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あけよんのプチユーモアエピ

バスでの出来事

作者: あけよん

私の住んでいる地域では、バスを利用する人はそんなに多くない。

なので乗客が自分一人だけという状況はザラだ。


その日もバスに乗った時は、乗客は誰もいなかった。私は一番奥の右側の席に座った。

因みにバスに乗る時は、いつも後ろの方へ行く。特に理由はない。何となくだ。


しばらく乗客は私一人だったのだが、いくつ目かのバス停で一人、女子高生が乗ってきた。その女子高生は、私よりいくつか前の左側の席に着いた。


そしてまたバスは走りだす。次のバス停で今度はサラリーマン風の男性が乗ってきた。その男性は女子高生より数席前に着いた。


その後は乗客は無く、静かな車内のままバスは進む。


少ししてからサラリーマン風の男性は鞄から携帯電話とイヤホンを取り出した。そして耳にイヤホンを装着し、携帯電話に接続した。音楽でも聞くのだろうか。


男性の携帯電話はイヤホンと本体のスピーカー両方から音が出る設定になっていた。

つまり、イヤホンで一人で聞いているつもりが周りに音が全て筒抜けの状態になっていたのだ。


そしてスピーカーから聞こえてきたのは音楽ではなかった。

男のロマンの音。つまりはあからさまなエロ動画の音だった。


乗客三人のバス内に響く卑猥な音。


その男性は何かの拍子で一度イヤホンを耳から抜いて入れなおそうとした。その瞬間気付いた。携帯本体のスピーカーからも音が流れていた事を。

男性はすぐに親指連打で動画を止め、次止まりますのボタンを押し、止まったバス停で足早に降りて行った。


そしてまた、静かな車内に戻った。


私は何気なく、いくつか前に座っている女子高生を見た。その女子高生は何事もなかったかの様に大人しく座っていた。

ただ、耳は真っ赤だった。



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