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9つの扉  作者: 三日月 帆立


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3/3

7、8の扉

:7の扉:

 扉をくぐるとそこは、また交差点だった。横断歩道があり、所謂スクランブル交差点と呼ばれる大きなものである。会社に通勤する時に通る街並みによく似ていた。特段何か進んでいるわけでもなさそうなので、信号が青に変わったら出勤と同じ道を通る。


 いつものカフェの横を通り、よくお昼を食べるラーメン屋を横切る。会社に着いた。何の変哲もないオフィスビル。中に入ると社員証のチェック改札がある。通勤鞄から社員証を取り出し、機械に近づけた。

 ピピッと音が鳴り、改札が開く。次に乗るエレベーターは指定されていて先で光っている。54階に着くと自動でドアが開く。このエレベーターはこの階にしか止まらず、静かに扉が閉まった。自分のデスクでPCを起動しいつものように仕事を始めるとこで、きがつく。ここはそもそも白い部屋から飛ばされた場所であると、しかし今回は手掛かりが何もない。時計は10時を回ったところだ…


 とりあえずは提示まで仕事をしてみる。お昼は今回は食べずに仕事をし、19時を回った。そろそろ帰るかと引き出しを開けた時、紫色の球体が入っていた。そういえばいつもは机から書類を出すのに今日は出してない。

「もしかして最初からあった……?」

 球体を取り上げると再び視界が暗転した。そして白い部屋が視界に戻ってくる。仕事をした8時間無駄ではないか…そもそも時間は進んでいるのかという不安さえ覚える。9番目の扉に紫色の球体は怪しく光りこの不安をより強調させた。


:8の扉:

 次の扉は路地裏に出てきた。例によって、後ろの入ってきた扉ない。

「にゃーん」

 鳴き声のする方を見すと黒猫が一匹こちらを見ている。目が合うと、まるでついて来いと言わんばかりに歩き始めた。僕もついていく。路地裏をいくつも曲がって、見えなくなるたびに黒猫は声を上げた。


 そう言えば昔瀕死の猫を助けてあげたことあったっけ……病院へ連れて行って、看病して。子猫が生まれて……結局どうなったんだっけ? 中学の時の古い記憶だ。

 ついに行き止まりにたどり着く。しかし黒猫は居ない。

「にゃーん」


 後ろから声がする。そこには母猫と、生まれた5匹の子供の成猫の扉:

 扉をくぐるとそこは、また交差点だった。横断歩道があり、所謂スクランブル交差点と呼ばれる大きなものである。会社に通勤する時に通る街並みによく似ていた。特段何か進んでいるわけでもなさそうなので、信号が青に変わったら出勤と同じ道を通る。


 いつものカフェの横を通り、よくお昼を食べるラーメン屋を横切る。会社に着いた。何の変哲もないオフィスビル。中に入ると社員証のチェック改札がある。通勤鞄から社員証を取り出し、機械に近づけた。

 ピピッと音が鳴り、改札が開く。次に乗るエレベーターは指定されていて先で光っている。54階に着くと自動でドアが開く。このエレベーターはこの階にしか止まらず、静かに扉が閉まった。自分のデスクでPCを起動しいつものように仕事を始めるとこで、きがつく。ここはそもそも白い部屋から飛ばされた場所であると、しかし今回は手掛かりが何もない。時計は10時を回ったところだ…


 とりあえずは提示まで仕事をしてみる。お昼は今回は食べずに仕事をし、19時を回った。そろそろ帰るかと引き出しを開けた時、紫色の球体が入っていた。そういえばいつもは机から書類を出すのに今日は出してない。

「もしかして最初からあった……?」

 球体を取り上げると再び視界が暗転した。そして白い部屋が視界に戻ってくる。仕事をした8時間無駄ではないか…そもそも時間は進んでいるのかという不安さえ覚える。9番目の扉に紫色の球体は怪しく光りこの不安をより強調させた。


:8の扉:

 次の扉は路地裏に出てきた。例によって、後ろの入ってきた扉ない。

「にゃーん」

 鳴き声のする方を見すと黒猫が一匹こちらを見ている。目が合うと、まるでついて来いと言わんばかりに歩き始めた。僕もついていく。路地裏をいくつも曲がって、見えなくなるたびに黒猫は声を上げた。


 そう言えば昔瀕死の猫を助けてあげたことあったっけ……病院へ連れて行って、看病して。子猫が生まれて……結局どうなったんだっけ? 中学の時の古い記憶だ。

 ついに行き止まりにたどり着く。しかし黒猫は居ない。

「にゃーん」


 後ろから声がする。そこには母猫と、生まれた5匹の子供の成猫がいた。まるでその時のお礼かのように、こちらを見ている。何年ぶりだろうか、誰かに感謝されたのは……いじめられ、定時制の高校に通い、仕事の成果物も同僚に取られる生活。そんな生活へ希望を見出した。


 猫たちのところへ歩くと彼らは次第にぼやけて行き、いた場所には黒い球体だけが残っていた。それに触れると視界は暗転し、次の瞬間また白い部屋にいた。なんだかわからないがまた心の穴が一つ塞がった気がする。


 ついに9つの穴が埋まりガチャリと重々しい音を立てて、扉の鍵が開いたと思われる。やっと出られるのか……やっと? ここに何時間いたんだ? そういった疑問を考えながらドアノブを握った瞬間、体がふわっとした感覚に襲われる。扉の足元に穴が開き、落下していることに気が付いたがすでに抵抗の術はなかった。

 風を切りながら落ちてゆく、徐々に地面が近づき、見える速度も速くなる。グシャッという音と共に道路へ落下する。意識はあるものの、指の一本も動かない。が、向こう側から車が迫ってくる。最後の光景は、その車のタイヤであった。




……ハッと目が覚める。時計は朝の4時44分を指している。

「ゆめ、なのか?」

 しかし心の穴は今も塞がっていると思うし勇気も出た、今日職場に行ったら上司にちゃんと横取りの事を話そう。そう思えたのは、今までの自分とは違うということだろう。

 前を向いて歩く。今自分が出来る最善の事だ。

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