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第100話 理由

「終わったぁ?」

「ああ、二人とも片づけたよ」

戦闘形態を解いた俺は家を出るとメアリのもとへと戻っていく。


とそこへ、

「おねえちゃんたちだれー?」

小さな男の子がメアリに話しかけてきた。


「なんでぼくのうちにいるのー?」

まっさらなランドセルを背負った男の子は俺とメアリを交互に見て言う。

どうやらこの家の子どものようだ。

名前はたしか梶原大地だったか……。


「ん~? うちら? うちらはなぁ~……」

「あっおい、メアリ――」

俺はメアリがその男の子に手を伸ばしたのを見て瞬時に声を上げた。

メアリが男の子に何かするのではと感じたからだった。

だが俺の心配は杞憂だった。


「うちらは正義の味方やねんでぇ~」

そう言ってメアリは男の子の頭を優しく撫でるのだった。



◇ ◇ ◇



「おねえちゃん、おにいちゃん、ばいばーい!」

「ほななぁ~!」


メアリは大きく手を振るその男の子に手を振り返してから俺のもとへと駆けてくる。


「あの子、親と違ってええ子そうやったなぁ」

「まあそうだな」

小学校低学年で悪人はさすがにいまい。

俺はそう思いつつ相槌を打った。


「でもせっかく防犯カメラ壊したのに、結局さっきの男の子に顔見られてしもうたなぁ」

「大丈夫だろ。あんな小さい子の言うことだ、警察も話半分で聞くだろうさ」

「ふ~ん、ヤマトお兄ちゃんって結構考えとるんやねぇ」

「お前よりはな」

軽口を叩き合い俺たちは一路病院へと向かう。



◇ ◇ ◇



「え、もう終わったんですか?」

佐藤京子さんの病室で待っていた涼子さんに依頼完了の報告をすると、涼子さんは驚いた様子で俺を見た。


「ええ。二人とも呪い殺しておきましたよ。とは言っても遺体は発見されないように工夫してありますので、テレビのニュースなどでは失踪事件として報道されるでしょうけど」

「そうですか……ありがとうございます」

「それと京子さんを襲った理由ですが、単なるお金目的だったようですね」

伝えると、

「……そうですか。金品がなくなっていたので、やっぱりそうだったんですね……」

顔を伏せ悔しそうにつぶやく。


「では俺たちはこれで。依頼料の方はこの紙に書いた通りに送ってください」

俺は最寄りの郵便局宛てに依頼料を配送する方法を書いた紙を涼子さんに手渡すと、病室をあとにする。

メアリも俺に続いて病室を出てきた。


「さてと、今日はこれで解散するか」

「ええぇ~、うちもう少し病院にいたいわぁ」

とメアリ。


「じゃあ俺は帰るからお前は一人で残ってろよ」

「なんでぇな、一緒におろうやぁ」

メアリは俺の手を取り前後に揺らす。


「俺はお前と違って病院の雰囲気はあまり好きじゃないんだよ。なんか憂鬱になってくるんだ」

「むぅ~、せやったら一緒に晩ご飯食べてから別れようや。なぁっ?」

「晩ご飯って。まだ五時前だぞ」

「あ~、うちそういえばなんかお尻が痛い気ぃするわぁ」

俺が渋っているとメアリが突然そんなことを言い出した。


「ヤマトお兄ちゃんに道路に突き飛ばされたからお尻が痛いねんなぁ~」

これみよがしに痛がってみせるメアリ。

さっきまでそんな素振り見せてなかったくせに。


「……わかったよ。少し早いけど一緒に晩ご飯にしようか」

「わぁ~い、やったーっ」

ぴょんぴょん飛び跳ねるメアリを見ながらやはり美紗ちゃんと同学年には見えないな、とため息をもらす俺だった。

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