(十三)まばゆい活躍(過去)
十年前
帝国との大戦時
――国境付近の北部エリア
当時、対帝国の最前線である東部エリアでは、辺境戦士の果敢な“ゲリラ戦術”が驚くべき戦果をもたらし、破竹の勢いで西部侵攻を進めていた帝国軍の足を完全に止めていた。
その朗報を耳にしたオジト隊は、同族の活躍を誇らしく思う反面、
「オレ達がいれば……」
「ああ、戦線だって押し返してるトコだ」
悔しさ羨ましさを感じずにはいられない。
そして、軽やかな小鳥たちの鳴き声と穏やかな陽射しに包まれた樹林帯を見回しながら、
「こんな、敵もいないトコに配置だなんてな……」
「激しく同意だが、オレ達のような“裏方”も必要なのは確かだ」
むりやり仲間と自身を納得させる。
仲間たちのもたらしてくれた“平穏”を苦々しく思いながらも、オジト隊は北部エリアでの退屈な哨戒任務を黙々とこなしていた。
それが、一時の平穏にすぎないとも知ることはなく――。
◇◇◇
それから数日。
状況は劇的に様変わりする。
「――隊長。西手にも敵部隊の影あり!」
「またか?」
待ち望んだ戦いのチャンスにもかかわらずオジトが苦々しく顔をしかめるのは、昨日も敵部隊ふたつと遭遇していたからだ。
偶然か否か。
ふたつの部隊は連携するのに距離が空いており、かといって何かあれば支援には間に合う距離にいるため、無闇に仕掛けられない。
そうして泣く泣く交戦を諦める不運が続けば、さすがに苛立ちもつのるというもの。
「……」
「惜しいですが、ここは避けましょう」
一瞬、“一撃離脱”のプランを頭によぎらせたオジトに、副官ボルジが当然のように交戦回避をうながす。
「わかってる。皆に合図しろ」
どちらの案が指揮官としてまもともな判断かは、さすがに理解しているため、オジトも何食わぬ顔で応じる。
幸い敵はこちらの存在に気付いておらず、十分な距離を取って迂回することに成功したのだが。
「それにしても――」とオジトは直近の記憶をよみがえらせて。
「これで二度目か?」
「いえ、三回連続です。ここまでくると不運ではすまされませんなっ」
苦笑いするボルジにオジトは同意しかねる。
「というよりも――」
「隊長」
そこで押し殺した呼びかけに遮られ、オジトが振り向くそこには、新参の班長3名がいた。
いずれも探索者稼業を休止して参軍してきた愛郷の者たちで、率いるパーティをそのままひとつの班として隊に特別編入していた。
ベテランの探索者だけあって斥候としての優秀さは先の成果をみてのとおり。ただ、上位下達を旨とする兵士としての言動に“難”があり、それでもオジトは彼らを高く買っていた。そんな彼らがそろって顔を出したのだから“何かある”と察する。
「どうした?」
「このまま進むのはマズい。“迂回”でなく引き返すべきだと思い、伝えにきた」
3人の中では年長のひとりが、まさかの進軍に対するクレームをつけてくる。
今さら戻れだと――?
