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団白虚録  作者: やんだやん
高校生
28/28

高3 終

センターの解答速報をソワソワしながら確認したことも、2次試験の会場内で迷子になって、構内を走り回った事も遠い過去に思えてしまう。

合格発表を迎えないままの卒業式が何だか形式的で、現実感が無かったことも今では虚ろな思い出となりかねない。


私はそう思えるほど、たった数日前の事も遠くに思えるほど、緊張が切れ、開放感に満ちた表情で駅へ向かう。まるで別世界に来たみたいだと思った。


2次試験の合格発表後、みんなで遊ぶ約束をしたのだ。同じく国立の発表待ちだった桃も交えてみんなでみんなの合格を祝うのだ。

私達は全員揃って大学進学を決めた。



翠ちゃんと紅葉が同じ大学の薬学部と文学部で、創始者がお札になるほどの名門に合格していた。


桜は勉強もスポーツも強く、アイドルなんかも入学することのある名門大学だ。

桃と私も無事に同じ名門国立大学へ受かった。

ちなみに、ダメ皇帝も同じ大学らしい。



期待と不安に胸を踊らせながら、みんなそれぞれの道を歩み出した。会おうと思えば会えるとは思うけど、それでも私の日常から皆が離れてしまう事、私の知らない皆の日常が訪れる事、ずっと一緒にいたからそれが少し寂しい。

だからこそ、今日は目一杯遊ぶぞと晴れやかな顔をしていた。



しかし、そんな晴れやかな顔にもすぐに曇りがかかった。曇りどころか、台風とハリケーンと氷と春一番と季節風が顔を出したとさえ感じた。



「あれ、白花さん。どっか出かけるの?」



私の心の雨男ダメ皇帝とたまたま駅前で遭遇した。何だこの偶然。そりゃ最寄り駅は同じですが、こんな晴れやかな時に会わなくても。

そう思いながら、頭の中では作戦を練る。

たたかう?にげる?あいてむ?

私は頭の中で、いのちをだいじに!!!!

と、思いながら、口がガンガンいこうぜしてしまう。



「あ、ダメ皇帝。みんなと遊ぶの。暇なら来る?」



ガンガンいきすぎでしょー!!!!!!!

と、心の中で白花も黒花も揃ってツッコミを入れる。頭と肩に、後ろから前から総ツッコミをいれる。そのまま俺じゃなきゃ見逃しちゃう手刀で気絶させてくれ…………


しかし、現実には気絶することも無く、目の前のカイザーレイニーブルーダメ皇帝は特に迷う様子もなく快諾をした。

どうやら塾に直接合格発表をしてきた帰りなんだとかで、暇らしい。


暇してんじゃねぇよ、もっと色んなところに合格発表しとけよ!

某掲示板でふぉぉぉぉーーーーーワイ氏合格うぅぅぅぅぅぅぅーーーー!!!とか、騒ぎ立てとけよ!


と、心の黒花が壊れかけのレディオを喚き立てた所で私達は一緒に電車に乗るのであった。



▼▼▼▼▼▼



TO みんな

本文

ダメ皇帝と偶然遭遇してしまい、流れで一緒に遊ぶことになりました。何故かは私にも分かりません。


From 翠ちゃん

本文

夫婦漫才楽しみです。


From 紅葉

本文

私というものがありながら…!!!( ; ; )

でも、貴女が幸せなら私はいいの…!!!


From 桃

本文

あらあら婚約者同伴かしらね♡


From 桜

本文

来ちゃぁぁぁぁぁあああうひょぉぉぉぉおおおおおお生団白ご馳走様ですぅぅぅぅぅううううううううう!!!!!!!この次見る時は、結婚式ぃぃぃぃぃいいいいい



なんか一人凄いのがいる。

まぁいつもの事かと、渇いた笑みを引き攣りながらケータイから目を逸らした。ついでに現実からも目を逸らそうとイヤホンを片耳につける。

シャッフル再生されていたiPodでは、ごはんをおかずにする感じのアルバムが流れてきて、おかずって変な意味じゃないから嫌いにならないでねと言い訳をしてくる。



「あ、その曲いいよね」



いいんですか?いいんですか?と、現実が私を音の波からすくい上げた。よくありませんんんん!!!!!!!

と、現実に抗うも、自分の好きな曲を良いと言われれば誰しも嬉しいわけで、おいどんも人間なわけで、富良野は寒いわけで、お前が好きなわけではないけど、いいですよね!いいですよね!と、心の中で同意しつつ、口はいつものようにオートツンデレ機能を発動した。



「いいよね。最近ハマってる。」



と、いつものクールな白花さんが無事登場してくれた。ナイス塩対応!ナイス口数の少なさ!!

浮かれてなんか無いんだからね!!

そうしてツンデレという鉄仮面を被ることに成功した。



「もしかしたら、翠さん達の大学にいるかもね」


「マッジ!?!?!?」



しかし、次の一言でしなびた保湿パックのようにヘナヘナに鉄仮面は剥がれていくのであった。鉄って柔らかいんですね?


そんな感じでチラホラと会話をしながら、みんなとの集合場所へ向かうのであった。


そうしてファミレスで乾杯し、ゲーセンをブラブラし、今日こそホームランをと翠ちゃんがバッセンへ行き、ボーリングして帰るといういつも通りな感じで遊んだ。


そう。あえていつも通り遊んだ。

この5人では勉強会ばかりだったが、ストレス発散と言わんばかりにちょくちょく遊んで帰ったものだ。それも今回で最後になる。


その思い出全部を思い出すように。今この時間を噛み締めるように。これからもこの時間を思い出せるように。私はみんなと笑って過ごした。


私の高校生活はみんなが居たから楽しかったよ。

そう告げるように精一杯の感謝を込めて笑った。


最後まで読んでいただきありがとうございます!

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