コーディネート
「うん、いいよ。亮は人を見る目があるから。
亮が連れてきた元レースクイーンの
木田明日香さんは私の立派なパートナーになったわ」
「本当ですか?」
「ええ。亮に会えてよかったわね、きっと良い事あるわよ」
「はい、私もそう思います」
孝子は笑顔で答えた。
「二人は英語話せるのかな」
ロビンが香に話しかけた。
「はい、両親の教育が厳しかったので」
「なるほど」
知的な感じのする香を見つめた。
「RRレコードのオーディションに受かってハワイと
ニューヨークでレッスンを受けるんです」
「おお、そうか。RRレコードは僕が
プロモーションビデオを作るんだよ」
「本当ですか。よろしくお願いします」
香は立ち上がってお辞儀をした。
「それで君は?」
ロビンが笑顔で真奈美に声をかけた。
「私は姉と違って特技はありません。
しかも母親が違うので出来損ないです」
真奈美は自分を卑下した。
「そんな事無いさ、君のその美しい脚は
めったにいない理想の足だよ」
「はい、團さんに言われました。言われたメニューを
こなしたら願いをかなえさせてくれるって」
「あはは、あいつらしい。でも必ず約束は守る男だから
あなたも守りなさい」
「はい」
~~~~~
貸衣装室に入った亮とアンナは服を選びだした。
「アンナさん、セミフォーマルのドレスコードというと
昼間より華やかな素材のワンピースで膝より長い物、
逆に腕は半袖以上短く腕を露出して
胸元も開いていた方がアクセサリーが生えます。
今着ている黒いボディコンはclbe用ですね。
セミフォーマル、フォーマルにするには
ラメやレースを入れて派手じゃないといけません。
ブーツは長靴ですからフォーマルではありません」
「はあ、そうだったんですか。
私友達の結婚式にブーツを履いて出ちゃいました。
恥ずかしい」
「過去の事です忘れましょう。靴の色は服に合わせて
ベージュは足が長く見えます」
「は、はい」
「メンズのポケットのついている物、フラップは
元々雨よけの蓋なんです。
だから屋外では外に出して室内では
中に入れておくのが礼儀ですね。
ほら、僕が着ているタキシードは外で
着ないので、フラップは付いていないでしょう」
「本当だ・・・面白いですね」
アンナは正体がわからない亮をあまり
良く思っていなかったが、話を聞いている内に
亮に興味を持ってきた。
「バックはビーズ、靴はパンプス。ストッキングは
必ず履かなくてはいけません」
「生足はダメなんですか?」
「はい、フォーマルドレスになるとノースリーブで上半身の
露出は増えますがロングドレスなのでストッキングは
履かなくて大丈夫です」
「でも不思議ですね、フォーマルになればなるほど女性に
露出が増えるなんて」
「そうですね、西部開拓時代のアメリカは胸の谷間は出していいけど
肘を出してはいけなかったそうです。その時代時代で男性がそそられる
部分が違っていたのかもしれません。今男性が最もそそられる部分が
股下20cmのところで、ここの部分を見ると男性は異常に興奮します。
なんとなくわかるでしょう」
「うふふ、そうですね」
亮はそう言いながらたくさん並んでいるドレスの中から
シルバーのサテンのワンピースを選んだ。
「これが良い」
亮はワンピースをアンナの体に合わせてみた。
「日本の女性はセミフォーマルというと無難な
ダークカラーを選んでしまうんですがあれではパーティではなく、
まるでお葬式です。もっとおしゃれをして
自分をもっとアピールしなくちゃ」
「そうか・・・」
「9号これがいいですね、着てみてください」
「身長が162cmだから靴は24.5cmでヒールが7cmがいいですね」
「私の身長知っているんですか、足のサイズも」
「はい、ファンですから」
亮は驚いているアンナに平然と答えた。
アンナが着替えている間に亮はアクセサリーを選んで待っていて
着替えが終わるとネックレスをアンナの首に付けた。
「さて、行きましょうか」
「はあ、はい」
アンナは初めて男性にされた行為で心拍数が上がり
頬が赤くなった。
フロント奥のカフェに向かう途中
亮の事か気になりだしたアンナは亮に質問をした。
「團さんのような男性がAV男優
なんてやろうと思ったんですか?」
「ただの興味本位です、セクシー女優と
やってみたいと思ったんですけど、
今日の撮影を見て諦めました。
あれは楽しくないですね。
みんなが見ているんですから。
それにその他大勢だったし、あはは」
「うふふ、そうでしょう。なれないと立たないみたい」
「ところで、アンナさんのような人が
どうしてセクシー女優になったんですか?」
「私は在り来りだけどお金の為です。
グラビアアイドルから水着、セクシー系、ヌード、
最後はAV、それで売れなくなったら風俗かな・・・・」
アンナは一瞬顔を曇らせた。
「後は?」
「どうしていいか、わからない・・・」
アンナは亮に甘えるように答えた
「そうですか・・・」
亮はそれ以上のアンナに期待を持たせるような
答えができなかった。
亮とアンナが無言のままカフェに戻ると
孝子がキャシーたちと話をしていた。
「あっ、みんな来ていたんですか」
「英語のレッスンを受けていたんです」
孝子が嬉しそうに亮に答えた。
「みなさん、紹介します。水樹アンナさんです」
「こんにちは、水樹アンナです」
アンナはゴージャスなキャシーとケイトを目の前にして
英語で言おうとしたがなんて言っていいか
わからずおどおどとあいさつをした。
「コンニチワ、ロビンデス」
「コンニチワ、キャシーデス」
「コンニチワ、ケイトデス」
三人はアンナに気遣い日本語で答えた。
「初めまして、亮の姉の團美佐江です。
亮の見立てね。素敵よアンナさん」
「ありがとうございます」
アンナが美佐江に礼を言うと亮は美佐江の耳元で囁いた。
「このネックレスは姉さんのデザインでドレスは
千沙子姉さんのデザイン、素敵なはずです」
「うふふ。そうね、昨日このホテルに納品したものだもの」
亮の美佐江の会話を聞いていたアンナはあまりにも
自分からかけ離れた
話で唖然としていた。
普通このような場に立ち会うと劣等感に苛まれ
落ち込んで行く人間と積極的中に入り込んで
自分を向上させていく人間
そして何も感じない3種類の人間がいる。
亮はアンナこのまま身を落としていくかこの世界から
這い上がって行くか冷静に観察をした。
「私化粧を直してきます」
アンナが席を立つと孝子が続いて席を立った。
~~~~~
「アンナさん、待って!」
孝子はトイレの前でアンナを引き留めた。




