十魔王編 5話
「ユキさんが仲間に加わってもらえてすごく心強いです。これからよろしくお願いします」
僕は心の底から感謝していた。
「タクミが実力を見せてくれて私がタクミを認めた。ただそれだけで付いて行く理由には充分だ」
ユキさんはそう言って僕の肩をポンと叩いた。
僕は大賢者に認められたことが嬉しかった。
「ユキさんは何で洞窟で暮らしていたんですか?」
マイがユキに質問をぶつけていた。
「当然修行のためもあるが情報を得ることも結果的にできた」
「十魔王をどうやって倒すつもりですか? この前近くの村に集結してて流石に十人同時に相手するのは無理があると思うんですが」
「それは十魔王がばらけるまで待つしかないな。今のメンバーでも流石に十人は相手できないからね。まあたまには王都に行って温泉に入ったり宿屋で休んだりして十魔王がバラバラになるのを待とう」
ということで僕たちは王都に向かって歩き出した。王都までは三十分程度で着くことができた。
そしてまずは温泉に入ることにした。
「じゃあまた温泉出たらここに集合で」
僕はそう言い温泉に向かうとそこにいたのはユキとマイが入っていた。
「なんで二人が男湯に?」
「知らなかったの? ここ混浴温泉だよ」
恥ずかしがることもなくユキがそう言った。
マイは恥ずかしそうにしていた。
「もう混浴なんて知っていたら入ってなかったのに」
マイが呟いた。
「まあまあ良いじゃないか。疲れをとるいい機会じゃないか。マイも豪傑のドルガンとの戦闘で疲れているはずだ。ゆっくり疲れを取ろう」
「まあ確かにそれは一理あるけど恥ずかしくてそれどころじゃないですよ」
「マイはいい身体してるじゃないか」
そう言いながらユキがマイの胸を触っていた。
「きゃあ。ユキさん何するんですか!!」
僕には刺激が強すぎる光景だった。僕は早めに体と頭を洗い逃げるように温泉を出た。
「全くウブな奴だな。もう少しからかいたかったのに」
そしてしばらく待っていると温泉からユキとマイが出てきた。
宿屋に向かいそのまま僕たちは寝ることにして一日を終えた。