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勝利

しかし、ジェイソンの強靭な肉体は亮の腕にぶら下げなから

立ち上がり亮を床に叩きつけた。

「おお」

会場からジェイソンのパワーに驚き声を上げた。

「ふう、やっぱり無理か」


亮は普通の技が簡単にジェイソンに通じるとは

思っていなかったが

この試合が掛けの対象になっているという事は

亮は絶対に勝たねばならなかった。


「しょうがない」

亮は右足を上げジェイソンの間合いを取りながら

前蹴りをボディに放ち、ジェイソンが近づいてくると逃げながら

背中と腰椎T9からT11の間に蹴りを放った。

ジェイソンはチョコチョコと逃げる亮を捕まえられず

怒りに任せて怒鳴りつけた


「卑怯者!男なら堂々と戦え!」

「お前には言われたくない!行くぞ!」

亮はそう言ってロープに体重を掛けその反動でジェイソンに向かった。

ジェイソンは今度こそ亮を捕まえようとヒグマのように

手を大きく広げた。


亮はジェイソンの前でジャンプをしようと体を伸ばす振りをして

しゃがみこんだ。

ジェイソンは急に小さくなった亮を見て

バランスを崩しながら亮を捕まえようと手を出すと

亮はその手をつかみ背負投を放った。

その仰向けに倒れたジェイソンの

下腹部にニードロップ膝を突き立てた

亮はなおも執拗にそこを責め宙返りをして踵を落とした。


「WOO・・・」

ジェイソンは亮の執拗な責めに冷静さを

失いただ亮を掴むことだけしか頭になかった。


~~~~~

「おい、ピョートル。亮は何をしようとしている?」

アントンは亮の攻撃の意味が分からず首を傾げた。

「俺もわからん、普通あの体格差なら

体力を奪うレバーを徹底的に狙うか膝を攻撃

して動きを止めるくらいだろう。

全く殺さずに勝つのは難しい」


「我たちは亮を知っているだけに興奮する」

「ああ、頼むからもう格闘技はして欲しくないものだ」

「あはは。言えている」

話をしているピョートルとアントンの方を一瞬見た亮は

手をあげて人差し指を立てた。

それに反応した観客が声援を送った。


「ニンジャ、ニンジャ」

亮は声援に答えるように顔を狙った

ムチのような回し蹴り攻撃続け

ジェイソンはそれをその度に腕で防御をした。

10回連続で同じタイミングの

キックとタイミングを変えた

亮の11番目のキックはジェイソンの首筋に当たった。


もし、亮がジェイソンを殺すつもりで

放っていたつま先を立てた

トゥキックならジェイソンは首筋の血管が

断裂しその場で死に及んでいた。


「ウォー」

ジェイソンは首筋を抑えてよろけ

亮はその腕を掴んでロープに投げると

リング中央でマスクを取りそれを手に巻いてひざまつき

跳ね返って来たジェイションの恥骨をめがけて正拳を突いた。


「ギャー」

激痛のあまり悲鳴をあげているジェイソンに対し

亮は素早くマスクをして後ろに周りジャーマンスープレック

ホールドをかけて勝利した。

会場からザ・ニンジャの勝利に歓喜の声が上がった。

「やったぞ!」

ウイルソンとアイザックが握手をした。


「こんばんは、アイザック」

亮がスーツに着替えアイザックに挨拶に来た。

「おい、優勝者がいないので主催者が困っているぞ」

アイザックは嬉しそうに笑って亮と握手をした。

「今日はアルバイトだったので」


「そうか、これからもザ・ニンジャの応援を

しようと思っていたが残念だったな」

「最後の一打、どうしてあんなに痛がっていたの。

まさか急所を撃ったんじゃないでしょうね」

カテリーナが興味深そうに聞いた。


「いいえ恥骨を攻撃したんです。

恥骨の裏側の膀胱はかなり痛いですからね」

「その話は聞いたことある、神経の集まっている

膀胱はかなり痛いそうだな」

アイザックは納得して頷いた。


「亮、我々は明日帰る世話になったな。

9月に我々の結婚式に来てくれよ」

「わあ、結婚決まったんですか。

おめでとうございます」

亮はアイザックの結婚を心から祝福した。


「カテリーナと一緒に日本に来て心が決まった」

「そうよ、亮のおかげよ」

アイザックとカテリーナが亮とハグをした。

「亮、ひとつ聞かせてくれ。どうして

マスクを外してパンチを撃ったんだ」

「それは手が痛いからです」

亮はマスクが炭素繊維で出来ている事は言わなかった。


「なるほど、そんなものか・・・」

アイザックはもっと秘められた部分が

有るのではないかと思っていたので

亮の返事は期待はずれだった。

「亮、俺たちも一緒に帰りたいんだがいいか?」

ピョートルとアントンがすまなさそうな顔をした。


「大丈夫ですよ、ゆっくり休んでください」

「ありがとう、亮」

「ただお願いしたい事が有るから、

必ず戻って来てくださいよ」

「当たり前だ!」


亮の前からロシアから来た友人たちが

消えると景子がやって来た。

「亮、主催者が亮の行く先を私に聞いてきたわ。

どう答えればいい?」

「何か問題がありますか?」


「もちろんよ、あなたに日本代表の資格があるかどうか、

優勝賞金を誰に渡していいか困っているわよ」

「せめて新聞の撮影くらいしなさいよ」

「じゃあ、行きましょう」

亮はポケットに入れていたマスクをかぶった。


「ところでジェイソンはどうなりました?」

「病院に運ばれたわ.

一緒に警察も付いていったわ、婦女暴行の容疑で」

「そうですか、最もしばらく婦女暴行

はできそうにないですけどね」


恥骨にヒビが入った痛みと腰椎T9からT11に

障害を与えて、ジェイソンは婦女暴行ができない事と

美咲が動いてくれた事で亮は嬉しそうに笑った。

スーツ姿にマスクをかぶった妙なスタイルで新聞社の

取材に応じた。亮は優勝賞金の1000万円は

今日合格したスターの卵の育成費に使う事にした。


~~~~~

亮はディファ有明の駐車場へ向かう

途中美咲に電話を掛けた。

「美咲さん、ありがとうございます」

「報告は受けたわ。あなた格闘家になったの?」

「はい、潜入捜査です」

「仕方ないわね」


~~~~~

「お待たせしました」

亮はディファ有明の玄関に車をつけてドアを開けた。

マスクを取った亮に周りの人間は気づかず

亮と景子の関係を怪しむ者もいなかった。

「亮、大変よ」

車に乗った景子は興奮して言った。

「どうしたんですか?」


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