表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夕暮れ

作者: わをん

自由になるための文章が書きたかった。太陽が山の尾根に沈んでいくのを新幹線の中から見つめていた。眼下に広がる棚田がオレンジ色に染められている。僕は今この瞬間だけは自由だった。



新幹線がトンネルに侵入し、鏡に映った僕が僕を見つめていた。限界だった。僕が涙を流すと、彼もまた涙を流していた。一体何がそんなに悲しいのか。僕にはわからなかった。



一貫性があることが物語ならば、人の人生は物語にはなれない。僕は物語の語り手にはなれないのだ。キヨスクで買ったコーヒーが名残惜しそうにカップの下に残っていた。駅に着いたのだ。降りなくちゃ。



ホームに降り立つともう太陽はほとんど沈んでしまっていた。空では太陽が残していったやけに青みがかった若い夜が僕を見下ろしていた。夏が目前に迫っているのを感じる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