三人の親友
「了解です」
「部屋の中に異常があった場合ガザ状を取って
部屋の中を徹底的に調べよう」
「了解しました」
それから5分後、浜田に電話がかかってきた。
「係長、ガサ状お願いします」
「どうした?」
「部屋中が荒らされています」
捜査官の目の前には部屋中の荷物が散乱しまるで
台風が部屋の中を通りすぎたようだった。
~~~~~
「おはよう和美さん、早いですね」
「タキシードですか?」
「はい、家に帰れなくて」
「着替えはどうします?」
「マギーに持ってくるように頼んでいます」
「そうですよね。下着は?」
「ああ、それか・・・」
和美は黙って立ち上がりロッカーを開けて
亮に袋を渡した。
「一恵さんがいつも補充しています」
「あはは、ありがたい。スーツが届いたら一緒に
着替えます」
「お願いします」
「何か匂いますか?」
「いいえ、素敵な石鹸の香りがします。ルーセント
ホテルアメニティのローズ石鹸ですね」
「良く知っていますね」
「以前製造過程で余った石鹸を沢山もらいましたから」
和美の目が冷たかった。
「そうでしたね、そうでした。作ったのは僕でした」
亮がドキドキしていると和美が社長室を出て行った。
亮は送られてきたメールのチェックと
アメリカとの連絡を終えると和美が入って来た。
「亮さん、ピーエヌエーの株が
30ポイント上がっています」
中村和美が納得いかぬ顔して社長室に入って来た。
「そうですね、明日の土曜にロビンが来て月曜日に
日本企業としては初めてのアメリカンウエブと
の提携を発表しましますからね。話題になると思います」
「本当に提携するんですか?」
「ええ、そうみたいですよ」
「でも親友の亮さんを差し置いて、何か悔しい気がします」
「そうですか?」
「はい」
「僕はロビンがボストンの小さな部屋で
仕事を始めた頃からの付き合いで
創業メンバーの僕とデビッドはアメリカンウエブの株
の8%ずつを持っています。
ロビンの次の大株主ですよ。和美さん」
「本当ですか?」
和美は驚きで自分の手で口を覆った。
「当然ロビンが儲かれば僕も儲かります。
そして、デビッドの会社D&Rの株を僕と
ロビンが持っていてこのプラウの株も
二人が持っているんです。
ただこの会社は上場できそうにありませんけどね。あはは」
「では、亮さんの上場益はどれくらい・・・」
和美は思わず下衆な質問をしてしまった。
「さあ、株を売るつもりはありませんけど
各社から毎月給料が振り込まれています
アメリカの銀行に配当金が振り込まれていて
ロビンのお父さんが管理していますから見たことないですね。
それに日本に持ってきたら大変な税金を取られてしまうので」
「そ。そうですよね。今度私の方で時価総額、預金残高を調べてみます」
「助かります。ナチュラルグリルの方も
ありますのでそちらも調べてください」
「分かりました、ちなみにおいくらくらい?」
「ええと、ナチュラルグリルからもありますから
年300万ドルくらいです」
「えっ!」
和美は28歳の若さで大金持ちであるはずの亮が
お金に執着してない事を快く感じていた。
「そうだ、今日は新宿のラブポーションに
行きますけど何か持って行く物
ありますか?」
「はい、指示をいただいて作った冷凍食品の
サンプルが出来上がったので
持って行ってください」
「ああ。『ランチとディナーをキャバクラで』
のキャンペーン商品ですね」
「はい、でもキャバクラでランチやディナーを
食べる方いるでしょうか?」
和美が首を傾げた。
「いますよ、若くて綺麗な女性が目の
前にいるんですから。しかもヘルシーで安い。
うまく行けば継続的に昼間から継続的に営業できます」
「そうですね・・・」
和美は返事をしながらも男性が女性を
欲するのは酒を相手だけと思っていた。
「それに土日にはアニメコスプレの
イベントを考えています」
「土日に営業をするんですか?」
「はい、土日や昼間しか働けない人もいますから
その女性のたちの為に、
でも遊ぶ人は土日昼間関係ありませんからね。
秋葉原のメイド喫茶に行って分かりました」
「うふふ、面白いことを考えるんですね」
「そうですか、アメリカのフーターズ
レストランはその究極だと思っています」
※フーターズとはセクシーなウエイトレスが
オレンジのショートパンツと
白のタンクトップの姿で料理を運ぶ
セクシーなレストランで
全米で400店舗、世界20ヶ国以上で
展開するレストランチェーンである。
しかし、日本では母体会社の関係で次々に
閉店し残るは銀座店のみとなっている。
「日本では上手く行かなかったみたいですね」
「母体会社資金が無かった事と時給が安かったので
女性が集まらなかったのが原因の様です」
「そうか」
「海外にはキャバクラのような風俗店が
ありませんからね」
「えっ、まさかそれをナチュラルグリルで
やるつもりですか?」
「ナチュラルグリルの基本理念は
食べた人が健康になる事です。
アメリカでは無農薬野菜の自社農場で
生産された物を使って、人気を博しているんです。
日本ではまだその生産が間に合っていません」
「それが今までナチュラルグリルを
オープンしなかった理由ですか?」
「はい、今請け負ってくれる農業法人と
契約を進めています。内村さんから提案が
有った大阪の新店はフランス料理
でやろうと思っています。
もちろん風俗店では無いので接客はできませんが、
男性も女性も楽しめるような
他に真似ではないコスチュームデザインを考えます」
「分かりました」
和美はやっと亮のやろうとしている事を理解して
心から協力をしていこうと思っていた。
そこに電話が掛かって来た
「亮さん、お父上から電話です」
和美が電話を繋いだ。
亮はどうしてスマフォに電話を掛けてこなかったか
不思議だった。




