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【コミックス全3巻!】レベリング・マーダー ~一週間に一回人を殺さないと自分が死んでしまうのでそれならいっそ勧善懲悪したいと思います~(web版)  作者: シオヤマ琴
第三章 殺人請け負い編

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第71話 成功報酬は……

「教授の名前は葉加瀬甚六といいます。経済学部の教授です」

「写真はある?」

「確か大学案内のパンフレットに載っていたと思いますけど……」

「そう。じゃあ後でその写真、メールで送ってくれる?」

「はい、わかりました」


俺は柏木さんとメールアドレスを交換してから二人を送り出す。


「じゃあ鬼束さん、よろしくお願いしますね」

「ああ、わかったよ」

「相談に乗っていただいてありがとうございました」

「うん。依頼料は成功報酬ってことで上手くいったら一万円貰えるかな」

「えっ? そんな安くていいんですか?」

柏木さんは靴を履く手を止めて俺を見上げた。


「美紗ちゃんの大事な先輩だからね、特別価格でいいよ」

「わぁ~、ありがとうございます鬼束さんっ。柏木先輩よかったですねっ」

「いいえ、それはよくないです。鬼束さん、お心遣いは大変ありがたいのですが特別扱いはやめて正規の値段でお願いします」

柏木さんは決意のこもった目で俺を見る。

教授に特別扱いされたことが原因で困った事態になっているので特別扱いはしてほしくないようだ。


「わかった。じゃあ依頼が成功したら十万円貰うよ」

「はい、わかりました。最後まで勝手なことを言って申し訳ありません」

「いいって。それより外暗いから途中まで送ろうか?」

「いえ、大丈夫です。私の家もすぐ近くなので」

「そっか」

余計なお世話だったかな。


「では鬼束さん、失礼します」

「鬼束さん、またあとで」

「ああ。ばいばい」

俺は柏木さんと美紗ちゃんに別れを告げるとドアを閉めた。



「ねぇヤマトさん。その葉加瀬って人、僕が殺してあげようか?」

振り返るといつの間にか隣の部屋から出てきていたあきらが口にする。


「あきら、聞いてたのか?」

「聞こえちゃうよ。壁薄いんだもん」


うちのアパートは部屋と部屋の間の壁が薄いので普通の声量で話してもある程度声が漏れ聞こえてしまうのだ。

まあ、その分家賃は安いのだが。


「それでその葉加瀬って人、東京にいるんでしょ。僕が殺してきてあげてもいいよ」

「馬鹿言うな。殺してほしいなんて言ってなかっただろ」

「でもそいつがいるとさっきのお姉さん、進級できなくなっちゃうんでしょ。だったらいなくなった方がいいじゃん」

あきらは淡々と言葉にした。


「かもしれないけど柏木さんの依頼はあくまで発言を撤回してもらうことだからな、今回は殺しはなしだ」

と言いつつ殺してしまった方が楽なのではないかと考えている自分もいる。

人を殺しすぎて感覚が麻痺してきてしまっているのかもしれない。


「ふーん、まあいいけどさ。それよりヤマトさん、その人の秘密を探るために東京に行くんでしょ。だったら僕もついていってもいい?」

「あきらが? 俺と一緒にか?」

「うん。駄目?」

可愛らしく首をかしげる。


「別に駄目ではないけど……親御さんの許可とか必要ないのか?」

よく考えれば相手は十二歳の女の子だ。

俺が勝手に連れ回していい年齢ではない。


「っていうかあきらってどこに住んでるんだ? この近くか?」

俺はあきらのことを思って訊いたのだがあきらはあまりその辺りのことには触れてほしくないのか、

「いいよ、そんなことは。それより僕お腹すいたからファミレスでも行こうよ」

あからさまに話題を変えた。


「ほら、行こ」

そう言って俺の横をするりと通り抜けるとあきらは玄関で靴を履き出す。


「ヤマトさんあんまりお金持ってなさそうだから僕がおごってあげるよっ」


俺の住んでいるアパートを見てそう思ったのだろうがあいにく俺はそれなりに稼いでいる。

とはいえ、あきらは俺におごりたそうな顔をしていたので断るのも野暮かな。


「ヤマトさん、早く早くっ」

「はいはい、わかったよ。ちょっと待ってろ」


俺は手近にあったジャンパーを鷲掴みにするとあきらのあとを追って部屋を出た。

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― 新着の感想 ―
[一言] あきらは運営的な感じがするけどはたして
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