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団白虚録  作者: やんだやん
高校生
17/28

高1 夏休み3

夏休みもあと数日という所で私達は最後の追い込みをかけていた。夏休みが明けると直ぐに実力テストがあるのだ。

と言っても、この夏は各々取りこぼしていた前期の内容を補填し、更に先へ進むように勉強していたので、あまり追い込みでやることは多くない。


誰かさんを見習って、暗記物だけでも最後に詰め直そうと2人に提案し、それを実行するということで歴史のおさらいをしている。


紅葉の助言を聴きながら、分かりにくい歴史の時代背景やその時の風習などのバックグラウンドを繋ぎ合わせて、問題を解くようにしていた。

その時の時代の文化、文明、権力図などは、歴史という科目においては意外と大きな要素となる。


そう言った要素があるだけで、丸暗記に頼らず、時代背景的にこれは違うという絞込みも出来たりするのである。

ただし、私や翠ちゃんは紅葉ほどの歴史オタクでは無いので、本当に浅い部分の理解とはなるが、それでも十分だった。



朝から歴史漬けな女3人は揃ってお腹を鳴らし、お昼休憩をとる頃合い。頼んだメニューが来るのをソワソワしながら待っていたが、唐突に翠ちゃんがぶっ込む。



「普段、団長くんの事、ダメ子って呼んでるの?」


「ブホォォォォ」



なんか鼻と口から液体が出た。


殷の紂王でももうちょっと優しいと思いますよお姉様???封神演義読んで??

酒池肉林とかしたけど、全部妲己ちゃんのせいだしね?おっぱいおっきいから仕方ないよね?

妾のテンプテーションで全部忘れなさ〜い?

って、きかないですよね。はい。えっ、私の体ではダメって?うるさいわ!



と、動揺をこれでもかと心と体で表現したため、2人とも和やかに笑っているが、私一人だけそんな場合ではなかった。パニックにパニックを重ねて、



「だから、あれは違くて!そして、呼んでもない!!!」



こういうのは否定すればするほど怪しいとも言うけれども、必死に否定する以外に私には何も思いつかない………っ!!!助けて太公望!!

封神演義の太公望だと逆に突き抜けそうだな!!クソ!


脳内太公望が太極図で相合傘を書き出した辺りから、私の味方は四不象だけッスよ、ご主人。と結論づけて、何か諦めのようなものを感じながら、ニヤニヤ顔の翠ちゃんへと目を向ける。



「ふーん、じゃあ、何?何が違うのかお姉さん聞きたいな〜?」



これはじゃれてるフリしているけれども、割かしマジの目だ。気になった事をとことん追求する時の目をしている。マッドサイエンティスト的な申公豹的なヤバい目をしている。

こういう時の翠ちゃんには、誰も逆らえない。仕方なく私は両手を上げて降参した。



「話すけど、誰にも言わないで欲しいな……」


「良かろう!」「はーい!」



もちろんと言わんばかりに紅葉も便乗する。

ほんとうに美味しいところをパクつくのがお上手で。


まぁこの2人は信用できるしいいかな。



▼▼▼▼▼▼



「団長くんは、冗談なのか本気なのか皇帝になるって昔から言ってるの」


当然のように2人の頭にハテナがついた。

そりゃそうですよね。私もわからん。

けれども事実だ。

そう無駄に胸を張っていると、



「皇帝は現在では天皇しかいないから、つまり天皇になるか、自分で帝国作るしかないね〜」



と、マジなツッコミを紅葉が入れる。



「天皇ってどうやってなるんだ?世襲だから、婿入りとかそういう事か?もしや、そもそも隠れた血筋か?」



こっちも大真面目に考えていて、真面目に話している私まで恥ずかしくなってきた。



「うん、だから冗談だとは思うんだ。けど、初めて聞いたのが小5の時で、それをこないだも言ってたから………」


「まぁ団長くんがそう言っているとして、そこからどうやったらダメ子になったの?」



話をまとめながら、翠お姉さんが優しく要点を聞いてくれる。恥ずかしいからまとめないで欲しいし、優しくされるのも逆に辛いし、結局心臓握りつぶしに来てるんだよなと、胸をキューンとさせて私は人生初めての胸キュンを勘違いするのであった。



「こないだ返事こなかったり、来たと思ったら役立ずで、ダメなやつ!ダメ皇帝だ!って心の中で罵倒してて、それをツイ……言っちゃって、止めたんだけど………」


「それでダメ子か!あっはっはー!なるほど」



翠ちゃんが満足気に豪快に笑う。



「いや、名前と何の繋がりもないから、気になっちゃって、ずっと考えてたんだよね!あっはっはーうけるー」


「翠ちゃんの目がマジだったから、これは言ってあげないとまだ悩むなと思って………ね……あははーはずっ」



私が恥ずかしさで火照った顔を扇いでいると、隣にいた紅葉が頭を撫でてきた。



「こんな恥ずかしいお話、よく出来ましたーえらいえらいーかわいいー恥ずかしかったねーこれは恥ずかしいー」



と、1人でホクホクと私を見て和んでいた。


慰めているのか、乏しめているのか、可愛がってるのか、いや割と乏しめているくない?

恥ずかしいを強調しないで!!恥ずかしいから!と、尚更、恥ずかしさで顔が赤くなっていた。



「それでダメ子くんは、数学教えてくれるって?」



頭を撫でながら、紅葉が聞いてきた。

そういえば、まだ紅葉には言ってなかったな。



「うん、あのダメ皇帝、今ハワイにいるらしくて、学校始まってからならいいよって」



私が吹っ切れて堂々と悪態をつく。

もう知らん。これは慰謝料倍請求だ!!

マカダミアナッツダースで持ってこーい!!!

と、1×2が12になる計算をしている私とは裏腹に、2人のニヤニヤ度合いが上がっていく。

もう私は知らん!!!全部あの寝坊助モンキーダメ皇帝のせいだ!!!



そんな感じで和やかに昼食を済まし、夏休み最後の追い込みをかけるのであった。


最後まで読んでいただきありがとうございます!

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