求めていない意見で、かつ、タイミングまで悪すぎるとくれば、オジトの応対にもトゲが含まれる。
「バカを云うな。今戻ると敵に見つかる可能性がある」
「なら戻らなくてもいい。ただ、進むのだけは考え直していただきたい」
一体何を根拠にそこまで強気に云えるのか。
年長者の態度に、見かねたボルジが前に出ようとするのを片手で制し、
「根拠はなんだ?」
オジトは毅然とした口調で詰問することにより、立場をわきまえろと暗に告げる。
「普通に考えれば、まずはあの場から離れることがベストな選択だ。ただの“カン”では困るぞ」
「当然だ」
やはり軍属の自覚がない態度でうなずく年長者だが、肝心の根拠を提示したのは槍持ちの班長だ。こちらは分をわきまえた口調で訴えてくる。
「ここ数日、急に敵との遭遇頻度が上がってます。それも一度に複数部隊と。これを“意図的な動き”と云わずしてなんと云うべきでしょう?」
さすがに探索者か。彼らもオジトたちと同じ違和感を抱いていた。それも“今すぐ対処すべき”と判断するほどの危機感で。
「仮に意図したものでなければ、“距離が詰まるほどに数がいる”ということに。これがどういう意味か、分かっていただけるかと」
「その前に。そもそも“東部戦線が崩れた”という情報はない」
侵入ルートもないのに騒ぐなと。
「いいか。こちらに“地の利”があり、なにより辺境戦士が地力で勝る。たとえ一部隊といえど、戦線を抜かれることは絶対にないっ」
「ですが、現に看過できない数の敵部隊と遭遇しています」
やはり探索者の気質か、槍持ち班長も引き下がることはなく、むしろ強く訴えてくる。
「比べるまでもないですが、東部の情報は伝達が遅れているなど不明確であるのに対し、進むほどに高まる遭遇頻度はまぎれもない事実。本当は隊長だって気付いているのでは? ――まるで、その方向から敵が湧くかのような異常の理由に」
「バカな――」
オジトは否定するように吐き捨てる。
「戦線の崩壊など考えられん。だからありえない話だ――この先に、相当規模の“別働隊”が存在してるなんて」
「……」
黙って班長らを見ているボルジも同意見だ。
非常識な見解だから――ふたりとも、いたずらに部隊を動揺させたくなくて黙っていた。だから、口にさせたことを咎めるようにオジトがにらめば、
「そうとも。頭の中身を疑われる、バカバカしい話しさ」
今度は弓持ちの班長が割って入ってくる。
「――けど、“東部戦線は問題なし”で“別働隊も存在する”可能性は本当にないのか? “何らかの策”を敵がとった可能性が残されてないと、どうして言い切れる――」
まるで正解を知っているかのように弓持ち班長は意味ありげに語りかけてくる。
だから苦々しくオジトが答える。
「――『鬼謀』か」
「噂どおりなら、やってのけるぜ?」
「……」
黙り込むオジトに代わり、
「ふん」
わざとらしく鼻を鳴らして口を開いたのはボルジだ。
「憶測は憶測だ。隊長――まずは距離をとるのが先決です。こいつらの話は、それから検討しても遅くはないでしょう」
「いや、それでは手遅れになるかもしれん」
一歩踏み出してくる年長者。
どうあっても意見を呑んでもらうと詰め寄る態度に、ボルジがこめかみに青筋を立てる。
「いい加減にせい。一兵卒の分を踏み越えるなっ」
もはや苛立ちを隠すのもやめてこちらも力強く前に出る。
それでも年長者は態度を軟化させない。そこに他の班長も加わり、副官とケンカ腰の睨み合いをはじめたところで。
「正面に敵っ――」
切迫した報告に五人の目が樹林の向こうへ飛ばされた。
見通しの悪さなど関係ない。
激しい動きのせいで枝葉の影であっても少なくない数の人影がちらつくのをはっきり認識する。
草木を踏み荒らすかすかな音も。
(まさか、一度に三つの部隊――?)
