十魔王編 番外編
僕が朝起きると何故かユキが僕の隣に寝ていた。
「うわ。ユキ何やってるの?」
「ふわー。うるさいな。ゆっくり寝ていたのに。タクミと仲良くなるためのコミュニケーションじゃないか」
ユキは平然と答えた。するとマイが僕の部屋のドアをノックした。
「ユキさんが居ないんですが、タクミさんの部屋に来てないですか?」
僕はめちゃくちゃ焦ってどう答えようか悩んでいるとユキが普通に答えた。
「ここにいるよ。マイも一緒に来て一緒に寝る?」
「邪魔してごめんなさい」
マイが謝りながら勘違いして逃げていってしまった。僕は勘違いを解くために追いかけようとするとユキが僕を引き留めた。
「えっと何? 早くしないとマイが勘違いして行っちゃうよ」
「私とマイどっちが大事なの?」
「そりゃあ僕にとって二人とも大事な仲間だよ。だからこそマイの勘違いをとかないといけない」
僕はそう言いマイを追いかけた。
「マイ待って。マイの勘違いなんだ。僕が起きたら隣にユキが寝ててからかいに来ていただけだと思うんだ。だからユキと僕が何かあるわけではないんだ」
「その言葉信じていいんですか?」
マイは僕に問いかけた。
僕は「もちろんだよ」と答えた。
僕がそう言いマイを説得して宿に戻ることにした。
「じゃあ宿に戻ろう。ユキもきっと待ってるよ」
僕とマイは一緒に宿に戻るとユキが待っていた。
「ユキもマイの事心配で待ってたの?」
「まあそんなところかな。外は十魔王もいるかもしれないし」
ユキは嘘をつくのはあまり苦手なようだった。ユキはずっと洞窟で暮らしていたせいか人との距離感や人付き合いがまだ未熟なイメージがあった。
僕たちは宿で朝ごはんを食べ今後の行動の作戦を練った。
「十魔王はまだ村に集まっている可能性が高い。バラバラになるまでは待たないとうちらに勝ち目はない」
「ユキがそういうほど十魔王は強いんですか?」
僕がそう問うと。
「一人二人なら何とかなるかもしれないがやっぱり全員は流石に勝てない。特に十魔王の一の魔王と二の魔王は特に強い。今は仲間集めをするか特訓するかして時間を潰すしかない」
こうして僕たちは仲間集めしつつ魔法の強化をして時間を潰す事にした。