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尚子の歌

「国城芽衣さんです。病気前には沖縄

ミュージックスクール通っていて

何度もダンス大会で優勝したそうです」

亮はパソコンを開き芽衣の踊っている

姿の映像を奈々子達に見せた。


「なかなかの出来ですね。将来性があると思います。

個性ある二人のユニット面白いと思います。

ところで彼女の病気は?」

芽衣の病状を知らない奈々子は亮に尋ねた。


「白血病です。DUN製薬の新薬を使って

いますので順調に回復しています」

「うふふ、楽しみだわ」

奈々子はノートにメモを取っていた。


「金子紀子さんは倍音に近いものが出ていました。

ボイストレーニングをします」

「内田めぐみさんは完全に倍音が出ていました、

カントリーを歌ってみませんか?」

「はい」

亮は続いて合格者落選者を発表して行った。


その後白尾尚子がステージに立ち

レコーディングを終えた10曲を歌い

オーディションを終えた者たちは客席に残り

白尾尚子のアルバム曲を絶賛していた。


「亮どうでした?」

ステージからマイクで尚子が聞いた。

「2曲目と3曲目の楽曲はもう少し

ストリングスを入れて深みを

出したらいかがですか、

 サビの所、生のバイオリンを入れたいところです」


亮が言い終えるとアレンジャー

(編曲者)が駆け寄ってきた。

「アレンジャーの及川です。

早速音を入れてみますので数日お待ちください」


「お願いします。あっ、ついでに

バイオリニストの音のサンプル聞かせてください」

亮が丁寧に頭を下げるとアレンジャーは

恐縮して別の席に移動して行った。


「亮、彼があなたにあんな態度を取ったの

はあなたの能力の凄さに気づいたからよ」

「そうですか?ただ思った事を言っただけですけど・・・」

奈々子は音楽の感覚は簡単に身に付くものではなく

簡単に言ってのける亮を頼もしく思えた。


「奈々子さん作詞はどなたですか?」

「原曲がアメリカの曲が入っているので・・・おかしいいですか?」

「少し見直してほしいところが有ります」

「わかりました」

奈々子は亮の厳しい指摘に頭を下げた。


「亮、ブルックとデュエットの曲一緒に唄ってくれる?」

ステージから尚子が亮を呼んだ。

「OK」

亮がステージに上がると客席がざわついた。

「倉沢さん。社長は唄えるんですか?」

奈々子の隣に居た関口部長が不思議そうな声で聞いた。


「さあ、でも亮なら何が出来てもおかしくないわ」

「そうですね、でも歌くらい下手な方が

我々男性陣はホッとしますけどね」

「うふふ、容姿端麗、頭脳明晰、高学歴、高収入、スポーツ万能、

おまけに宝石やファッションに詳しいし、踊りも上手

 これで歌も上手かったら逆に嫌われるわよね」


「いいえ、全然嫌っていませんよ、近寄りがたいだけです。

亮と呼べる倉沢さんが羨ましい」

「呼べば良いじゃないですか、経済界のお偉いさんや友人の皆さん、

あの女子校生たちはお友達感覚で呼んでいますよ」


「あはは、このプロジェクトを成功させたら呼ばせてもらいます」

関口はステージに立ってマイクを持った亮をじっと見つめた。

そして、亮と尚子が歌を唄い始めると

ホールが水を打ったように静まり返った。

「ヤバイ!」

関口が歌を聞いてつぶやいた。


亮と尚子のデュエットはまるでアラジンの

主題曲ホール・ニュー・ワールドを唄った

ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベルを

彷彿させるものだった。


亮たちが唄い終えると客席から拍手が起き

関口は立ち上がって拍手をした。

「倉沢さん、凄いですよ。

うちはまだ男のアーティストがいないので

 團社長にデビューしてもらいましょう」


「ええ、そうね」

奈々子は笑いながら一緒に拍手をしていた。


亮が拍手で迎えられ席に着くと美咲が待っていた。

「亮、今度は歌手にでもなるの?」

「ああ、美咲さん聴いていたんですか。どうしたんですか?」

「昨日の話を詳しく聞こうと思って。

でも女性ばかりなのねここのオーディション」


「しょうがないですよ、男性アイドルはJプロダクションと

韓流に仕切られていますからね。新規参入は難しいですよ」

亮は両手を広げた。

「一段落したら食事でもいかが?」

「良いですよ、午後は合格者のダンスの

レッスンだけですから。焼肉でも」

亮は奈々子達に後の指示をすると銀遊亭に向かった。


~~~~~

「美咲さんすみません、こんなに来るとは思いませんでした」

大きなテーブル席には亮と美咲の他に尚子、

紀子、めぐみ、三瓶五郎、柳本真奈美

までついて来た。


「良いのよ、みんな関係者なんだから・・・

尚子さんの隣にいるあの娘は?」

美咲は真奈美の方を見た。

「昨日、歌舞伎町のクラブTokyoで知り合った

バニーちゃんで女優、モデル志望の

柳本真奈美さんです」


「どうして女優志望のバニーの彼女がここにいるわけ?」

美咲は亮に顔を近づけて小声で聞いた。

「さあ、勝手に付いて来ました。あはは」

「笑い事じゃないわよ」


「ただ、昨日彼女のお店で山田組のフロント企業、

ホワイト総業の入江社長と家持が話をしていました」

「昨日会ったばかりの彼女をスパイにするつもり?信用できるの?」

「そうですよね、信用できる訳ないですよね」


「それとも彼女とやって自分の女にする?私たちみたいに」

「私たちみたいにって、美咲さんを自分の

女にしてつもりはありませんよ」

「あら残念、私はあなたの女のつもりなのに・・・」

亮と美咲の小声の言い合いを五郎は呆然と見ていた。

「あのう、美菜子はこれからどうすればいいんですか?」


「あ、ああ。心配いりません。来年の春に上京させてください、

 僕が責任もって面倒を見ます」

「うちは貧しいから朝倉さんや潮田さんのように

美菜子を東京の大学へ行かせる事ができませんけど・・・」

地方から東京へ上京すると学費以外に家賃、

生活費に費用が掛かり

親御さんは金銭で苦労するのが常だった。


「大丈夫です、彼女のレベルに合った

大学を高校の先生と相談してもらってください。

 祖父が作った教育財団に推薦状を書きますから

奨学金で入学金、学費が払えます」


「本当ですか!美菜子は高校でトップなので

それなりの大学へ行けると思います」

五郎は感激して亮の手を握った。

「楽しみですね何学部志望ですか?」

「私進学を考えていなかったから」

美菜子が寂しそうに亮に答えた。


「そうですか・・・なおさら急がないと

いけませんね。すぐに先生と相談してください」

「はい、わかりました」

亮はスマフォで美菜子が行っている秋田東高校

の偏差値を調べた。


「偏差値68か・・・」

美菜子は学校でトップと言えど受験対策を

していないので夏休み前の

今では東大受験の対応が難しいかも知れなかった。

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