32 左の道を選べばこうなるぜ
「お前さあ、カーネリア大陸に鉄道が敷かれてるって話は聞いたこと無い?」
「カーネリア大陸に鉄道であるか? フム、それは初耳であるな。何処に敷かれておるのじゃ?」
背負いの魔王からの返答は想定内。
まあ魔石機関車の存在を知らないとくればそう答えるのは当然だ。
「イセリアからスーカントのサラトナまで海岸を沿うようにだな。この道をずっと東に進むとユスアって町に着くからそこから乗れるんだ」
「フム、それに乗って移動してもよいのであるか!?」
「そこはギルド公認の特例だからな」
「そうであるか。しかしながらトロッコで国境を越えるとなるとどれだけの月日を要するのか想像がつかぬのう」
「あはははー、魔石機関車はトロッコじゃないよー」
俺の背中で勝手に魔石機関車の姿かたちを作り上げているスカーレットに向かってルシオンが話し掛けてきた。
そういえば俺がまだ幼い頃、ルシオンと一緒に何度か乗った記憶がある。
荷物が少ない時は機関車でコバルクまで行き来していたんだ。
それにしてもこいつ、自分で飛んだ方がよっぽど速いのに機関車に乗る度にはしゃいでたっけな。
「アゼルネアで俺んちに泊まっただろ? 魔石機関車はあれくらいの部屋が何十も連なって走るんだよ」
「なんとっ! それはまことであるか!? ムムム、やはりカーネリアの技術には目を見張るものがあるのう。それにしても魔石機関車と言うからには魔石を動力としておるのじゃろう? 幾ら滑車が付いていようと魔石がそれだけの動力を生み出すとなると相当希少な魔石が必要になるのではないか?」
俺は漠然と列車の規模を示唆しただけに過ぎない。
だがしかし、未だその姿を目にしていないにも関わらずスカーレットは想像の域で的確な疑問を湧かせる。
腕力、魔力、それ以上にこの優れた洞察力こそが魔王と呼ばれるに相応しい能力なのだろう。
やけにノリが軽いけど根っこの辺りはやっぱり魔王なんだよな。
俺はこの先この旅路でスカーレットの奥妙なる知性を存分に享受する気がする。
ならば俺はできる範囲で彼女の疑問に答える義務がある気がする。
いや、義務と言ったら大げさだけど、それでも俺達が対等な立場である為に俺が今すべきことである気がする。
多分、何となくそんな気がする。
ふと使命に近い感情が湧き上がった気がするので簡潔ではあるが魔石機関の解説をすることにした。
「それじゃあ手っ取り早く説明するけど、レア魔石なんか必要無いんだわ。理由は今から教えるから少しだけ待ってくれ」
そう言いながら俺は安物のナイフを手に取り地面を円形に掘った。
ガリガリガリガリ――
程なくして街道脇の地面に小さな窪みが出来上がった。
「よし、これくらいでいいだろ」
俺の広げた手のひらがすっぽりと納まるくらいの浅い穴を5人でしゃがみ込んで囲うように見つめる。
「あとはこの穴にこれを入れるんだ」
俺は道具袋に手を入れると4人が一斉に目を向けてきた。
「大した物じゃないからそんなに見つめるなよ……」
取り出したるは水の魔石と火の魔石。
どちらも小さくて商品価値の低いクズ魔石である。
「はあ? そんなので列車が走る訳無いでしょ!?」
「そりゃこれだけじゃ走らねえよ。いいからよく聞け、ここからが大事なんだ」
いきり立つセシルを黙らせると俺は袋から更に魔石を取り出した。
「いいか? 魔石ってのは上手に組み合わせると効果が飛躍的に上がるんだよ」
「ほう、それは興味深い話よのう。何かしら策があると見ておったがやはりであったか」
取り出した魔石を地面に転がしながら大まかな説明を入れるとそれにスカーレットが食い付いてきた。
「外側が珪質化した魔石は表面の保護層を破壊して初めて効果が現れるのは知ってるよな?」
「当たり前じゃわい」
「そう、当たり前だな。でもその当たり前の一歩先をルーンキャストで日夜研究されていてな、魔石の混合比率に時間差配合、それに詠唱魔法も掛け合わせたり魔方陣の中で発動させたりと、とにかく条件をつけまくって効果の違いを事細かに調べているんだ」
喋りながら安物の水の魔石と火の魔石を窪みに乱雑に放り込む。
数にして30個程。
