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MANAMI

「家持はどこにいますか?」

「あの窓際の席に座っている二人組です。どうします?」

亮が仁木に尋ねると天井を見上げていた

仁木が顔を窓際に向けて答えた。

「ちょっと様子を見ます」

亮が答えるとバニーガールのコスチュームを着た

女性がメニューを持ってきた。


「いらっしゃいませ、お飲み物は何になさいますか?」

「ボトルは入っていますか?」

「はい、たくさん入っていますがどれにしましょう?」

「たくさん?」

亮は相変わらずお調子者の秀樹が言われるままに

ボトルを入れたのと思い失笑した。


「多分バランタイン30があると思いますからそれを」

「はいございます。水割りでよろしいですか?」

バニーガールは笑顔で答えた。

「はい、炭酸もお願いします。おつまみは

お二人にお任せします、好きな物をどうぞ」


「いいんですか?」

三雲がメニューに指を当て食べ物を選び始め

亮はその間も家持の方から目を離さず

時々メモをしていた。

「亮さん、ハイボール。この店は自分で作るんですね」


「そうなんた、どうせこの先の事があるので飲めないけど」

「バランタイン30もったいないから水にします」

「それが良いですね。今度ゆっくり来ましょう。

バニーさんが接客したら風俗営業になるので

午前0時までしか営業ができませんからね」


「なるほど深夜酒類提供飲食店になる訳ですね」

元警察官の仁木がそれを理解して答えた。

「ああ、せっかくの美人バニーちゃんは見るだけか・・・」

三雲がため息をついた。

「どのバニーが気に入ったんですか?」

「あそこの赤いコスチュームのバニーがいいですね」

三雲は亮の問いに答えた。


「ええ、確かにお尻が盛り上がっていて・・・」

する亮はさっき書いていたメモを見た。

「家持と話している男、相当怒っているようです」

「ひょっとして読唇術ですか?」


「はい。『何の為にわざわざ錦糸町のアンタの所に頼んだと思う、

この辺の組に頼んだら直ぐに足がつくと思っただからだ。

あんな若造に舐められて黙っていられるか』

『申し訳ない入江さん』と言っていました。

若造というのは多分僕のことですね」


「なるほど・・・」

亮は手を上げて赤いコスチュームのバニーを呼んだ。

「はい、お呼びですか?」

「あそこにいるお客さんとどこかで会ったことあるんですけど

 どこの社長さんでしたっけ?」

「えっ、でもお客様の個人情報は・・・」


「名前は家持さんと入江さんですよね。

いいじゃないですか。挨拶しないと失礼かもしれないので」

亮はそう言ってバニーに小さく折った1万円札を渡した。

チップを受け取ったMANAMIは入江の

苗字を知っている亮に安心をして答えた。

「お名前をご存知なら。ホワイト総業の社長さんです」


「ああ、ホワイト総業の社長さんでした。ありがとうございました。

MANAMIさんはスタイルが良いからモデルさんですか?それとも女優さん?」

亮はバニーのネームプレートを見て言った。

「はい、モデルと女優を目指しています」


「そうですか今日、名刺の住所の地下のホールで

12月来日するブルックのバックダンサーのオーディションと

ダンスのレッスンと白尾尚子のリハーサルをやりますので

興味があったら見に来てください。ダンスや歌は興味がないかな?」

亮はRRレコードの名刺を渡した。


「ありがとうございます。私白尾尚子さんのファンだったんです。

オーディション興味あります」

MANAMIは名刺を握り締め嬉しそうに戻っていった。

「あれで連絡してくるんですか?」

三雲は首を傾げた


「たぶん、こんな高級なお店で

働いている女性たちは給料はもちろん

何かのチャンスを求めているんです。

今頃僕の名刺をチェックしているかもしれません」

「ホワイト総業って何ですか?」

仁木は亮と三雲の話に真面目な顔をして割って入った。


「ホワイト総業はビル清掃業、クリーニングチェーン、

おしぼりレンタルなどの大手企業です」

「なるほど、いかにもホワイトといった感じの

仕事をしていいますね。さすが亮さんの読唇術凄い」

「仁木さん、あなたたちもできるんじゃないですか?

甲賀忍者の子孫なら」


「自分はダメですが、三雲は潜入捜査に活用しています」

仁木は忍者の子孫と言えどそれぞれ得意分野がある事を言った。

「早速ホワイト総業を調べましょう」

「了解です。それでこれからどうしますか?」

「二人が別れるのを待ちましょう、

家持が一人になったら話しをします。

それまでちょっとお話が」


「なんでしょう?」

亮は二人に天知理沙の話をして熊田栄弁護士と浅野ゆかり弁護士の

過去の関係を調べて欲しいと依頼した。

「正式な依頼ですか?」

「もちろん、森所長に伝えてください」


「その件なんですけど、俺たち亮さんの下で働かせてもらえませんか?」

仁木と三雲が顔を見合わせて答えた。

「いいんですか?僕のような男の下で」

「はい、是非。初めて会った時から何か惹かれるものがあって」

二人の目が輝いた。


「実は僕も昔どこかであったような気がしてならなかったんです」

「それは光栄です」

二人は亮の頭を下げた。

「分かりました。今度出来る警備会社所属

として僕の仕事を手伝ってください」

「今日森所長が言っていた警備会社ですか?」


「ええ、原警察庁警備局長の要望で警察OBの

受け皿として作ることになったんです。今までない

人、物、財産を護るセキュリティ会社です。

僕の仕事は追々話をします」

「はい、是非やらせてください」


「分かりました、詳しい労働条件は後ほどとして

そろそろ1時ですから二人は帰るようです。家持を追いましょう」

亮は家持たちより先に席を立ち支払いを終えて外で待っていると

マギーが亮たちのところへやってきた。


「亮、絵理子ママを家まで送ってきました」

「お疲れ様マギー、今家持がここへ降りてくるから頼むよ」

「了解です」

「車は?」

「そこに止めてある」

マギーは10m程後ろに止めてある大型のバンを指差した。


「仁木さんは車の運転をお願いします」

亮が指示するとマギーは仁木に車のキーを渡した。

そこに入江と一緒に家持がエレベーターから降りてきて

入江は先に手を上げタクシーを拾って走っていくと

それを家持が頭を下げて見送った。

「こんばんは」


「おお、どうした?」

マギーが家持に声をかけると家持はマギーの巨乳を覗き込んで

ニヤニヤと笑った。

「もう少し飲んで行きませんか?」

「おいおいぼったくりバーじゃないだろうな。俺を誘っても

 無駄だぞ」

山田組系の組長家持はマギーを胡散臭い女だと思ったが

それを恐れてはいなかった。


「あら、私そんなやばい女じゃ無いわよ。こう見えても

スポーツジムでインストラクターやているんだから」

「なんだって!どこのジムだ?」

「渋谷のマッスルカーブ」

マギーはそう言い終えると家持の首にスポンジの

ような物を持った掌を押しつけた。


「なに?」

家持は首にチックとした痛みを感じ声を

あげると足の力が抜け地面に膝をついた。

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