それは北部エリアに着任してから初めての事態。
だから全員が頭によぎったはずだ。
この先に、本当に軍団規模の陣営が――と。
ただしその妄想はすぐに捨て去られる。
人影の激しい動きが“突撃”を意味していると気付けば、イヤでも現実に引き戻されるから。
「マズい――」
敵に先手を打たれたと知ってボルジがうめく。
それは全員の気持ちを代弁しており、その気後れが隊の動きを硬くさせ、悪い意味で“受け”に回させる。
そうなれば――。
すぐ先の“部隊崩壊の悪夢”を予見して、オジトは迷わず決断していた。
「退けっ。全力で撤退する!」
◇◇◇
結果としてオジトの判断は正しかった。
逃走に気付いた敵が脅しかけるように叫び声を発し、呼応するかのように別の敵部隊――やり過ごしたはずの部隊が再び現れたのだ。
「右手からも敵が!」
「構うなっ。進め!」
新手の部隊はこちらの動きを把握しきれてない。
今のうちなら全力で走るこちらが早く突っ切れるとオジトは判断する。
その通りになったからこそ、すぐにボルジが別の懸念を訴えてくる。
「次はどうします?!」
当然だ。
一瞬、言葉に詰まりながらもオジトは応じる。
「……やや左に転進だっ」
そうとも、今日だけじゃない。
ここ直近でやり過ごした敵の部隊は他にもいる。
実際、喊声を上げて追いかけてくる敵が目印にでもなっているように、増援を呼び寄せ、見通しの悪い樹林帯でもジワジワとオジト隊を追い詰める。
それに“敵”は人間だけでない。
「おいっ。セアナギの藪は避けろ。これじゃ、ヤツらを撒けん……」
「しかし、そんな余裕はっ……ゼイ」
地元民といっても限界はある。
追われながらの逃走でルートの適格な判断もできなくなり、スピードも維持できなければ想定する以上に部隊の体力も削られる。
気付けば“地の利”を活かすこともできなくなっていた。
「ゼイゼイ……ッ」
「踏ん張れ!」
体力に自信があるオジトでも息が上がる。
走るのが苦手なボルジはなおのこと、早くも大量に汗をかき顔をゆがませていた。他にも似たタイプはいて、このままでは脱落者が出るのも時間の問題だ。
その前に――。
苦渋の決断が迫る中、この時オジトの元へ、前方からスピードをゆるめて並ぶ者が現れる。
「おまえ――なにをやってる?!」
「エンデリオだ」
どれだけ体力があるのか、汗もかかずにぼそりと応じるのは先の年長者。意味ありげに視線を後ろへ投げながら。
「後ろが“呼び子”になってるのは分かるか?」
「……ああ」
「仲間への“追跡の伝達”と“目印”――ヤツら、明らかにゲリラ戦の対策をとってきている」
「――」
云われてみればそうだ。
そうなのだが――別働隊を送り込む策に、対ゲリラの策まで――本当にそんなことができるのかと疑心はぬぐえない。
そんな上官の心情など汲み取ることもなく、エンデリオは早口で続ける。
「このままだと敵さんの策にハマる」
「だから転進したっ」
「十分じゃない」
「ならどうしろとっ」
進退窮まっていることは分かるだけに、オジトも半ば投げ槍に返してしまう。そんな簡単に良案が出せるなら苦労はしないとの怒りも抑えられずに。
だからエンデリオの思わぬ返しに認識が遅れてしまう。
「荷物を捨てろ」
「……?」
「“完全撤退”に切り替え、身軽になればいい」
こうなれば立て直しするのも不可能だと。
だからといって貴重な装備を簡単に捨てられるはずもない。それを平然と言ってのけるエンデリオがさらに続ける。
「それとフェルドに先導を任せたい」
「……」
「“弓持ち”の班長だ。アイツのパーティは狩猟を得意とした連中で固めてる。だから、森で最善のルートを見つけてくれる」
「……くっ」
まったく癪に障る。
それが的確な判断だと思うからこそ、オジトはどちらが上官かと苦い思いを抱かずにはいられない。そん苦痛が表情に出ていたのか、エンデリオの鋭い眼光がオジトに差し込まれる。
