表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナイトメア ~白銀の契約~  作者: 仲仁へび
第二章 流水の絆
25/65

13 作戦会議



 水奈がいなくなってからべッドを這い出た俺は、彼女の姿を探した。

 入れ替わりに入って来た見つけたツインテール美女に声をかける。


「理沙、頼みがある」


 予想通り、相手には凄く嫌そうな顔された。

 だが、ここで引くわけにはいかない。


「アンタまさか、まだやるつもりなの?」

「諦められない事情があるからな」

「余計なお世話だって分からないの? 状況を悪くするだけよ。それに、あんだけ手ひどくやられたのに……。次はこんなんじゃすまないわよ」


 一応心配はしてくれてるんだな。


 理沙の言う事は分かってる。

 奴はおそらく本気だった。

 一度ならず二度まで歯向かえば、おそらくもう俺はここにはいられなくなるだろう。


 でも、それでもやらなきゃならないのだ。

 ここでブルって、膝抱えられるような奴が船頭牙なんかじゃ許せねぇんだよ。

 ため息をついた理沙は、探る様にこっちに問いかけてくる。


「勝算は、あるの?」

「それを今から考えるんだよ。協力してくれ」

「……」


 理沙は答えない。

 けれど牙が頭を下げると諦めたようにため息をついた。


「仕方ないわね」

「お前って色々キツイとこあるけど、いい奴だよな」


 断わられるとは思ってなかった。

 水奈の親友だからというのもあるだろうけど、理沙はなんだかんだ言いつつも困ってる奴を見捨てない奴なのだ。


「とりあえずアイツの能力について確認しよう」

「万有引力……。オールグラビティ……。どんなものにも存在する引力を自由に使える力よ。だけど、制約もある」

「どんな?」

「触れたものしか発動できない」


 んん……?

 会話の最中に抱いた疑問を見過ごせずに、確認の意味も込めて問いかけた。


「でも、あいつ何かに触れるような行動とってないぞ?」

「詳しく言うと、一度触れたもの……ってことよ。あそこがどこだか分かるでしょ」


 ああ、なるほど。

 納得した。

 ようするに敵の根城にまんまと突っ込んでいったと言う事だ、俺は。


「体触られてなくて、良かったわ。あんた自身が引力の発生元になったら手が打てなくなるところだった」


 男は、好き好んで野郎の体に触りたくないもんだからな。

 それがゴミクズ野郎だったらなおさらだ。


 俺はゴミじゃねぇ。

 いや俺が言ったんだけど。

 くそ、何かムカついてきた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