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智子の彼

「はい、経営者たるものお金の大事さを知れ。

知識を技術に変ろ。社員を信じ自分を信じ

未来を信じろ、が祖父の口癖です」

「いい言葉、おっしゃっている。さすが團拓馬さんだ」


「そのおかげで父は僕の事を信じてデビッド・キャンベルの

バイオ燃料事業に黙って投資してくれたんです」

「それで、デビッドの父親のナチュラルグリルと関わった訳だな」

「はい、当時は馬鹿でかいハンバーグを売っていて

業績不振で喘いでいるレストランチェーンでしたが

テニスボールのようなサフランライスと

日本料理そして徹底したローカロリーのメニューにしたんです」


「まさか、それが亮のアイディアだったとは言わないよな」

「いいえ、全て僕のアイディアです。大豆を使ったメニューは

全米のベジタリアン400万人の支持をうけブレイクしたんです。

それで僕はアジア担当の取締役という訳です」

「それがなぜ君は日本では謙虚な態度を取っているんだ?」


「日本の封建的な社会が嫌なんです。いい商品は全て

大手が作ると思っている消費者、会社名で判断する

企業、実績がないと融資しない銀行。誰も先を見据えていません。

もしある学生がものすごいいいアイディアを持っていたら

どの部署が聞いてくれますか?」


「それは耳が痛い話だ」

内村は腕を組んで天井を見上げた。

「それがハーバード大学の学生だったらどうしますか?」

「きっと担当者は耳を貸すだろう」

「要するに日本の企業は自分の国の学生を信じていないわけです」


「あはは、なるほど亮君私が悪かった。

君は君にスタイルを通せばいい」

「はい、まだ若いので何でもできる

スーパープレジデントを通すつもりです」

「それが出来る君が羨ましいよ」


「ありがとうございます。ITベンチャー企業の

創業者のような無作法な事はしませんので」

「それはわかっているさ」

「それで早速なのですが、以前紹介した小畑加奈さん、

今度のプロジェクトにインターンで使って貰えませんか?

もちろん評価表は出しますので、

その結果次第で内定と言うことで 」


「わかっているさ」

「お待たせしました」

そこにマギーと一恵と祐希がスーツ姿で入ってきた。

「社長、行きましょう」

「うん」

内村は葉子と亮は三人と四菱化学の

待っている会議室に向かった。


~~~~~

「團さんを呼んでもらえますか?」

下田と根本が新宿署の取調室で田渕憲一の

話をすると国城が話し始めた。

「團さんじゃないとダメか?」

「はい、團さんに話したい事があります」

「わかった」


下田と根本は困って取調室から出た。

「どうしますか?團さんを呼びますか?」

「うん、仕方ない。お願いしよう」

下田はスマートフォンのボタンを押した。

~~~~~

「もしもし、團です」

「お忙しいところすみません、下田です。今国城に

田渕憲一が殺された話をしたら團さんと

話がはしたいと言っています。

お願いできますか?」


「分かりました。国城さんに電話を代わってください」

「はあ、はい」

下田が取調室に入って国城にスマートフォンを渡した。

「国城さん、團です」

「はい」


「昨日妹さんの所へ行ってきました。

松井先生の許可の元にDUN製薬から

白血病の新薬の臨床試験という事で

無償で薬を提供されることになりました。

それから入院費はDUN製薬の支払いで

完納しました。これからも入院費は

退院までDUN製薬が負担します」


「本当ですか?」

「変な薬ではありませんので心配しないでください」

「ありがとうございます・・・團さん」

正章は肩の力が抜け、涙が溢れてきた。

「田渕憲一は僕の友人です、

一緒にスキャナーを作っていました」


「なぜ殺されたかわかりますか?」

「わかりません、田渕は大型スキャナーの

製造を担当していました」

「大型機と言うとひょっとしたらETCですか?」

「はい、でもそれだけじゃありません。走っている

車のクレジットカードからも同時に

 スキャニングをしてしまうんです」


「それが京都?」

「わかりません、田渕が場所を探していました。

旅行者が多く時速20km以下の渋滞するところです」

「分かりました。それと、あなたと知念さんとの関係は?」

国城は知念の名を聞いて驚いたが観念して答えた。


「知念さんとは僕が働いていたお店、

ニューハーブクラブの常連でした。

それで高性能スキャナーを使ったレジのいらない

お店が出来る話をしたら乗ってくれて、

開発費を出してくれたんです」


「それが使う道が違っていて人の金を盗む事に使うなんて

夢にも思いませんでした。でも妹の入院費が

どうしても必要だったので

すみません」

「では、ピーエヌエーの会社ぐるみの仕事でしょうか?」


「わかりません、社長の葛原さんに会ったのが

1回だけでしたから・・・

僕が知っているのはここまでです。

だから僕を護ってください。妹を残して死にたくない」

国城は友人の田渕が殺された事に恐怖心を持っていた。


「分かりました。警察が責任を持って護ります。

後は下田さんと根本さんに正直に話してください」

「はい・・・」

国城は信頼おける亮がいない事に不安を持っていた。

「きっと妹さんが元気になってまた歌って踊れるようになります」

「ありがとうございます。お願いします」

亮が電話を切ると国城は正直に下田に全てを語り始めた。


~~~~~

亮は一緒に歩いている葉子に話かけた。

「葉子さん、昨日久しぶりに智子さんと

会いました。彼ができたようですね」

「えっ本当!でもやっと会えたのね。

あなたがハワイで怪我した時から

様子を聞くのに頻繁に電話がかかってきていたの」


葉子は智子と毎日のように話をしていたのに

彼が出来た話をしておらず驚いていた。

「頻繁?」

「ええ、ほとんど毎日かかってきたわ」


「変ですね、直接かけてくればよかったのに・・・」

亮は智子が自分を心配している割に

自分に電話をかけてこなかった事が不思議だった。

「そうね。どうしてだろう?」


「この後直子さんと三人で会いますので聞いてみます」

「私も智子ちゃんの彼の話を聞きたい。

でも社長の仕事をしなくちゃいけないから」

「じゃあ後で報告します」

「ええ、どんな男性か聞きたい」


亮と葉子が笑いながら話をしていると内村が

話しかけてきた。

「亮君、どうした?」

「友達の大原智子さんに彼が出来たそうなので」


「ほう、彼女は亮君を諦めて他を選んだのかそれは賢いな。

葉子君も亮君を諦めて早くべつな男を探した方がいいぞ」

「探していますよ、ただ亮以上の男性が現れないだけです」

「あはは、そりゃ無理だ!」

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