かなり適当に取り出した2種類の魔石はおおよそ1対1に近い気がするがこの際比率はどうでもいい。
「この状態で割っても大した事は起こらないのは想像つくよな?」
俺はその場でスッと立ち上がりスカーレットに問い掛けた。
「そうじゃのう、虚無魔法でも起こさぬ限り効果が相殺されるのは目に見えておるわ」
「分かってるみたいだな。だからここに風の魔石を……」
水の魔石と火の魔石が盛られたその真ん中にちょこんと1つだけ風の魔石を置いて人差し指でグッと押し込む。
「ほう、それだけで状況が変わるのであるか?」
「もう1つ条件があるけど劇的に変わるんだ。それで頼みがあるんだけど、かまいたちみたいな風魔法でこの盛ってある魔石を一気に包み込めない?」
「あっ、あたしできるよ!」
魔石の山を挟んで向かいに立っていたセシルがスカーレットより先に答えた。
その口調と目の輝きが然も得意ですと言わんばかりの圧を放ちまくってくる。
「おっ、おう、それならお願いするけど魔石の効果を確かめるのが目的だからあんまり強い魔法出すなよ?」
「んもー、あたしに任せなさいって!」
何故こいつの自信に溢れた言葉はこうも俺を不安にさせるのだろう……。
何とも言えない神妙な面持ちで俺はこの場から少し離れた。
俺に倣って4人がついてくる。
「これだけ離れてりゃいいだろ。セシル、頼むわ」
「分かったわ、それじゃあ行くわよ」
セシルは自信ありげな顔でマジックワンドを両手で縦に持つとボソボソと詠唱を始めた。
またしても聞いたことが無い詠唱。
俺が魔術に疎いってのもあるけど、それでも似たような系統の詠唱すら今までに聞いた記憶が無い。
待てコラ、今度はどんな変な魔法だよ……。
やはり不安は的中しそうである。
…
思ったより短い詠唱が終わるとワンドの先にぽわんと黄緑色のリングが浮かんでいた。
上手くできたのだろう、セシルが満足そうな笑みを浮かべている。
そしてニヤリといたずらっぽい笑みを俺に向けるとワンドを軽く振って叫んだ。
「拷問魔法、円環疾風!!」
「また物騒なやつか!」
セシルからほどよく投じられた魔法は魔石の手前で地面に……、お?
消えたぞ?
ああ、地面で反射しないタイプか……。
必死に理解を追い付かせようとしている目の前で突如置いた魔石を囲うように地面から風が吹きあがった。
巻き込まれた草や小石が螺旋を描いて勢いよく空へと舞い上がる、というか吹き飛ぶ。
いやいやセシルさんや、ちょいと威力強すぎませんかねコレ……。
チラリとセシルに目を向けると今度は目を細めてニンマリと御満悦な顔を返してきた。
満足いく魔法が撃てたのは間違いなさそうである。
「いちいち成功したからってこっち見んなよ。それより今、拷問魔法って言っただろ」
「そうよ。あれに触れたら皮膚とかボロボロになっちゃうから」
「こえーよ!」
「バカねぇ、怖くなかったら拷問魔法にならないでしょ? そんなことよりほら、よく見てなさいよ」
セシルは持っていたワンドを口でくわえると噴き上がる突風に身体を向け、大きく広げた右手をかざした。
そして足を軽く開き、左手で右手首を掴んで体勢を安定させると大気を掴むようにじわりじわりと少しずつ指先を曲げていく。
すると目前で発動している拷問魔法の円が呼応するようにゆっくりと小さくなっていった。
囲まれたら最後、何処にも逃げる場所は無い。
触れた瞬間皮膚を切り刻む風魔法がだんだんと迫り寄って来る。
そして最後は……。
確かに昨日の下半身だけ石化する魔法といいコレといい、拷問という名に恥じない効果なのは間違い無い。
とはいえ何処の世界で習得できるのか知らんが覚える意味があるのかと問われれば正直ビミョーな気もしないこともない。
そんな個人的な感想を挟んでいる間に拷問魔法は魔石の山のすぐ傍まで詰め寄って来ていた。
「このまま一気に魔石に当てちゃっていいのよね?」
「ああ、程よい塩梅で頼むわ」
セシルが顔だけこちらに向けて最終確認を入れる。
それを見て俺は頷きながら答えると彼女も小さく頷いて視線を前に戻した。
セシルは見えない何かを鷲掴みにしているような右手をぎゅっと握る。
同時に空中に描かれていた螺旋がキュッと絞り込まれた。
ドンッ!!
