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団白虚録  作者: やんだやん
中学生
6/28

中学生1

この夏、彼の影響とは認めたくないが私は勉強が習慣となり、英語も少しずつ身につけていった。


秋も早々に席替えがあり、5年生では彼と席が近くなることも無く、話す機会も減った。

私としては、勉強も分かるようになってきてテストの点も上がって来たので、割とそちらに集中するようになった。


茜や葵とは相変わらず仲良しで、2人は今でも彼の一挙手一投足で盛り上がりを見せているが、これはアイドルをみるようなものなんだな〜というのを後になって思い至った。

女子のそういう表面的な部分というのはよく分からんが、まぁ2人が同じ推しで盛り上がっていたということか。


私の成績はどんどん上がっていき、学校のテストではそこそこ上位に名を連ねるようになってきた。

密かに続けている英語の勉強も分かることが増えると楽しくなっていった。ただ、テストもなく使う機会もないので、英検?のようなものでも受けてみたらどうかと親に勧められるくらいになった。


ただ、中学受験があるので今はそっちに集中しようということで、英語の勉強はしばらくお休みをした。


そうして、中学受験を機にカイザー皇帝出来杉くんとは別の学校になってしまった。



▼▼▼▼▼▼



私は開城中学を受験しなかった。

いや、別に彼と同じ学校に行きたかったわけじゃないからね?


塾というものや受験対策というものがあまり分かっていなかったのだ。小学校でやる分にはそこそこの成績をおさめていた私でも、それは井の中の蛙というやつで、開城中学の過去問に対しては、手も足も出なかったのだ。

こんな問題……あっ確かに……そうすれば解けるのか。いや、こんなこと誰が気が付くんだ?


そんな事の連続で散々な思いをしたのが1月。

そこからの巻き返しは不可能であった。

だから、私は車に轢かれてひしゃげたカエルになるのを避けるべく別の中学を受験した。


公立の中ではそこそこ頭のいい学校ではあったので納得のいく結果だったし、茜や葵も同じ中学に行けることになった。

葵は塾にいっていたので分かるけれども、茜はいつ勉強していたんだ………もしかして天才?やればできる子YDK?


そんなこんなで中学生になった私達は相も変わらず仲良く過ごしていた。

この頃になると流石に他校であるカイザー皇帝くんの話題が出ることは無かった。


天才の集まる中学ともなると、やはり彼とはいえその中では凡夫の一団に混じってしまったのだろう。そう思っていたし、他校の情報なんてそもそも入ることはあまり無かった。


部活でちょいちょい他校の人は来たけれど、公立は公立との交流が多く、近いだけで天上の存在である私立開城中学なんて全く無縁と言っても差支えはなかった。



▼▼▼▼▼▼



そうして私達の中学時代が過ぎていく。

一応、クラスの中で不登校や不良がいたり、女子は化粧で先生に怒られたり、なんてありきたりな日常を過ごしていた。


茜もオシャレ全開になるかと思いきや、そうはならなかった。

いや、オシャレには気を遣っていたのだけれども、一時期は左手が疼く病気にかかってしまったり、



「パルスのウルがセスでウルスしている。そろそろ頃合か………」



と言ってくるので、



「あぁそろそろだな。風向きが変わったか」



なんて付き合ってじゃれたりしていた。

そうこうしている傍らで、葵には彼氏が出来ていた。サッカー部の青山くんだ。



「やだ、あたし結婚したら青山葵で真っ青だわ………照」



と顔を真っ赤にしていってくるものだから、



「それがお前のブルーハーツだよ。情熱の真っ赤なバラを咲かすんだよ!」



とか言ってみたりしていた。



葵は知らなかったけれども、茜もひっそりと彼氏が出来ていた。学校ではほとんど絡みはなかったが、何をどうしたのか陸上部のエース赤井くんと付き合っていた。



「葵が真っ青なら、あたしは血のような真紅だね。ククク」



久しぶりに茜の中の城之内くんが疼いているらしい。大丈夫だ。お前には心のメタル化を施してあるから、どんなバンデットハンターが現れても返り討ちだ。

そう思いながら、



「案ずるな。時は満ちた」



とか言ってみたりしていた。

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