表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/196

ジェイソンとポポス

アントニオは打撃でジェイソンに優勢を保っていたが

体力の違いで次第に押されていった。

そしてジェイソンはエジソンの上着の襟を掴んだ。

「柔道や柔術は相手が上着を掴んだ時は強いが

裸の相手には技のかけようがないだろう」


ジェイソンはアントニオの柔道着の襟をクロスに掴んで首を絞め

全体重を掛けリングに叩きつけると

背中を強く打ったアントニオの呼吸が止まった。

エジソンは深く息を吸って立ち上がろうとすると

鎖骨と肋骨に激痛が走った。


「どうした、痛いか?」

「うっ」

アントニオは長い格闘技の経験で自分の肋骨が折れ鎖骨にも

何らかのダメージを負った事をわかった。

アントニオはギブアップをするために

レフェリーを合図を送ろうとした瞬間、

ジェイソンはアントニオを高く持ち上げ

もう一度頭から床に叩きつけた。


アントニオは後頭部を打って気を失い

ボロ雑巾のようにぐしゃぐしゃになっていた。

しかし、ジェイソンは手を緩めることなく続けてアントニオを

床に叩きつけた。

「キャー」

アントニオの異常に気づいた会場の女性が悲鳴を上げた。


「止めろ!」

ジェイソンはレフェリーの静止を振り切って

アントニオを頭の上に持ち上げた。

「止めろ!死ぬぞ!」

会場の至ることころから声が聞こえた。


ジェイソンはニヤニヤ笑って全体重を掛け

アントニオをもう一度床に叩きつけようとした瞬間

黒いタイツに黒いヨットパーカーそして黒いマスクをした

男がリングの最上段からリングに飛び込んで

ジェイションの膝の後ろをけった。


バランスを失ったジェイソンは

アントニオを抱えたまま両膝を付き

アントニオを腕から落とした。

「ドクター」

レフェリーが呼ぶとスタッフがストレッチャーを

持ってリングに上がって来た。


「ドクター、気道確保しました。肋骨を

折っていますが心臓は動いています。

ネックロックで首を固定して運んでください」

黒ずくめの男がドクターに指示をした。


「わ、わかった。ありがとう」

黒い服の男はそれが終わるとリングから降りて立ち去った。

「亮もなかなかやるわね」

マスクの男が亮と知っている景子がニコニコと笑った。


「おい、あの男どこかで見たことないか?」

「ああ、あの筋力とスピードそして救命知識を持ち合わせて

いる男はこの世に一人しかいない。亮だ」

リングの様子を見ていたピョートルが

アントンの問に答えた。


「ああ、間違いなく亮だ。しかし、

なぜ亮がプロレスをやっているんだ?」

「明日帰るアイザックに挨拶に来たんだろう」

「ああ、そうかもしれないな」

アントンがピョートルの話に納得していた。


「ピョートル、アイザックに言った方がいいか?」

「いや、亮が勝ってからにしよう。亮の戦う相手は

ロシアのグレゴリー・ポポフだからな」

「でもが亮が負けるはずないぞ」

「ああ、亮は負けない!」

ピョートルとアントンが握りこぶしを合わせた。


会場が興奮のまま場内は暗くなり選手の入場が始まった。

最初にスポットライトが当たったのは

ピョートル達と同じくらいの

体の大きさのロシアの選手グレゴリー・ポポスだった。


次にライトを浴びたのは黒いマスクに

黒いタイツの亮が走って

リングに上がりコーナーポストの上に立って

胸の傷を隠すように腕を組んだ。

それは初代タイガーマスクのデビューの当時

お粗末なマスクと風呂敷のようなマントだったが小柄ながら

鍛え抜かれた肉体で観客を魅了させたように亮のその姿も

それを彷彿させるものだった。


リングアナウンサーは

「グレゴリー・ポポフ」

「ザ・ニンジャ」

と呼び上げた。

「すみません、ニンジャマンじゃなかったですか?」

亮はリングアナウンサーに聞いた。


「あんた、どう見てもザ・ニンジャだ。かっこいいよ」

「ありがとうございます」

二人はレフェリーにボディチェックを受けると

亮はレフェリーに聞いた。


「この試合はガチですか?」

「馬鹿な、さっきみたいになって、

あんたが死んだから責任問題だ。注意して戦え!」

「了解です。危なくなったら

ドクターストップかけてください」

「ああ、聞いている」

レフェリーは無名のレスラー亮を完全に見くびっていた。


亮はゴングが鳴るとコーナーポストに

向い走り出してそれを上り

後方宙返りをしてポポスの手前に立つと

亮は逃げるようにリングの周りを1周した。


「トップロープの高さが1.2メートル。一辺が

6.4メートルの直角三角形の底辺、a=6.5*√2

だから9.050メートル従って中心地点は4.525m」

亮は始めて上がるリングサイズを測った。


プロレスリングの構造は四角に鉄柱、

団体によって違うがその間の距離が5.5mから

6.5mに3本のロープが張られ最上段が120cmである。

マットのは板、ゴム、フェルトの上にシートがかけられ

その下には大きなスプリングが有って

比較的反発力があり柔らかいものである。


亮はこのバネを利用しての戦法を考えた。

身長190cmを超える格闘家は顔面に攻撃を受ける経験が少なく

防御も弱い、亮はポポスと戦う事によって

その向こうにジェイソンの姿を見ていた。

「行くぞ!」


亮はもう一度コーナーに向かって走りだし

トップロープの最上段まで上がり

後方宙返り半回転ひねりを加えポポスの

胸に両足で蹴ってポポスを後ろ向きに倒した。

「ワー」


会場中からまるで体操の演技のような亮の動きに

驚いた観客から歓声が聞こえた。

「クラウディア、イリーナあれは亮よ、間違いないわ」

ナターシャがたくましい筋肉と4本の胸の傷を見て

一昨日自分が抱かれた男、亮と気づいた。


「まさか、本当に亮なの。だったら素敵!」

ナターシャ達の声を聞いたアイザックが

振り返ってナターシャに聞いた。

「本当か?ナターシャ」

「本当よ、間違いないわ。あの胸の傷」


「あはは、やっと亮に抱かれたか」

ナターシャと亮の関係を危惧していたアイザックは

二人が結ばれた事に喜んでいた。

「そ、それは・・・」

ナターシャは返事に困っていた。


亮はフラフラと立ち上がったポポスの

顔面を狙ってジャンプしての後ろ回し蹴り

ロールングソバットを放った。

再びふらついたポポスの左脇腹を回し蹴りで

10回連続で攻撃をするとポポスの

肝臓に受けたダメージで体が動かなくなり両膝を付いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