突然爆発したような熱気が俺に襲い掛かった。
これはヤバい!
半身で構えながら迫り寄る衝撃波に備えていても吹き飛ばされそうな威力だ。
ボンッ!!!
第2波だとっ!?
覚悟を決めたその時、眼前に人影が入り込んできたと思うとその影は俺を囲うように翼を広げて盾と化していた。
「大丈夫かクーリエ!」
「あ、はい。サム様から頂いた指輪の効果で熱系の魔法は無効化されますので……」
「……そういえばそうだったな」
何事も無くケロッとしているクーリエの返事を理解するのに一瞬の間を要したが無事一安心ということで頭をなでなで。
それに呼応してゆらゆらと揺れる漆黒の翼。
深紅の瞳を見つめると頬を染めながら斜めに俯く恥じらいの仕草が実に可愛い。
「ぅおっほん!」
何処からともなくわざとらしい咳払いが響いた。
それを聞いて無言で硬直するクーリエ。
なんてタチの悪い上司なのだろう。
俺は首を捻ってパワハラ魔王を睨みつけた。
「何じゃその目は」
「貴様の度重なる悪行の顛末だ」
「あまりにも酷い言い掛かりじゃのう……。それより今の爆発は何であるか?」
そうだった。
こいつに爆発の理屈を説明しないといけないんだったわ。
「んー、1から説明するより肌で感じた方が分かりやすいかもな。おまえ魔法抵抗力絶対高いよな?」
「カッカッカ、妾に生半可な魔法は一切通じないわい」
「だよな。ほいじゃコレ」
俺はスカーレットに水の魔石と火の魔石を1つずつ手渡した。
「それをくっつけて同時に割ってみてよ」
「ウム、お安い御用なのじゃ」
スカーレットは両の手で魔石を1つずつ摘まんで額の高さまで持ち上げると2つをくっつけて同時に割る。
すると途端に魔石は真っ白な砂となり、彼女の手をすり抜けて流れ落ちた。
「水と火は完全じゃないけど相反関係にあるからこうなるわな」
「じゃな」
「それじゃあ次、少しだけ魔石を離して割ってみてよ」
「ウム、分かったのじゃ」
どう見ても実験台なのに楽しそうな魔王と呑気にそれを眺めている側近。
既に信頼関係が構築されているから俺としては何とも思わないけどこれって傍から見れば一大事、だよなぁ……。
うーん、何となくこの関係性のままでいいのか不安が生じるが……。
もし何処かで問題が生じたらその時考えるとしてそれ以前にアレだ、スカーレット自体が優秀というか万能なんだよなこれが。
正直、能天気で食い意地ばかり張ってるセシルやルシオンなんかよりも長きにわたる知己としてかけがえのない存在になるのかもしれない。
「あーん、にーさんが酷いこと考えてるよぉ……」
「そうなの? 立ってるだけで貶されるなんてアンタもつくづく惨めねぇ」
「うーん、気のせいかもしれないけどしーちゃんのことも悪く言ってる気がするんだけどなぁ……」
