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和田と美喜

「ねえ、亮。何が有ったの?」

梓沙はいきなりの事で驚いて亮に聞いた。

「済みません、殺人未遂事件の犯人を追跡中です」

「殺人未遂!」

「はい、民政党岡村幹事長を狙ったようです」


「そ、そんな事って・・・」

和田はあり得ないような話をする亮を疑っていた。

「済みません、突然で驚いたと思いますが

奴らはルーセントホテルの地下駐車場に爆弾を仕掛け

毒ガスで今日のパーティに出席していた岡村幹事長と

政財界の人間を殺そうとしたんです」


「確かにルーセントホテルの駐車場が入れないで

ヒルズ駐車場に入れようとしていたところなの」

梓沙は亮の言葉に納得していた。

「しかし、君は・・・」

「挨拶が遅れました。團亮です」


「ああ、團さんは投資顧問会社の代表だと娘に聞いたんだが」

「はい、そうです」

美喜は亮と和田謙の会話がかみ合っていない

ことを不安に思い声を掛けた。

「お久しぶりです。和田さん。幸田美喜です」

「ん?」

和田はルームミラーで美喜の顔を確認した。


「おお、美喜ちゃんか久しぶりだね。

体を壊して芸能界を引退したとか言っていたが」

人気絶頂だった美喜が男の借金返済の為に

キャバ嬢に身を落として居た事を

和田は知らなかった。


梓沙は幸田美喜と聞いて後ろを振り返って会釈をした。

「パパ、美喜さんとお知り合い?」

「ああ、美喜ちゃんとはテレビドラマで

共演したり私の後輩の男と・・・」

和田は不幸な出来事だったのでそれ以上言う事を控えた。


「私、團さんの経営するプロダクションに所属して

芸能活動を再開することにしたんです」

「おおそうなんですか、それはよかった。

團さん、プロダクションの経営も?」


和田は美喜が居るだけで亮の事を信用して

駐車場の料金所で振り返ってマジマジと亮の顔を見た。

「團さん、1ヶ月ほど前アメリカにいませんでしたか?」

和田は突然話を変えた。

「はい、いましたけど・・・」


「アメリカ大統領が発表した新エネルギー政策の

記者会見でハーバード大学を救った日本人男性が

話題なったらしいが当局の命令でその日本人の

名前は伏せられたらしい。

ご存知ですか?」


「すみません、1ヶ月前帰国途中に事故にあって入院していたんです」

亮は全く自分には関係ない話のように装っていた。

「そうですか、大変でしたね。私は世界で活躍する

日本人の取材である記者さんと会ったんですが、

彼女はその日本人をRYOと呼んでいました。

團さんもRYOさんですよね」


「リョウはニックネームで僕はダンアキラです。

僕はアメリカのプロジェクトに参画する

そんなたいそうな人物ではありませんよ」

亮はこれ以上話を複雑にしたくないのでとぼけていた。


「そうですか、ジェシー・パーカーと言う女性記者です。残念だなあ

有名人と会えたと思っていたんですけど」

和田はそう答えると急にブレーキを踏み込んだ。

「あっ、失礼!目の前に急にバイクが入ったので

・・・あの白いセダンで車ですか?」

「は、はい」


亮と美喜は鈴木に知られる事を避ける

ためにシートに深く座り込んだ。

「團さんはどうしてこんな事をしているんですか?」

「ええ、大学時代の友人がたまたま警察の人間で

成り行き上彼らを追っているだけで

行き先が分かったら、居場所を警察に伝えます」


「分かりました、ところで資産運用の話できますか?」

「は、はい!」

亮は殺人未遂の容疑者の追跡に緊迫感のない和田が

可笑しかった。


~~~~~

ドアを開けた小妹、蓮華、桃華は

敵の攻撃を避けるために両端に体を転がせると

ミンホたちが放ったサブマシンガンの弾がドアに

穴を開けた。

小妹たち三人はフロアに並べてあるエキストラベッドに

隠れピストルを構えた。


「裏切者のキム・ユンヒあんたに暗鬼から抹殺指令が出ている

 覚悟しな」

小妹は中国語でユンヒに話しかけた。

「何、暗鬼だって!」

ユンヒは入って来た人間がてっきり日本の警察だと思っていた。

「そうだよ、ここにいるのはあんたの知っている、三人だ」

「だ、誰だ!」


「蓮華、桃華。小妹」

「えっ、本当!小妹ってあの小さかった小妹か?懐かしいわ」

ユンヒの声が急に優しくなった。

「一度顔を見せてくれないか?」

「その手には乗らないよ、あんたの卑怯な手は知り尽くしているよ」


「そんな事ないさ、暗鬼に狙われたら恐ろしくて

夜もおちおち寝ていられない、

話し合えないか?」

「分かった、今回の命令を出した人間を教えれば命を助けるように

 じいちゃんに言ってみる」


「そうか、じゃあ話すから顔を出してくださいな」

ユンヒが言うと小妹がゆっくりと立ち上がった。

「バリバリバリ」

ユンヒはミンホのサブマシンガンを取り上げ小妹の腹めがけて

引き金を引き続けた。


「ひひひ、だまされた。孫娘を喪って

泣く趙剛の顔が思い浮かぶわ!」

「小妹!」

桃華が小妹に駆け寄り小妹を抱きかかえると

蓮華がユンヒに向かって

ピストルを撃った。


「どうせ当たっても死なない、弾丸だろう。怖くない」

ユンヒが笑っていると部下の一人が床に倒れ

ピクリとも動かなかった。

「本物の弾丸か!」

ユンヒは慌ててベッドの後ろに隠れた。


「くそ!あの女。許せない」

桃華がそう言って小妹の服を触ると服の穴の中から

平たくつぶれた弾丸が落ちてくると

小妹は自分の腹を撫でた。

「うふふ、亮が作ったこの防弾ウエアすごい!」


「小妹どうする?」

桃華は生け捕りにしなければならないユンヒの対処に困っていた。

「私たちの有利なのはここの明かりが消せることよ」

小妹は目薬を手に取った。


~~~~~

数分前

「マギー?」

タクシーを探していたマギーにバイクに乗っていた女性が声を掛けた。

「えっ?」

「私です」

裕子はフルフェイスヘルメットのシールドを開けて目を見せた。

「ああ、裕子。このバイクに乗せてくれない?

亮の指示で人を追っているの」


「そう、いいわよ」

裕子はバイクのシートの下からヘルメットを出してマギーに渡した。

「裕子、どうしてバイクに乗っているの?」

「うふふ、亮にパーティに呼ばれていたんだけど

時間が無かったからバイクで来ちゃったの」

「そうか、裕子って良い人ね。

今駐車場から車が出てくるから」

「OK」

マギーはバイクに跨り裕子の腰に手を回した。


「出てきたわ」

マギーは裕子の肩を叩くと裕子は鈴木の車の後ろに入った。

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