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【コミックス全3巻!】レベリング・マーダー ~一週間に一回人を殺さないと自分が死んでしまうのでそれならいっそ勧善懲悪したいと思います~(web版)  作者: シオヤマ琴
第三章 殺人請け負い編

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第53話 人を呪わば穴二つ

依頼主である仙道さん、いや仙道とはもう会うつもりはなかったが近藤千春によってある事実を知らされたので俺は仙道の勤めている会社近くまでやってきていた。


とても大きな建物をそばの街路樹の陰に隠れながら見上げる俺。

仙道は東京でも指折りの大企業に勤めているようだった。


夜の寒さに耐えつつしばらくその場で待っていると、建物から続々とコートを羽織ったスーツ姿の男女が姿を現す。

退社時間になったらしい。


だが仙道は残業でもしているのか未だ出てこない。

なので俺は目をつぶった。


仙道の居場所を探るために唱えた千里眼の効果はまだ続いていたのでまぶたの裏に仙道の姿が映る。

見るとコートを着た仙道が一階のエレベーターから下りるところだった。


俺は目を開け玄関の方を向く。

するとちょうど仙道が建物の玄関から出てきた。

隣には可愛らしい女性が一緒に歩いている。


俺は寒さに体を震わせながらその二人のあとをつけることにした。



◇ ◇ ◇



二人は駅のホームで周りの目など気にすることなくイチャイチャとスキンシップをとっている。

俺はその様子を少し離れたところから見ていた。


数分後、電車がやってくると女性の方が電車に乗り込んだ。

仙道は女性に別れのキスをしてから閉まった扉越しに手を振る。


女性を乗せた電車が去っていくと仙道は別のホームへと移動した。

俺は尾行を続けあとを追う。



◇ ◇ ◇



仙道と同じ電車に乗った俺は一つ隣の車両から仙道を眺めていた。

すると仙道が席を立って早足でこちらに向かってくる。


バレたか?


一瞬思うも仙道は車内のトイレへと入っていった。


ガタンガタン……ガタンガタン……。


夜遅いので車内には人がまばらだった。

さらにそのほとんどがうつむき加減で目を閉じていた。


俺は人目を引かないようにそっと立ち上がると仙道の入ったトイレに向かう。

そしてトイレのドアを力づくでこじ開けると中に体を滑り込ませた。


「なっ!? あんた何して――」


ゴッ!


俺は狭いトイレの中で体を小さく回転させ右フックを仙道のあごに叩き込んだ。

それにより仙道が気絶して床に倒れ込む。


俺は足元の仙道を見下ろしながら近藤千春の時以上の寒気を感じていた。


そう。この仙道もまた悪人だったのだ。



◇ ◇ ◇



近藤千春に読心呪文を使った結果わかったのは、仙道は近藤千春をただ振ったわけではないということだった。

仙道は近藤千春を妊娠させていたのだ。


だが仙道には同時進行で付き合っている相手がいた。

それがさっきまで一緒にいた女性なのだが、その女性は仙道の勤める会社の社長の一人娘なのだった。

だから近藤千春が妊娠したとわかった途端、堕胎薬を溶かした飲み物を近藤千春に飲ませ子どもを殺しその関係を一方的に断ち切ったのだ。



「仙道アキオ。あの世で近藤千春に詫びるんだな」


俺はポケットに忍ばせていたカッターナイフを取り出しギギギ……と刃を伸ばすと仙道の太い首に押し当てた。


そして一気に引き抜く。


仙道の血がトイレの壁中に飛び散って目の前が真っ赤に染まった。


ててててってってってーん!


『鬼束ヤマトは仙道アキオを殺したことでレベルが1上がりました』


『最大HPが2、最大MPが1、ちからが1、まもりが1、すばやさが2上がりました』


俺のレベルが17に上がると同時に車内には間もなく駅に到着するというアナウンスが流れ出す。

そのアナウンスを耳にしながら俺はカッターナイフの刃をしまった。


電車が減速していって駅に止まると俺はトイレを出て何食わぬ顔で電車を降りた。

もちろんその時には仙道の返り血も仙道の死体ももうこの世からきれいさっぱりなくなっていた。

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[一言] あっ…これは妹…?
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