「はぁ!? 何であたしまで巻き込まれなきゃいけないのよ!」
「そんなの知らないよぉ」
何だろ、よく分からないけど脇の方から猛烈な殺気を感じるのだが……。
「ほれサムや、これくらい離せばいいかの?」
「あ、ああ、大丈夫だ」
意識が殺気立つ方向に逸れていたが俺の名前が呼ばれて咄嗟に我に返る。
取り敢えず危険な方向へポーションを後ろ手で投げ込むと既にスカーレットの鼻先で2つの魔石が僅かにくっつかない位置で待機していた。
ほわーん。
突然視界が温かい蒸気で遮られた。
よく見えないが魔石の効果で間違い無いだろう。
「今の違いは分かるか?」
「触れておれば相殺、離れておれば個別で効果が発生した後で互いの力が干渉しあうのじゃな?」
「そういうこと。順を追って説明するとだな……」
「フムフム」
腕を組みながら俺の話に魔王が頷く。
やけに楽しそうなのはさておき、理解が早くて実に助かる。
「さっき積んだ魔石の山に風魔法が掛かるとまずは同属性の風の魔石がいちばんに反応して割れるんだ」
「ほう、それは初耳じゃのう」
「でー、風の魔石で吹き飛ばされた水の魔石と火の魔石が一斉に割れるんだけど、魔石が発する魔力領域が重なると」
「威力も二重三重と重なって爆発に至るのじゃな?」
「何だ、分かってるのかよ」
「今起きた事象を見れば分かるのじゃ!」
何故か知らんがビシッと伸ばした人差し指を突き付けてきやがるクソ魔王様。
「ふざけんなよ見て分かるのかよ!!」
「はい。スカーレット様の千里眼は一瞬の出来事も見逃さないものでして……」
高圧的態度に威圧で返すという高等テクを繰り出すと横に立っていたクーリエから助言が飛んできた。
どうやら硬直が解けていたようだ。
「……まあ、理解できたんなら良しとしよう。後は魔石機関車が水蒸気爆発のエネルギーで走るとだけ知っていれば十分だな。俺も今の爆発がどうやって推進力に換わるかまでは知らないし」
「何じゃ知らぬのか。詰めの甘い男よのう、がっかりじゃわい」
「うっせーわ! 俺が説明できるのは魔石の効率化までだから知りたきゃ勝手に調べろよ。それより明るいうちにさっさと行くぞ」
「ねえねえサムぅ、まだコレ残ってるんだけど」
東に向かって3歩進んだらダークエルフに呼び止められた。
オイ大丈夫か?
俺は死ぬまでにガレオンに到着できるのか?
先を見据えた不安が脳裏をよぎるが無視するとうるさいから声の主に目を向ける。
ワンドの先には黄緑色のリング。
「オッマエさっきそれ発動させただろが! なんでまた唱えてるんだよ!」
「はあ!? アンタこそ何言ってんのよ。これはさっきの余りに決まってるでしょ!」
「……ちょっと待て、余りって何だよ」
一体こいつは何を言っているんだ?
