溢れる怨念と重圧、そして禁断の詠唱
1/22今頃ポリーエとリモーピォを間違えていることに気付きました。
元に戻しておきます。
怨念があふれ出して広がっていく、それと同時にこちらに近づいてくるいくつかの力を持つ者の反応があった。
救世主の者達か、その子孫か、それなら好都合、私が死んでいくと見せかけてついでに破滅の原因の場所を示せば今回の騒動はほとんどが収まったようなモノだ。
私はこの怨念のせいでもう一仕事しなければならないようだが。
怨念に包み込まれたポリーエが姿を変え、先程までとは桁外れの強大な威圧感を持った異常な黒の人型となる、その瞳に映るのはもはや憎しみと苦しみのみ、既に意思は飲み込まれ、怨念に突き動かされるがままの人形となってしまった。
「縛れ、繋げ、留め、沈黙させよ、我、詠唱す」
詠唱を使って時間を稼ぐために拘束を試みる。
詠唱により出現した強固な拘束の輪は、天に昇り、光の柱となってポリーエと世界とを断絶した。
だが、これは無駄なようだ。
背後の時空が歪む気配を感じ、私はとっさに身を躱す。
何もない空間から波紋が広がり、飛び出してきた炸裂するエネルギーが先程私がいたところを高速で通過して光の柱にぶち当たる。
柱は壊れなかったが、余波で私の体に怨念がのしかかったようで重りをつけられたかのように飛行に使う詠唱に対しての魔力の要求量が上がった。
自身は柱の中で動けないが隔絶されても世界の外を通じて私に攻撃できるようだ。
流石にいくつもの世界の想いが詰まっているだけはある、けた違いに強い。
世界群に迫る破滅の脅威よりも明らかにこの力の方が脅威だ。
私だけに向かってくれてよかったな、こんなものが放出されたらさらなる災害、世界群の外にまで及び、それこそヲーゥルなんか目ではない大災害が起こる。
ビリゥヴァの中でのんきにしているソゥヲバーリュも叩いて気合を入れなければいけない事態になってしまう事は予想に難くない。
なんて考えている間に全方位から負の念、私は口の中で無声詠唱をし、その場から力の影響が及ばない所に転移する。
その先にもおそらく念が待ち受けているであろうから転移発動と同時にまた転移をする。
空中に念が炸裂し、世界の中に、うめき声か金切り声か、どちらかの判断がつかない胸をつっかえさせる悲鳴が響き渡った。
こんなに念があちこちに飛び散ったら、救世主達が近づいてこれないな。
だからと言って全ての攻撃を黙って的になり受け続ければ確実に押しつぶされて死ぬ。
器の解放はこの場合あまり好ましくない、この世界の者達には力を隠したままでなければならないのだ。
一旦こいつと私を世界の外に移すか、説明はソゥヲバーリュに任せよう。
『という事でソゥヲバーリュ、ビリゥヴァから出ろ、私がこれを外におびき出す』
『いや、それは待ってよガゼル、こんな危険な奴を外には出せない、出したら他の世界にとばっちりが行くよ、実際この世界もちょっと危ないし、はあ…………面倒だけどこっちで一時的に世界を作るからそっちに入れて』
『どれくらいかかる?』
『今からだと……三分、持たないかな? ガゼル』
『微妙だな、力が増してきてる』
内からあふれ出す怨念は吐き出し場所を見つけて次から次へと溢れだし、その発散場所を求めて殺到して来る。
これではこの世界もいつ崩壊するかわからない。
というか事ここに至ってもソゥヲバーリュの気分は落ちっぱなしでやる気も微塵も出ていない。
……しょうがない、ここはあれをするしかないな。
『すまんな、ソゥヲバーリュ』
『え? 何を謝る必要が……』ってあれ?」
「活け、明るき世界へとさあ行こう、我らは皆別の者なれど我らは皆仲間、声を揃えて叫んで笑え、我、詠唱す」
ビリゥヴァを宙に舞わせて中からソゥヲバーリュを強制的に排出する。
そして私が唱えるのは禁断の詠唱。
これは世界に干渉するものではなく人間に干渉するモノ。
光が走り、ソゥヲバーリュを貫いた。




