表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/196

オーストラリア

「知っているのかね」

「はい、東大の同級生で今日五島商事へ

大和田審議官と行った時会いました」

「彼は何の仕事をしているんだ?」


「アメリカのドライアイスプロジェクトの

メンバーで製造計画に携わっていて

四菱化学がアンモニアをグループ会社が

他の物を営業する計画です」


「それでドライアイスプロジェクトのメンバーがなぜここに?」

「さぁ、しかもアメリカのD&R社の専務らしいです」

「専務ね・・・」

宮本は日本人が専務になる会社など大したことが無いと

思っていた。


D&Rはバイオ燃料の製造だけではなく、

太陽光発電、ハニカム形風力発電、アンモニア発電、

炭素繊維を使った大型電池など

様々なエネルギーの研究をしていた。


「彼の経歴、学歴を知っているか?」

「はい、東大薬学部卒でハーバード大学大学院を

卒業しています。それから銀座美宝堂の息子です」

根岸は具体的にはそこまでしか知らなかった。

「民間人か」

宮本は馬鹿にしたような言い方だった。


「しかし、なぜアメリカ大使といるんだろう」

「やはりドライアイスプロジェクトの関係じゃないですか。

かなり重要なポストにいるそうなので」

「わかった、ありがとう」

宮本は慌てて安倍事務次官の所へ戻り

ドライアイスプロジェクト関連の仕事をしていると伝えた。


「ウイルソン長官とはどういう関係なんだろう?」

「たいした会社じゃないので長官と面識は

ないと思いますが課長の確認を取ってみます」

「そんな、悠長な事言っている場合じゃない。

隣の席には大臣と副大臣いるんだ

すぐに調べないと」


「はい」

宮本は連絡を取って團亮を調べた。

まもなく宮本の持っているパッドにメールが来た。

「次官、これです」

「うーん、なるほどな。

仕事はあちこち手を出しているようだが、

かなりの女好きなようだな、

それにまったく政治家との付き合いが無い、

どこまでやるつもりだ」


安倍事務次官は国との繋がりが無い

人物は絶対成功できないと確信をしていた。

「あの男をこっちへ呼んでくれ」

「分かりました」

宮本は慌てて亮の所へ行った。


~~~~~

「ミスター・ダン、ウイルソン長官が呼んでいるそうだ

 行こうか」

「はい」

ハリスに声をかけられ寿司を食べていた亮が返事をした。

「ハリス大使、ミスター・ダンは止めて下さい。

亮と呼んでください」


「じゃあ、私をライアンと呼んでください」

「よろしく、お願いします。ライアン」

「よろしく、亮」

亮とライアンが握手をしてウイルソン長官に

挨拶に向かった。


「團さん團さん、経済産業省の安倍事務次官が

お話がしたいと呼んでおられますが」

宮本が声を掛けた。

「そうですか、今からウイルソン長官に

挨拶をしますので、後ほど伺います」


「ああ、そうですね」

宮本は一歩下がった。

ハリス大使はウイルソン長官と挨拶をしている間

亮はジョージと握手をしてウイルソン長官と握手をした。


「先ほど、ジョージから話を聞きました。

ハーバード大学であなたを知らない人は

いないそうですね」

「それは大げさです」

「いいや、図書館に團さんのプレートが

貼って有るそうですよ」

「断念ながら卒業後に付けられた物

らしくて見ていないんですよ」


「それは、ダンが卒業式に出なかったからだろう」

ジョージが怒ったように言った。

「ああ、そうか。ごめん忙しくて行けなかった」

亮はその頃、DUN製薬の乗っ取り事件で

必死の戦っていたところだった。


アメリカの大学の卒業式はとても

重要で亮のようにGPA4.0以上の人間は

Summa Cum Laude「最優賞」を

獲得しその表彰は一生の名誉と

言えるものである。


「私の妻のソフィアです」

ウイルソンが紹介をした。

「團亮です」

「いつもジョージに聞いていました。

大学の同級生にすごい奴が居るって、

大学のヒーローだけじゃなくて、

成績優秀で歌が上手くてダンスが上手くて

格闘技が強いのに女の子に興味が無い、

ゲイじゃないかって」


「ジョージ、そんな事言っていたのか」

亮はジョージの肩を叩いた。

「いや、悪い。迫って来る女の子を

簡単に断るからさ。悪かった」

「いや、忙しかったからさ」

「これからもよろしくね」

フォフィアは息子のように親しみを持って亮の手を握った。


「さて、挨拶はこれくらいにして、バイオ燃料の

 話を聞かせてください。ついでに

ドライアイスプロジェクトの話も」

亮はウイルソンの隣に座り話をした。

しばらく話をするとウイルソンはモゾモゾとして

立ち上がった。


「これから先は別室でゆっくりと話をしませんか?

 聞かれたくない話がある」

「そうですね、話せない事もある」

二人は握手をして笑った。

~~~~~

その親しい雰囲気を見た周りの招待客は目を見張った。

「あの男はなんだ?」

四菱化学の小倉朝雄は声を上げた。

「小倉社長、彼は團亮ですよ」

隣に居た内村が答えた。


「えっ!あの男が」

タキシードを着た亮は威風堂々として小倉には

同一人物とは信じ難かった。

「それにウイルソン長官ととても親しそうだ」

「小倉社長、今日の彼はアメリカのラルフ・スチュアート

エネルギー省長官のエージェントとして

あの席にいるそうです 」


「ど、どうして、薬剤師の彼が?」

「まだ分からいのか、このクソじじい」

内村はまだ亮を信じられない小倉につぶやいた。

~~~~~


しばらくするとステージに和太鼓が運び込まれ

ライブの準備が始まり上から打ち下ろす胴長太鼓、

小さな平太鼓、そして大きな桶胴太鼓がセンターにセットされた。

「あれ?」


白足袋に白いパッチを履き

上半身に晒しを巻きその上にハッピを着た

女性の演奏者たちがひどく緊張した顔で舞台袖に立っていた。

彼女たちが数多くの演奏会を経験しているはずなのに

その緊張の面持ちは不思議に思えた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