さっぱり意味が分からん。
「使い切らなきゃ余るじゃない?」
「そらそうだ」
「だったら余りじゃないのよ!」
セシルは次第に苛立ちを募らせていくと、埒が明かないといった感じでワンドをピュッと振った。
先端の魔法が放たれて地面に触れると同時に風の柱が立ち上がる。
しかしワンドの先には黄緑色のリングが残っていた。
「マジで残るのな……」
「だから言ったじゃない」
「ダークエルフ界隈の珍現象なんて知らねえよ。それよりそんな物騒な魔法はさっさと捨ててきなさい」
「は? 使い切らないと消える訳無いでしょ」
「……」
イカンイカン、落ち着け俺。
だったら最初からそんなめんどくせえ魔法唱えるなと怒鳴りたくなる気持ちを押し込んで、それなら何かに使えないかと考えてみたり。
……んー、狩りにでも使えねえかな。
「のう、セシルよ」
「ん? どしたのまおー」
「見た所レア魔法そうじゃからのう、処分に困っておるなら妾に掛けてみるのじゃ」
「いいわよ。湯加減はどうするの?」
「アッツアツで頼むのじゃ」
湯加減って何だよ……。
いや、最早何も言うまい。
好きにさせておこう。
「いくわよー」
ドゴォォォォォ――
あのぉ、がっつり地面抉れてるんスけど……。
気の抜けた掛け声で発動される拷問魔法がスカーレットを取り囲んだ。。
その中身は上級魔法の更に上に分類されてもおかしくない威力に見受けられる。
「何時でも来るがよい」
スカーレットは両手を腰に当て仁王立ちのポーズで合図を送ると、その言葉にセシルがかざした右手は一気に握り締められた。
刹那、魔王の身体は天を貫く屈強な風の刃に覆われる。
大丈夫。
絶対大丈夫。
間違い無く大丈夫。
何故ならクーリエが心配する素振りすら見せないから。
とはいえ眼前で展開される殺意を纏った魔法に恐怖心がゾワゾワと警鐘を鳴らす。
正直なところ、奇襲でいきなりこんな魔法を撃たれたら俺は一歩も動けないだろう。
「おほぉ~、身体がほぐれて心地よいのじゃ」
「マジで?」
「ウム、お主では瞬く間に肉片に変わり果てるかもしれぬがのう」
「早く言えや!」
のほほんとしたスカーレットの感想に一瞬思考がバグったが俺の直感は正しかった。
近づく、ダメ、ゼッタイ。
…
危なっかしくて近寄れないので今夜の野営地でもぼんやり考えてながら待つこと数十秒。
めんどくさいからこのまま置き去りにしようかと思っていたが残念、効果が切れてきたようだ。
スカーレットに襲い掛かる、じゃなくて魔王様の肩凝りをほぐす拷問魔法の威力が徐々に弱まると竜巻のような風の柱の中から被験者がニュッと姿を現した。
見た感じ本人はもとより衣装すらもダメージを受けていないがどうせこいつに一般常識なんて通用する訳が無いのでそこは触れないでおくとしよう。
「ねえねえどんな感じだった?」
「見た通り殺傷能力は高そうじゃな。内側は風切り音が唸って凄まじい圧迫感なのじゃ。さすがは拷問魔法と名乗るだけのことはあるのう」
「それ知って意味あるのかよ……。それよりお前、まだ少し魔法残ってないか?」
「うん、もしかしたら狩りに使えるかもしれないからちょっとだけ残しといたの」
「……そっか」
なんてこった、セシルと思考が被りやがった。
不思議なくらい悲しい気持ちが込み上げてくるぞ……。
「まあいいや、もう少し行けばイセリア湖があるからそこまで進もうぜ」
「それは構わぬがサムよ、時に何故お主はこちらの道を選んだのであるか?」
まだ何かあるのかよ!
と思ったがスカーレットの雰囲気が微妙に険しい。
クーリエの翼も若干開き気味に静止している。
俺はその空気に戸惑いながら彼女の問いに答えた。
「あ、ああ、以前はコバルクまでさっきの十字路をずっと南に進むのが冒険者の証を貰う為の最短ルートだったのよ」
「だったのじゃな?」
「そうだな。まだ割と最近の話だけど、イセリアからコバルクまでほぼ一本道だから盗賊に狙われやすいってことでユスアからなら魔石機関車を使っても違反にはならないとギルドからお達しが出たんだわ」
「ほう、ならば当然今のメインルートは」
「そりゃこの道だな……。まさかっ!?」
ザクッ!
ハッと顔を上げ周囲をぐるりと見渡した瞬間、スカーレットと俺の間の地面に1本の弓矢が刺さった。