「“プライド”と“命”――どっちが大事だ?」
「――っ」
それこそ上官としての矜持を逆撫でするような選択を突きつけられ、一瞬表情を険しくさせたオジトであったが。
「いいか、オレとギルドレイの班で時間を稼ぐ」
「!」
「――あとのことは頼んだぞ」
それも勝手な発言であったが、彼らなりにオジト隊の一員であろうとしているのだと知り、オジトはまじまじと苦労を積み重ねたであろう老け顔を見てしまう。
「……」
「……」
エンデリオがうなずき返すことはない。
勝手に決断し、隊長の判断を耳にしないまま足を止める。
すぐに同じく足を止めた数名を抜き去り、少し走ったところで、ようやくオジトは小さくつぶやいた。
「――――――必ず、戻れよ――」
◇◇◇
その後、偶然味方の部隊と合流を果たして安堵したのも束の間、すぐに敵の襲撃にあい、追い立てられるハメになる。
こうなるとどこにも安心できる場所はなく、北部エリアの情勢などオジトには見当もつかなくなる。
もはやできることは、フェルドに急かされるまま、動揺する隊員を何とかまとめてひたすら逃げ続けることだけであった。
そうして気付けば隊員の数は減っていた。
途中で起きた乱戦で倒れたか、体力尽きて脱落したかも分からない。
「なんだってんだ……。こんな無様をさらすために参戦したわけじゃねえっ……」
誰かが洩らした言葉がオジトの耳に残った。
それは誰もが抱いていた鬱憤だ。
辺境人らしく、勇敢さを示す場を与えられないまま死んだ隊員は、なおさら無念だろう。
そうして日をまたいだ次の夜遅く。
辺境軍陣内のギドワ族幕営にようやくオジトたちはたどりついた。
いつもなら、どこよりも酒盛りで湧く幕営は意外にも静まり返っており、その中をオジト隊はゆるゆると這うように進む。
誰も口を開かず視線はまっすぐ前へ向けたまま、気力だけで足を運ぶ姿に、見た者は唖然としてただ見送るのみ。
「――ここでいい。ボルジ、全員を休ませろ」
ついにオジトの命が発せられた時、全員が糸の切れた人形のように地面にくずおれた。
しかしトップであるオジトにはやるべきことがある。安堵で力がぬけ、座り込みたくなるカラダを気力で支えて族長の天幕を目指す。
「おまえ――オジトか?」
途中、誰かに声をかけられる。
焚き火のそばで眉をひそめているそいつに見覚えがあった。
「……ゲルドラ。東部にいたんじゃ」
「ああ、暴れてきた。今は休息だ」
自慢げに厳つい顔をほころばせる様子に悲観さは毛ほどもない。
「なら、東部戦線は――」
「辺境軍の優勢だ。当然だろ」
唇を吊り上げるゲルドラが、そこで表情を引き締めて。
「そういうおまえは――何があった?」
オジトの任地が北部エリアであることを彼は知っている。
だから不審げな顔をするのだろう。
オジトの全身を下から上へと見直すゲルドラの気持ちは分かるが、説明している余裕はない。
東部戦線に問題ないことが、オジトの持ち帰った情報の重要性を高めたからだ。だからオジトは早口で問いかける。
「それより、族長はいるか?」
「族長?」
なぜかゲルドラは、“何を云ってやがる”という感じで眉をひそめ、
「――いない。見てのとおりだ」
大げさに両手を広げられて、オジトはようやく気付いた。
族長の天幕から明かりが消え、その周囲に護衛隊よろしく張り付いているはずの精鋭たちの姿がないことに。
いや、もっとまわりに気を配ってみれば、ギドワ族幕営そのものから人気がだいぶ減っていたと知れる。静かすぎるのも当然だ。
「……どうなってる……族長はどこに行った?」
「んん? まあ、そうか」
ゲルドラの方が察して教えてくれる。
「北部エリアで異常が起きてな」
