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オーディション

めぐみは紀子に声を掛けてホールを出て行き

それと入れ替わりに和美と郁美が来た。

「亮、書類持って来たわよ」

「郁美さん休みなのに済みません」


「ううん、今どきたった1日で不動産の売買ができるなんて

ありえないもの、こちらこそありがとうございます」

「郁美さんこれ支払い代金です」

亮は郁美に15億円の小切手を渡し

郁美は交換に亮に領収書を渡した。


「値引きになった時は返却します」

「ありがとうございます」

「これが部屋の鍵です。

それからエレベーターもペントハウス用の

カギが付いて他の人は乗れません」

亮は鍵を受け取ると和美にそれを渡した。


「中村さん、父に話してありますうちの

インテリアコーディネーターと

マンションに行って家具を入れてもらってください」

「分かりました。ご予算は?」

「ありません」

「無いんですか?」


「せっかくのペントハウスですから、

美宝堂のモデルルームにして写真を撮ります。

それから撮影スタジオにも使おうと思います。

維持費が高いですから稼がなくちゃ」

「うふふ、面白いこと考えるんですね。では行ってきます」

和美は亮に深々と頭を下げて行った。


「亮、昨日言っていた。ランド不動産の件が聞きたいんだけど」

郁美がランド不動産の事が気になって聞いた。

「はい、郁美さんも知っているようにランド不動産の

社長キャシー・ランドは僕の友人です」

「ええ、知っているけど・・・」


「まず手始めに日本に支社をつくる予定でO駅の

再開発で動く予定です。それと 海外向けに

日本の不動産の紹介です」

「O駅ってあのF電機の跡地ね、ランド不動産の

担当はまるで素人ね、かなりお金がかかるわよ。

うちの会社が残念だけど資金力であそこには手を出せないの」


「そうですか・・・」

亮は自分の悪口を言われて落ち込んだ。

「それで、ランド不動産はどれくらいの

資金を持って来るか知らない?」

「とりあえず今回は1千億円くらいだと思います」

「1千億円!そんなに!」

郁美はランド不動産の資金の多さに驚いて声を上げた。


「それで、日本のパートナーになってくれる

不動産会社を探しているので郁美さんの会社、東

京第一不動産を紹介したいんですけど如何ですか?」

「本当!父に相談してみるわ」


資金面で大手2社の後塵を拝している会社を見ている

郁美はぜひランド不動産とパートナーシップを図りたかった。

「ぜひ、良い返事をお待ちしています」

「任せておいて、ところで日本支社長ってどんな人?」

「超イケメンです」

亮が答えると郁美は笑って手を振ってホールを出て行った。


~~~~~

近くのコーヒー専門店に入った紀子は

めぐみに葛原との事を全て話した。

「紀子もなんだ」

めぐみは首を落とした。

「まさか、めぐみも・・・」

「うん、私はあの男じゃなくて撮影先で

カメラマンやスタッフに犯された

時々社長とも・・・私胸が大きいだけで

S○X好きだと思われている」


「そんな・・・」

相談した自分よりめぐみの方がひどい状況で

紀子は唖然としていた。

「ねえ、めぐみ。亮のおかげであの

世界から抜け出せたのに、どうして?」

「だって、仕事も欲しいし。亮が忙しくて

会ってくれないから寂しくて・・・」

めぐみは目から涙をこぼしていた。


「確かに、会ってくれない亮も悪いわね。

でも社長がめぐみにそんなことさせるなんて・・・」

紀子は普段穏やかそうなサンシャインプロダクションの

社長堂島がめぐみと関係を持っていると

は思ってもみなかった。


「私は未だに東北訛りのアクセントが有って

紀子のように上手くMCができないから、

水着やレースクイーンになるしかできなかったの」

「分かった、事務所を一緒にやめよう。

亮が何とかしてくれるはず。

めぐみはどれくらい仕事が残っているの?」


「7、8月はイベントと撮影会が入っている」

「私もお台場の夏休みイベントのMCが入っているわ

 レギュラー番組が3本」

二人はスケジュール帳を見ながら目を見合わせた。

「辞められるかしら?」

「頑張ろう」


~~~~~

紀子とめぐみが話しを終えて戻ってきた頃

RRレコードのスッタフが客席でダンサー

たちを見ていた亮を迎えに来た。

「社長、そろそろお席の移動をお願いします」

「はい、ありがとう」

亮の行ったところは客席のセンターに設けられたテーブルで

そこにダンサーのプロファイルを見るために

小さなライトがつけられていた。


「亮、三人追加よ。昨日亮に言われたんだって」

奈々子は3枚のプロファイルを亮の机の上に乗せた。

「随分準備がいいなあ、昨日の今日なのに」

「オーディション用に何枚も作ってあるみたいね、

かなり上手そうだけど

年齢が23歳だからアイドルとしては無理よ」

「とりあえず踊りを見ましょう。それでMANAMIさんは?」


「この女性ね、この三人のダンサーの柳本香さんの

妹真奈美さん20歳、

大学3年生モデルと女優志望。彼女には何をやらせるの?」

「女優なら声が聞きたいですね」


「でも、女優はRRレコードではマネージメントできないわ」

「わかっています、ダブルウイング何とかします」

「彼女のナイスバディに惚れた?」

「いいえ、商品価値を見ただけです」

「ウフフ、そうかしら。そろそろ行きます」

奈々子が手をあげると照明スタッフ作業を始め客席が暗くなった。


亮はマイクのスイッチを入れ静かに話し始めた。

「みなさん、おはようございます。代表の團です。

本日のここで踊る五十三人を

篩い落す為のものではありません。

優秀な人、才能がある人を見つけ出し我々が

皆さんの夢をアシストします。


緊張せず伸び伸びと踊ってください。

また落選した方はあきらめずに

日々精進してください。

悩んだら遠慮なく我々に相談してください。

ここでオーディションを受けた方は

全て我々のメンバーです」


「すみません」

一人の女性が手を上げた。

「もしも、全部だめだったら

諦めなくちゃいけないんでしょうか?」

「良い質問ですね。名選手は必ずしも名監督にならず

 と言われています。失業中のある男性がニューヨーク

 美術館のダンス映像をすべて見て才能が芽生え

有名な振付師なったそうです。とにかく好みを

選ばず、出来るだけ多くの物を見てください。

振付師、ディレクターになれるかもしれません。

ただ、諦めるのはまだ早いですよ。トライしてください」


亮の言葉を聞いて全員が拍手をした。

亮がマイクを切ると音楽が鳴り出し十人づつ踊りだした。

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