中学生2
中学3年の夏、すっかり大人ぶった私は部屋でクシャクシャの紙切れを見つける。
その頃の私は、小学生の頃に雑誌のお姉さんからしか摂取出来なかったおっぱい要素を自給自足できるようになっているはずもなく、成長期の真っ只中と言い張る少しだけ膨らみを帯びてきた「おっ」くらいの自分の胸にやきもきしていた。
周りに彼氏が出来て発情期が発情期らしくし、それに伴って発育もしてくるもんだから気にならない訳はなかった。
私も彼氏が出来れば、自分の中のおっさんを満足させることが出来たり………いや、そんな理由で彼氏なんて要らねぇよな。なんて悩める思春期の真っ只中であったことは認めよう。
そんな時に見つけた紙切れ。
むしろ、お前よく生きていたな。
そう。それはかの仇敵カイザー皇帝出来杉団長くんの電話番号であった。
▼▼▼▼▼▼
それは本当に何の気なしに手に取って、宅配便の不在受け取りをするかのように自然に電話をかけていた。
コール音が鳴る。
そうすると自分の行動に疑問を呈して若干のパニックに陥る。
えっ、なんであたし電話してんの?
てか、何用?今更?何話すの?
えっ、てかなんで電話してんの????
コール音が1回鳴るその間にそんな事を5億回頭の中でかけ巡らされた。
もうこれは私のゴーストが囁くのとか言っとけば許されますか????
てか、切るか。でも、不在着信みてかかってくる方が気まずい。間違い電話でしたでいいですか???
次のコール音が鳴る間に、そんな考えが地球を7周半出来るくらいの速さでかけ巡る。
そして
ガチャ
「はい、団長です」
「ごっ$&¥ふ#き♪☆<∀ぜ§※ん」
まさかの本人登場。気まずい。
もういっその事殺してくれー!!!!
そんな事を思っていると、
「もしかして、白花さん?」
硬直。完全なフリーズ。
率直。なんで分かった教えてプリーズ。
私は思考停止のこの状況。
お前は始皇帝でも無し得ぬ快挙。
一心不乱に言葉で攻めたい。
一矢報えずこの場で死にたい。
私の中でラッパーの心が目覚める中で彼は続ける。
「もしかして、違いました?どちら様ですか?」
「あ、いえ、白hnどすぅ………」
ネイティブな京都弁が出ちゃった☆てへっ
「声がなんかそんな感じがしてー。あははー合っててよかった〜久しぶりだね。」
声!?ワッツボイス!?
おま、そんな声でわかるか?
いや、そりゃ光栄ではあるか?
凄いなユーのヒアリングスキル?
届いたミーのヒアーウィーゴーすぎる!
私の中のラッパーは絶好調!
それに比べてお口は絶不調!
「そ、そそそそうだね。げげぇじぇJunky?」
非行に走ってるのか確認しちゃったよ、あははー
「うん、元気だよー白花さんは公立の立花中学に行ったんだっけ?」
よくご存知ですね!?!?
こちとら話した記憶はないが!?
「そ、そうだよ。よく覚えてるね。そっちは開城だっけ?」
平静を装って私の中の平成のラッパーがケツメイシするのを押さえつけるぜメーン?
「うん。葵さんが教えてくれたからねー。今、開城で高校もそのままかなー?」
oh......sit
マイフレンズは良い奴だろ?
敵へ塩をまくなんてそれこそジャンキーだぜぇ。
「高校も開城なんだー凄いなぁ。」
「対策すれば白花さんでも入れると思うけどね〜割と普通だよ。」
その発想はなかったでござる!?
そうか高校から入るという選択肢が……
「何なら一緒に勉強する?あははっ。あ、てか、用事は?」
こいつも敵に塩をまく系のやつだったかー!
というか、そうだよな。あたしもそもそもなんで電話したのか教えて欲しいよ………
「いや〜別に何となく懐かしくなって?せっかくだから勉強教えてもらおうかな?」
なんか塩まかれて、塩らしい対応しちゃったじゃん!塩分過剰摂取!!塩分皇帝のアホ!バカ!シオ!それはソルト、えっ勉強教えてとか宣った?マイマウスはフルオートで喋る機能搭載してた?
「そうだねー懐かしいね〜いいよ。じゃあいつにしよっか?」
そうして私は中学3年の夏から彼と勉強をする仲となったのだった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
もしよければ、評価欄に★★★★★、いいねで、応援していただけると励みになります!
ブクマもしてもらえると泣いて喜びます!!