「知ってる。おまえよりも。オレ達はそこから戻ってきたからな。敵がバカみたいに現れたっ。ヤツらは――」
「ああ、報告は入ってる」
その平静すぎる態度に苛立ちを覚えたが、ゲルドラのやけに神妙な顔つきの変化に気付いて、オジトは何とか怒りを呑み込む。
彼は告げる。
「おまえたちで二組目だ。他はまだ戻ってない」
「……」
「そうだ。一軍並みの敵兵力が北部エリアで暴れてる。例の『鬼謀』の仕業らしい。ヤッコさんお得意の大魔術でふざけた宴会が始まって、あそこにいた仲間達は洩れなくお喚ばれされたってわけだ。だから――」
ああ、サイアクだ。
ゲリラ戦のデメリットは情報が寸断されること。
つまり“状況の暗転”を把握できない味方の部隊は、敵の好きなように各個撃破されることになる。優れた索敵能力を持っていたオジト隊は例外と云えるだろう。
そうして北部エリアを敵に支配されれば、敵本軍を足止めしている東部戦線がどうなるのかは容易に想像できる。
「だから族長が出陣――?」
しかしゲルドラは首を横にふる。
オジトの想像とは違っていると。
「辺境軍の主力は東部エリアだ。あちらが挟撃を受けず撤退できるように族長は北部エリアに入った。ギドワの精鋭だけを連れてな」
「他には?」
「いない」
「ダメだ。いくら族長でも無茶だ。ヤツらの対ゲリラ戦術は巧妙だぞっ」
味わった者ならではの説得力でオジトが懸命に訴えるも、ゲルドラは「そうか」と反応がにぶい。それには当然理由があった。
「相手は『鬼謀』だ。おまえが知る以外の策を巡らしていると思うべき――それが上の連中の判断らしい。もちろん、族長も同じ意見だ。……もはや、この状況で戦局をひっくり返すことはできないと」
「そ……なのか……?」
いつの間にそんなことに。
正直、数日前まで北部エリアで平穏に浸っていたオジトには、気持ちも思考もついていけない。
なのにゲルドラは、さらにもっと衝撃的な話を伝える。
「族長はあれで勇猛さだけじゃない。ちゃんと状況を見極めてる。だから、北部エリアを守れないことも分かってるはず。……おそらく、最後まで戦いぬくつもりだ」
「……っ」
それを耳にして、オジトの冷え切ったカラダに血流が逆巻く。
ギドワ族にとって今代の族長は“頼れる親父”であり、一族の誰もが彼の背中を追いかけてきた。その男が。
「オレも行くぞっ――」
拳を握りしめ、踵を返すオジトをゲルドラが制す。
「やめろ」
「何がだ? いや、おまえはなぜ、ここにいる?」
振り返ってオジトはゲルドラをにらむ。
その視線を真っ向から受け止めるゲルドラが告げる。
「これは族長の意志だ」
「オヤジの?」
「オヤジはすべて見極めた上で、精鋭を連れて行った。それはオレ達の念いを汲み取るためだ。だから一族最強の部隊を選んだ。それだけを。そのあと、どうなると思う――」
そのあと――?
思わぬ問いかけにオジトは虚を突かれる。
辺境一の強者が集うからこそのギドワの栄華。
その戦力が大きく失われたとしたら。
厳しい辺境の地に残された女子供や老人を思い、むっつりと黙り込むオジト。
しかしゲルドラが伝えたい“そのあと”は別のこと。
「残った者が次代を担う。ギドワ揺るがずと辺境に知らしめる役目がある。それを次席でくすぶるオレ達が負わずして、誰にやらせるつもりだ?」
それは問いかけでない。
ゲルドラの覚悟を示したにすぎない。
だからこそ、その言葉がオジトの胸を突く。
やがて。
「…………いつまで立ってる? 休むのも仕事だ」
それでも座らないオジトにゲルドラはため息をつく。
「疲れすぎて頭がにぶってるな? “殉死”を止めたが戦争が終わったわけじゃねえ。これから戦線の作り直しがあるんだよ」
「そうだ」とオジトの目をうかがいながらゲルドラは続ける。
「悪いが“華々しい活躍”は諦めろ。オレ達に与えられる戦いに、まばゆさはない――」




