 必ず上がります」

亮はニコニコと笑っていた。


~~~~~

パーティ会場では社長が逮捕されピーエヌエーの社員たちは

気が動転し何をしていいか分からずマスコミ対応に右往左往していた。

そこに、一恵と玲奈はステージに上がりマイクを握った。

「みなさん、突然の出来事に驚きましたね。

 でもこのパーティはロビンとキャシーのウエルカムパーティですから

 大人の対応をお願いします」


「それではここで、白尾尚子さんの歌を聞いてください」

玲奈が手を差し出すと尚子がスポットを浴びてステージに上がり

玲奈からマイクを受け取り歌を歌い始めた。


「よかったわ、これで動揺が抑えられる。

和美さん次はどうればいいかしら?」

一恵はパーティを無事に終了するために和美に相談をした。


「亮さんたちは今テロリストの逮捕に動いているわ、

 相談するわけにいかないわね」

「ええ」

「そうだ、ここに経済界の人たちが最も興味を持っている事

 ロビンとキャシーの今後の話をしてもらいましょう」


「そうですけど、パーティの会場では野暮じゃありませんか?」

「ウフフ、日本人の経営者連中はとても野暮なのよ」

「分かりました、今ロビンとキャシーに相談に行ってきます」

一恵は尚子の歌が歌う終える前に席に座っているロビンたちの所へ

急いで向かった。


~~~~~

「亮、今どこ?」

シアン化水素の撤去が終わり

落ち着きを取りもどした美咲は亮に聞いた。

「今回の事件の黒幕を追って羽田空港に向かっています」

「黒幕?誰なの?」

「森田耕作です」


「森田耕作ってDUN製薬データ窃盗事件で不起訴になった男でしょう」

「実はそれだけではなく、一文字が密輸した

麻薬シャンプー事件など絡んだ男です」

「それが、黒幕っていうわけね。

 すぐに羽田空港での森田の動きを調べるわ。

でも証拠なしでは逮捕はできないわよ」


「分かっています。そして

ルーセントホテルに一文字が居たそうです」

「えっ、亮の天敵一文字が・・・」

美咲はしばらく鳴りを潜めていた一文字の名前を聞いて驚いていた。


「一文字は何らかの方法でヘブンシャンプーを

チョングシャンプーと名を変えて葛原に渡るようにしていたんでしょうね」

「わかった、早急にチョングシャンプーの入手経路を調べるわ」

「お願いします、それから株式会社グリーンの南部社長を調べてください。

 ひょっとしたら裏に何かがあるかもしれません」


「了解、亮のおかげで爆弾騒ぎは片付いたわ、1つ問題を残して」

「問題?」

「ええ、キム・ユンヒ弟のミンホまでは小妹たちのお蔭で

逮捕できたんだけど、キム・ユンヒと

小針茂蔵と言う男が見つからないの」


「小針茂蔵ですか?」

亮は初めて聞く名前に美咲に聞き直した。

「小妹たちは?」

「キム・ユンヒを追って行ったようよ」

「了解、何かあったら連絡をください」

「OK」


「小針茂蔵がどうしたんですか?」

亮が電話を切ると美喜は後部座席から体を乗り出した。

「ユンヒと姿を消したらしい。知っているんですか?」

「茂蔵は私と同じ甲賀の出身です」

美喜は間違いなく動けなくなるほど茂蔵を叩きのめしたはずだった。


「では・・・」

「はい、ただ茂蔵は幼いころから乱暴者で暴力は振るうわ、盗みはするわで

一族のつまはじき者でした。それで私が町を出る頃ついに警察に捕まって」

「それで悪の道に入ってキム・ユンヒとつるんだんですね」


「はい、おそらく」

美喜は甲賀流忍法を使える茂蔵がこの先どんな事をするか恐れた。

「美喜さん、仁木さんたちと連絡を取って茂蔵の件で相談してください」

「亮はポケットからイヤフォンマイクを取り出してそれを渡した」

「分かった」

美喜は早速仁木を呼び出し三人で茂蔵の対処を話し合っていた。


「あはは、話を聞いていとても面白いですよ。

 一文字ってひょっとしたら一葉学園の理事長じゃないですか?」

「そうです、ご存知ですか?」

「ええ、私は演技論の講師で時々呼ばれて行きました。

大変優秀な学生がいます」


「そして、美人も」

「確かに美人が多い」

和田は自分の娘梓沙を気にしながら答えた。

「あの学校は美人は特待生になれるんです」

「本当にあるの?そんな馬鹿みたいな話」

梓沙はそんな馬鹿げた話をせせら笑った


「それがそんな話があるんですよ。就職の面接で同じ成績なら

面接官は間違いなく美人を選びますからね」

「確かにアメリカでは美人は優遇される特にグラマーな美女は女王様よ」

梓沙は肩をすくめた。

「まあ、美人論議はそれくらいにして、一文字が何かを?」

和田は一文字の事が気になった。


「はい、詳しくは言えませんが一文字は

自分の会社で違法な行為をしています。

それは紛れもない事実です」

「なぜそんな事を学園の経営だけで十分なはず」

「欲の深い一文字はそれだけでは満足できないようです」

「そうですか、残念な話だ」


「ところで和田さん、ピーエヌエー以外に株をお持ちですか?」

「ええと、赤字決算のせいで株が暴落している

F電機はかれこれ20年以上も持っています」

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