擬人化2匹目、続!
動物+美少女=最強
…何で知らない女子小学生が、俺の布団にくるまってんだよ。
さっき見えたけど…うん、やっぱり羽が生えてるよな、こいつ。
昨日のことがあって、もうなんとなく察せるな…
「キュート、この家に勝手に人を入れるな。」
「人じゃないよ?かわいい鳥さんをお布団で寝かせてあげただけだよ?」
一応質問したが、お察しの通りだな。
…でも現に今は人なんだが。
…いや、羽毛が生えてる人はいないか。
「ご主人…」
俺とキュートの二人で話していると、若干怒り気味の声で喋った。
無視されぎみで、ちょっと怒ってるのか?
てか、何でご主人?
「悪かった。ところで君は誰?」
「僕は雀のスズ…ご主人…」
…やっぱり鳥だったのか。
…もう慣れたから、別に驚かない。
スズはキュートと逆で、静かな大人しい子らしい。
この子の背丈は、女子小学生3、4年位。
雀だから小さいのか?
こいつもすごくかわいい。
キュートは美少女って感じだったが、こいつはかわいらしい 、という言葉がよく似合う。
俺がロリコンだったら大喜びしてたはずだ。
ロリコンじゃないけど。うん。
例に漏れず、何故か服は着ている。
「スズ、君はどこから来た?あと、何で俺がご主人なんだ?」
「僕はずっとこの家のベランダに住んでご主人を見てた…猫ばっかり構っててずるい…僕も入れて…」
なぜご主人なのか、という質問はスルーされた。
「いや、でも…ねぇ…」
トコトコ…ぎゅっ
「だ…め…なの…?」
今にも泣きそうな雰囲気で、服の裾を引っ張ってきた。
泣き落としは本当に止めてくれ。
罪悪感で死んでしまう。
「わかったわかった!スズもここに住んでいいから、泣かないで?」
「本当…?」
「本当本当!」
「…ありがとう!」
足に抱きついてきた。
今日一番の笑顔だ。
…やっぱりかわいいな。
…でも3人も住んだら食費が死ぬな…
さすがに一人暮らしの高校生は金が無い。
まあ、こんなこと考えながらも、実際嬉しいのかもしれない。
1人よりも2人、2人よりも3人の方がいいか。
金もどうにかなるだろ。
「じゃ~おにぃ、一緒に遊んぼ~☆」
「だめ…ご主人は僕と一緒に寝るの…」
「ん~、じゃあキュートも一緒に寝よ~☆」
「その前に、風呂に入って飯を食べるぞ。」
「おにぃ~お風呂一緒に入ろ~☆」
「僕も…」
「だめだ。キュートとスズは一緒に入れ。」
「何で?前一緒に入ったのに?」
「あの時はおまえ猫だっただろ。人は大切な人にしか裸を見せたりはしないの。」
「でもおにぃなら…キャーっ☆」
「僕も…平気…」
「いいから入れっ!」
キュートは顔を赤らめてくねくねしてるし、スズも微妙に顔が赤面している。
…若干これからの生活が不安になったが、楽しく過ごせればいいかな。
自分の周りの動物が擬人化しようが、もう気にしない。
俺はこいつらを責任もって、守らなければならない。
そんなことを思いつつ、3人(一人と一匹と一羽)の物語が始まった。