十魔王編 1話
「王様からのお願いなら断ることは出来ないですね。僕に任せてください。ただ父さんの事はよろしくお願いします」
「君のお父さんの事は任せなさい」
そうして僕は十魔王を倒すことと仲間を集める旅が始まった。
「待ってください。私も連れていってください」
そう言って現れたのは王国の姫だった。
「待ちなさい!! マイ。お前はまだ魔王と戦うには力が足りないし危険も待ってるんだぞ。タクミの足を引っ張るのが目に見えている」
「私は城で守られてるだけはイヤなんです。それにタクミさんの足手まといにはなりません。私の回復や補助魔法ならタクミさんの役に立てます」
「お前は魔王に殺されるかもしれないんだぞ。死ぬかもしれないんだぞ。それでも行く気か?」
「私の気持ちは変わりません。城の中で守られて生きていくのはイヤなんです。私も十魔王を倒す手助けをしたいです。それに死ぬかもしれない覚悟は持ってます」
マイ姫は王の言葉を振り切り僕に付いてくるようだった。
「王様、マイ姫は僕が守ります。なので僕からも姫を連れて行かせてください」
「マイとタクミにそこまで言われたら断れないな。タクミくんどうかマイをよろしくお願いします」
王は頭を下げお願いしていた。
「頭を上げてください。姫は守って必ず十魔王を倒して帰ってきます。では行ってきます」
そう言い僕と姫は旅に出ることになった。まずは近くのルージュ町に行き十魔王について調べることにした。
「姫は野宿することにもなると思いますがそれでも大丈夫ですか?」
「もちろんそのくらい覚悟してます。あと姫とは呼ばないでください。私の事はマイとお呼びください。あとはタメ口で話して私もそうするから。気を遣られるのは苦手で」
「分かった。じゃあルージュ町に行って情報を集めよう。そして今日はルージュ町に泊まろう」
僕たちは話をしながらルージュ町を目指して歩き出した。
そして三十分くらいで町に着いた。
「もう今日は遅いし宿屋に泊まって明日から情報集めをしよう」
「ですね。では宿屋に行きましょう」
宿屋に行くと意外に混んでいて部屋が一つしかなかった。
「僕は町の外で野宿するのでマイは宿屋に泊まって」
「野宿は危ないし一緒の部屋で私はいいですよ」
こうして僕とマイは同じ部屋で一緒に休むことにした。