プロローグ&#.1
気付いた時には夜中の2時だった。
もう寝よう。そう思っても体が机の上から離れない。
明日は休日。だけど部活がある。
もう、部活も辞めたい。
でも辞めれない。憂鬱だ
もう、寝よう。
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朝だ。起きたくない。
でも時間がない。仕方がない、起きよう。
登校中の電車内。
同じ高校の制服を着た人がいる。
2人組の男子が楽しそうに会話をしている。
羨ましい。
僕もあんな生活を送るはずだっのに。
部活の休憩時間。
みんな楽しげに話している。
羨ましい。
なんであんなに話せるのだろう。
そう思いつつ、僕は水筒の水を飲んでいた。
僕が休憩していると、顧問の先生が僕に話しかけてきた。
「おい、赤道。赤道タケル。最近お前、動きが鈍いぞ、しっかり動け」
「すいません、次、気をつけます」
「頼むぞ赤道。もうすぐ大会近いんだから。先輩としても、しっかりしろ。」
そう言って、顧問の先生は他の部員のところへ話をしに行った。
だいたい、こんな部活のためにやる気なんか出すかっつーの。
入った時は楽しかったけど、最近は楽しくない。
こんな部活に入った覚えはないのに。
部活が終わり、家に帰ると、弟の友達が遊びにきていた。
弟は学年の中でも人気があるそうで、そのぶん、友達も多い。
そして、弟は週に一回は友達を連れて遊んでいる。
弟は僕におかえりって言った。
弟の友達も、お邪魔してますと、言った。
僕は会釈だけして、二階の自分の部屋へと戻った。
昔は弟が友達を連れてきた時は一緒に遊んだこともあった。
だけど最近は、遊んでいない。
自分の部屋で着替えてると、弟が入ってきた。
「部屋に入る時はノックしろって。で、どした?」
「ごめん兄ちゃん、いや、久しぶりに一緒に遊ばない?ほら、高橋もきてるからさ。」
「俺はパス。お前らだけで遊んどけ。」
「なんでだよ、昔はあんなに遊んでたのに。」
「今は今、昔は昔。そういうことだ」
そう言うと、弟は不機嫌そうに下の階へ降りていった。
いつしか僕は、弟を羨ましく思っていた。
弟と俺は正反対の性格で、明るく前向きなやつだ。
おまけに友達も多い。
僕はいつしか、弟に嫉妬していた。
弟が羨ましすぎる。そう思っていた。
夜ご飯を食べ、風呂に入り、自分の部屋にこもった。
でも、やることがない。
仕方がないので、教科書とノートを開き、勉強でもしようと思った。
しかし、その時弟が入ってきた。
「よう、兄ちゃん。」
「だから部屋に入る時はノックをしろって。」
「ごめん兄ちゃん。兄ちゃんってさ、なんで僕が友達連れてきた時あんなに冷たいの?前は一緒に遊んでたのに。」
「おれとお前じゃ、立場が違うんだ。なぁ、スクールカーストって、知ってるか。」
「なに、スクールカーストって。」
「学級内の順位みたいなものさ。お前はスクールカーストの上、俺は下。わかったか?弟よ。」
「分かんない。でも、なんで順位が違うからって僕と兄ちゃんは遊んじゃダメなの?」
「...お前には一生わからんだろ。いや、知らなくていい。」
「変な兄ちゃん。僕もう寝るね、おやすみ。」
そういって、弟は向かいの部屋に入っていった。
スクールカーストの下位に属す人間は、目立ってはならないなどの決まりがある。
一体、誰がそんなことを決めたのだろう。
そんなことを考えていたら、もう2時になっていた。
寝よう。そう思い、僕は布団の中に入った。