真奈美の立場
真奈美は今までの経緯と亮の周りにいる
人間を見て亮の事を100%信用した。
「じゃあ、今の夜の仕事をやめた方がいいですか?」
「いいえ、昼でも夜でもアルバイトをして
生活費は自分で稼いでください」
「そうですよね」
「いずれモデルの仕事を取ってきます
からそれまで待ってください。
とりあえず所属契約しを取り交わしましょう」
「はい、よろしくお願いします」
真奈美は立ち上がって深々と頭を下げた。
亮が美咲の脇に座ると美咲は腕を掴んだ。
「亮なかなかやるわね、これで女スパイの出来上がり」
「別にそういうわけじゃありませんよ、
彼女は努力すれば伸びる子です。
ただ、仕事を手伝ってもらうだけです」
「なるほど、最近女の扱いが上手くなったみたい」
「良かったわね。真奈美ちゃん」
尚子が真奈美の肩を叩いた。
「ところで亮さんてどうしてあんなに歌が上手いんですか?」
真奈美は亮と尚子の見事なデュエットを聞いて
亮があまりにも歌が上手いので不思議に思っていた。
「昔、ニューヨークで私と亮が歌のレッスンを受けて
いつも二人でデュエット曲を歌っていたの」
「じゃあ、亮さんはプロを目指していたんですか?」
「ううん、全然」
「じゃあ、どうして?」
「トレーナーがブロンドの美人だったからじゃないかしら」
尚子は亮を無理やりレッスンに誘ったことを明かさなかった。
「二人はどうやってニューヨークで?」
「話せば長いけど私はニューヨークで命を
助けられてそれからも精神的にも支えられ
何度も助けられて貰ったの
詳細はエピソード0で)」
「そうよ、私たちも亮に救われたのよ。まさに救世主よ」
めぐみはそう言って尚子に同調したが
母親の復讐のためと言えど
愛人をしていた事を思い出すと胸が苦しくなっていた。
「じゃあ、亮さんと尚子さんは恋人同士?」
真奈美は真剣な顔で聞いた。
「恋人じゃないわ、同志で親友かな」
「恋人の方が良いんじゃないですか?」
「ううん、恋人や夫婦はいつか別れるかも知れないけど
親友は死ぬまで親友よ。私死ぬまで亮と別れない」
尚子の言葉に真奈美が戸惑うと
「真奈美さんあなたは亮と出会って幸運よ、
亮はあんなに厳しい事を言っているけど
それは全てあなたに返って来るわ」
紀子は普段見せない亮の厳しさを
真奈美に知って欲しかった。
「わかります。体がピカピカ光って見えます」
真奈美が突然変な事を言うと尚子と紀子とめぐみは
真奈美はやはり変な娘だと思った。
「ところで亮さんの隣にいる
女性はモデルか女優さんですか?」
「ううん、警察の警視さん」
紀子は真奈美の問いに答えた。
「警察ってみんな一緒でしょう、
おまわりさんと刑事さん。
警視って偉いんですか?」
警察の階級が有ったなど知らない真奈美は首を傾げた。
「うん、警察官僚キャリアよ」
「なに?キャリーパミュパミュ?」
「あんた、私をからかっているの?」
紀子は馬鹿なされているようで怒り出した。
「ごめんなさい、自分で言うのは変だけど私世間知らずなの?」
「世間知らずって自分で言うことかしら?」
めぐみは呆れてため息をついた。
すると真奈美は美咲の脇に座って頭を下げた。
「はじめまして柳本真奈美です」
「こんにちわ原美咲です」
美咲はいきなり真奈美に挨拶をされて戸惑っていた。
「警視さんって偉いんですか?」
「別にえらくは無いわ、警視は会社で言うと
平の取締役と言うところ」
「そうかそう言ってもらうと分かり易いです」
「なるほどね」
亮は真奈美がどんな家庭環境で育ったか想像をして笑った。
「亮、何が『なるほどね』なの?」
美咲が亮の顔を覗き込んだ。
「真奈美さん、お兄さんいらっしゃいますよね」
「はい、姉の香の上に二人います。どうしてわかったんですか?」
真奈美はいきなりプロファイルに書いていない事を言われて
驚いて答えた。
「ただの勘です」
亮はDUN製薬の取引先、神戸の神徳総合病院の院長
柳本徳が真奈美と香の父親と確信したが、
大病院の娘二人が決して豊かな生活をしているように
思えない事に亮は興味を持った。
「亮さんて超能力があるのかしら?」
「いいえ、ただ想像力が豊かなだけです。真奈美さん
マッスルカーブに帰り立ち寄って入会手続きを
してクエストをクリアしてください」
「分かりました、頑張ります」
真奈美が自分の席に戻ると美咲が興味深そうに亮に聞いた。
「ねえ、彼女にお兄さんが居るってどうしてわかったの?」
「真奈美さんは警視は知らないけど
平の取締役を知っていた。という事は
実家は経営者一族、そしてさっき尚子さんと
同郷と言っていました。
神戸にある神徳総合病院の院長が柳本徳さん、
長男が申さん、次男が雄さんです」
「じゃあ真奈美さんは病院の娘ということ?」
「はい、香さんの踊りはバレエの基礎が
しっかりしていましたから、子供の頃から
バレエを習っていたようです。そして
真奈美さんも香さんも歯がとても綺麗でした。
そう考えると裕福な家庭で育ったと思います」
「でも、お嬢様がどうしてバニーガールをやっているの?」
「経済的な理由だけとは考えられませんね、
さっき矯正にお金がかかると言ったら
そんなに辛辣な顔をしていませんでした。
涙をこぼしていましたけど」
お兄さんも香さんも名前は漢字ひともじ、
真奈美さんだけ違うのは家庭の事情でしょう」
「ひょっとしたら愛人の娘かしら」
「その可能性は高いですね。看護師とか・・・」
「ところで昨日の話を聞かせて」
美咲が亮の腕を掴むと亮は紀子とめぐみを呼んだ。
「実はこの二人ピーエヌエーの葛原に犯されたんです」
「えっ、いつどうやって?」
「私は服にワインをかけられて
お風呂に入ったらフラフラになって
しまって犯されたんです」
紀子が悔しそうな顔をしていると
めぐみが恥ずかしそうに囁いた。
「私は社長の命令で葛原の部屋行って犯されました」
「うーん、それだけじゃあ葛原を罪に問えないわ。
紀子さんは酔っていて無理やりだったとしても
準強制わいせつ、めぐみさんの場合は全く
罪に問う事はできないわ、強いて言えばパワハラかしら、
社長が葛原から何らかの謝礼を受け取っていれば管理売春ね」
「それが美咲さん、紀子さんは葛原の
バスルームでチョングボディシャンプーで
体を洗ったとたん体がおかしくなったそうです」
「えっ、それって一文字の時の麻薬が
入ったヘブンシャンプー?」
「ええ、おそらく。殺された優弥はその
チョングシャンプーを売っていた可能性があるんです」
「わかった、すぐに捜査の準備をするわ」




