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都会の廃墟のスラムにて

作者: 雨城蝶尾

そこに踏みこんだのは久しぶり


いつだっただろうか


それは覚えていない



もうすでに廃墟と化した街


白い塀で囲まれた一本の道路


ちらほらと人がいる


今日の寒さに対して普通とは思えない格好


寒い日が続いてもこのまま


助けを待ち続ける人々


その荷物はすでに


土で汚れていた


その服は


汚物でまみれていた



どこかに死臭と腐敗臭がただよって


風にまきこまれて飛んでいった


どこかに土ぼこりがただよって


風にまきこまれて消えた



無邪気な子供の声が聞こえる


なにも知らずに


あの白い塀がなにかも知らずに


すり切れた服の子供がすぐ横を走る


寒さにも負けずに



大都市の面影はもうない


建物すらもない


あるのは道を囲う白い塀だけ


寝床である段ボールだけ


そして人だけ



もうつかない街灯


もう蘇らない街並み


もう生き返らない死人


あの転がっているモノは死体かもしれない


もう人間ではないかもしれない



あのころを思い出す


ずっと昔


いつだったか


ここにいた自分を

今朝の夢の内容です。

とんだ悪夢です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 遺作なだけあってなんか死にそう。
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