表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
137/196

美菜子

紀子はわざと若者の居る場所で抱き合って

SNSに載るのは計画通りだった。

「ど、どうしますか?」

「これで私を葛原に売ったプロダクションを

辞められるわ、番組を降ろされるかどうかは

 テレビ局次第だけど0からスタートするつもり」


「良いんですか?」

「ええ、移籍してこれからは亮と一緒にやって行く」

「ぼ、僕と」

「ええ、あなたと居ればレコード会社、

芸能事務所そしてブランドまで付いてくるから

ついていた方が得だもの」


「分かりましたけど仕事は実力で取ってくださいね。

それに関しては厳しいですよ」

「了解、迷惑はかけないわ」

紀子はハグをしてベッドルームに入って行った。


~~~~~

翌朝、亮は7時に東京駅の八重洲口に立っていた。

そこに長距離バスが次々に到着していた。

「おはようございます、亮さん」

久々に亮と会う三瓶五郎は嬉しそうに笑った。

「おはようございます、三瓶さん」


「すみません、美菜子の為にこんなに朝早く」

「いいえ、初日ですからスタッフに紹介しないと」

「ありがとうございます。ちょっと聞いていいですか?」

「なんですか?」

「亮さん、最近家に帰ってこないんですけど

何処でどうしているんですか?」

五郎は亮の仕事が大変なんだと思っていた。


「あはは、仕事が多くて帰る暇がないんです」

「そうですか、手伝える事があったら

手伝わせてください。と言ってもないか・・・」

「家やクラブハウスを修理していただいた

そうでありがとうございます。

何かあったらお願いします」


「はい、是非」

「お兄ちゃーん」

バスのトランクからキャリーバッグを

取り出した美菜子が五郎を見つけて手を振った。

「おお、美菜子。よく来たな」

「美菜子さんいらっしゃい」

亮が声を掛けると美菜子は恥ずかしそうに頭を下げた。


「まだ、時間があるから朝ごはんでも食べませんか?」

「はい」

五郎は美菜子を見ながら亮に返事をした。


「亮、今何処?」

紀子から怒って電話がかかってきた。

「東京駅八重洲口に居ますけど・・・」

「もう、何も言わずに帰っちゃうんだもの」

「みんな気持ちよさそうに寝ていたから」

「今から行くわ、何処に行けばいい?」


「東京駅の隣のシャングリラホテルで朝ごはんを食べています。

 でも仕事があるんじゃないですか?」

「仕事は午後からよ」

「了解、気をつけて・・・」


「誰か怒鳴っていましたね」

「ええ、ちょっとヒステリックになっているようです」

亮は五郎の問いに答えた。

「ところで、妹が亮さんと写真を撮りたいと言っているんですが」

五郎が言うと美菜子が黙ってうなずいた。

「いいですよ」

亮と美菜子はホテルの前で写真を撮り28階のレストランに入った。


美菜子は高級な雰囲気に萎縮して五郎にしがみついたきりだった。

「美菜子さん、さっきから一言も話さないんですね」

「妹は亮さんに恋をしたみたいです」

「お兄ちゃん」

美菜子は亮の横腹を手で突いた。


「美菜子さんに?それは光栄です」

亮は恥ずかしがる美菜子に頭を下げた。

「学校の友達にかっこいい男性と会ったと言ったけど

誰も信じてくれなかったそうなんです」

「じゃあ、今日はもっとかっこいい人と会えますよ」

亮たちが食事を始めると紀子がやってきた。


「おはよう、亮」

紀子が亮に抱きついた。

「あっ!」

それを見ていた五郎と美菜子一目でテレビで

見たことのある金子紀子と

気づき呆然として立ち上がった。


「紀子さん、食事は?」

「うん食べる」

紀子がメニューを見ていると亮は二人を紹介した。

「紀子さん紹介します。秋田の家具師の

三瓶五郎さんと妹の美菜子さんです」

「金子紀子です、よろしくね」

紀子は人気タレントの風格で二人に挨拶をした。


「美菜子さん、チャンスですよ。

一緒に写真を撮ってもらったら?」

「は、はい」

美菜子はカメラとスマートフォンを

取り出して紀子と写真を撮った。


「美菜子ちゃん肌が白くて綺麗ね」

紀子が美菜子を褒めると顔が真っ赤になった。

「彼女をダンサーにしようと思っているんです」

「そうか、踊れるのか・・・」

何の特技も無い紀子はうらやましそうに美菜子の顔を見た。


「紀子さんもダンスのレッスン受けますか?」

「ええ、それより演技の勉強したい」

「それなら、アクション女優を目指して

格闘技の勉強をしませんか?」

「それいいわ、亮教えてくれる?」

「もちろんです」

亮は紀子がプロダクションを変わる事によって

紀子自身で方向性を見出すことができると思った。


「ところで、あの二人はどうしました?」

「私が出る頃にはまだ二人とも寝ていたわ」

「二人とも随分酔っていましたからね」

「ええ。一応手紙は置いてきたけど」

「あのう、亮さんと金子さんとは

どういう関係なんですか?」

五郎がもじもじして突然聞いた。


「ええと・・・ただの仕事上の友達です」

紀子は美菜子の目を見て美菜子が亮に好意を持っているのが

分かり気遣って答えた。

「そうなんですか!」

美菜子の顔が急に明るくなった。


「でも美菜子ちゃんはダンサーという

夢があっていいわね、私はスタートが

グラビアアイドルだったから、これからの道で迷っているの。

頑張ってね」

「はい、頑張ります」


「でもあなたは運がいいわ。

亮と知り合った女性はみんなうまくいっているわ、

グラビアアイドルの内田めぐみちゃんも

亮のおかげでデビューできたのよ」


「本当ですか?内田めぐみさんて

亮さんの知り合いなんですか?」

五郎は目を輝かせた。

「はい、そうです。めぐみさんの仙台の

お父さんとヒアルロン酸風呂の製造で

取引があるんです。めぐみさんのファンなんですか?」


「は、はい」

亮に聞かれた五郎は紀子を気にして返事をした。

「そう言えば私が辞めてめぐみちゃん大丈夫かな?」

「そう言えば二人とも同じサンシャインプロダクションでしたね」

「はい」


「一応連絡をして後は彼女の判断に任せたらどうですか?」

「でも、タレントをクライアントに

抱かせるなんて最低の社長だわ」

そこにめぐみから紀子へ電話がかかってきた。

「紀子ちゃん、SNS見たわよ。相手は亮でしょう」


「ええそうよ、昨日久しぶりに会って

抱き合ったら撮られちゃったの」

「どうするの?仕事が無くなって

プロダクション首になっちゃうわよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