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最強格闘家になろうシリーズ  作者: カカカカカ
第三部「死闘乂門編」
71/113

第七十話 「俺たちの明日」

対抗戦から1年が経った。


日本は乂門により荒らされていたのが嘘のように復興し、人々は日常へと戻っていった。


とある地方都市のビル壁面にある大型液晶モニタでは、とあるニュースが流されていた。


宇宙人にさらわれていた、吉岡清一郎(34)と山口・ヴィクトロヴィッチ・タッカーシー(25)が山中で見つかったとの事だった。

2人は命に別状はないが、ひどく混乱しているとの事だった。


ニュースが終わり、広告が始まる。

世界的なシンガー、スティーピーワンダーがサングラスをかけて笑顔で踊っている。彼は胴着を着て、道場にいるようだ。

「ニホンヲスクッタカガハチメイカラカクトウギヲオソワロウ!!!」

そう言うとサムズアップしてニッコリと笑った。


『加賀八明道場!!!入門者募集中!!!』


と言う文字が浮かび上がる。



ところ変わって、ここはとある地方都市の駅前。巨大なビルが立ち並ぶ中に、一際大きなビルがある。

ビルの屋上には『加賀八明道場』の文字が踊っている。


「声出せぇ!!!」


黒ずくめの男が道場の中で叫んでいる。

この男、シャツもズボンも靴も、そしておそらくは下着まで、真っ黒な衣装で身を包んでいた。


その男の目の前には、ざっと見ても50人近い男達が等間隔に並び、正拳突きを繰り出している。


乂門を打ち破った加賀八明は英雄として祭り上げられ、それに便乗した八明は入会費100万円、月謝30万円で道場を立ち上げた。


なんとこれが大成功。門下生100人を超える巨大組織となった。


「安め!!!10分休憩」


加賀の一言で皆姿勢を崩しガヤガヤと雑談を始めた。


「先生!!!」


中学生くらいの塾生が加賀に声をかけてきた。


「ここで修行していれば、矢吹晴男さんみたいになれますか!?」


塾生は純粋なつぶらな目で加賀を見つめる。


「なれるさ、そうなる為にも、君には月謝60万円のスペシャルコースを紹介しよう」


やったーと塾生はジャンプして喜んだ。


全く、あの野郎、どこに行きやがった?

広告塔として利用しようと思ってたのに…

加賀は心の中で毒づく。

乂門戦後、矢吹晴男はまた新たな戦いを求め何処かへと旅立っていった。


ならばその弟子、真島浩高はと言うと…



とあるボクシングジム。そこに少年が1人駆け込んできた。

サンドバッグを殴っていた青年がトレーニングを止めて少年を見つめる。


「俺、強くなりたいんです…強く…」


少年が来ている学ランはボロボロだった。そして、顔は傷だらけで血と彼の涙で濡れていた。


その姿を見ただけで、真島浩高は全てを察した。


「なれるさ…世界最強にだってね…」


真島はそう言って笑った。


さて、今頃、世界最強の格闘家はどこにいることやら…と真島は思った。



ここは、とある街の暗い路地裏。

2人の男が向かい合っている。


「名を名乗れ…」


胴着を着た恰幅のいい男が呟く。


それを聞いた男が笑う。


「俺の名前は矢吹晴男。世界最強の格闘家だ」



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