★~壁~大いに語る
お越しいただいてありがとうございます。
さくっと流す感じで楽しんでもらえると大変うれしいです。
現在、23:55。日付が変更しようかという時刻に私はとある場所にいた。
自室だ。
大層な出だしですまない。はっきり言って出落ちを狙ってみたものの特に落ちらしい落ちに着地することもままならず、このまま寝落ちか?と思われたときに不意にそれは訪れた。
「よぉ~はじめましてだな。」
低く間延びした声が突如聞こえると私はあたりを見回した。(きょろきょろ。。。はて誰やろな?)
「おぉい。こっちだ。そうそこだ、その壁だ。」
言われたとおりに向き、そしてなお混乱する。目の前には壁。そうただの壁?に話しかけられてるという珍妙な状況は容易に飲み込めずただただ、あっ、、、どうもはじめましてーという定型文を発することで精一杯だ。
「やっと気づいてくれたか。おぉご丁寧にどうもです。といっても嬢ちゃんにとってははじめましてかもしれんが俺はずっと前から知っとったで、ある程度くだけた話し方でもかまわんかな?」
(何それ怖い。はっきり言って壁がしゃべるだけでも奇々怪々な状況なのにフランクに話してくるって、私どーなっちゃうのー?!)・・・はい。大丈夫ですよ。
「そうか、そならよかったわ。嬢ちゃん、俺のことどー思う?」
(ふぁ?なんだそのチャラい学生みたいなノリは!つか、どー思うって、、、)とっとっても、硬いです。。。
「あー。。。んー。。。とりあえずありがとう。でもな意図がちゃうねん。聞き方が悪かったわ。俺ら壁のこと、どー思てる?普段認識しとる?って聞きたかったんやわ。」
(下手なエロ本みたいなセリフで返してしまったあたりだいぶパニックになっている。耳まで真っ赤であっちっち。ミスリードにもほどがある、私は断じて悪くない。)えーっと、、、認識ですか?はっきりいうと日常生活に置いて特別意識したことはないですね。
「そ、、、そうか。直に存在感ないって言われると結構くるもんがあるな。最近は結構有名になってきたと思たんやけどな。。。」
(存在感のある壁ってどんなんよ。そんなんに四面楚歌されたときにゃ居づらいだろうよ。)有名になってきたってどういうことですか?ベルリンの壁とかならとてつもなく有名ですが、それ以外に有名な壁ってありましたっけ?
「あーベルリンさんね。確かにあの壁は有名やわ、でも悪目立ちしすぎたわなーせやから壊された。出る壁は壊されるっちゅーことやな。有名な壁といえば知っとるやろ?ここ最近流行りだした胸キュンのやつやんー。若いし絶対知っとる。」
(語呂の悪い慣用句だな!!しかも、自分で立ちました。キリッ!みたいな感じでアピールしてくるし、あれ建てたのも壊したのも人間だぞ!・・・多分。)えーっと、なんでしょうか?最近流行ったやつですよね?うーん?それに壁で胸キュンって?
「えぇー若いのにしっかりやで?答え教えるわ。正解は”壁ドン”や。あーれはすごい。ときめきがすごい。一躍、壁の地位を押し上げよったで。俺ら壁社会に相当なクラックがはしったもんなー」
(壁、主人公じゃねぇ!背景だ。存在感薄いのは変わってねぇ!壁社会ってなんだそりゃ!クラックはしったんなら補修しろ!・・・やばい突込み過ぎてイクゾウ節になってる。)か、、、壁ドンって壁が主役なんですかねー?
「そりゃ、壁ドンいうぐらいやねんからスポットライトは壁に当てとるやろ?一発目に男が壁にドーンってするからそりゃ壁が主役よ。いやー壁ドン最高やわーそう思わへん?」
(なぜだろうか無性に腹が立ってきた。よくいる勘違いさんだわこの壁。あー壁ドンしたい。むしろ壁突き破りたい。でもそんなことしたら手が痛い。)私も今壁ドンしたい気持ちでいっぱいですよーやっちゃってもいいですか?
「いやいやいやーやめて欲しいわー。恥ずかしいし、それにな。こんなとこで壁ドンの無駄遣いとかあかんでな。ほら、乱発すると価値が薄れるっちゅうーか。おんなじネタされると飽きてくるやろ?」
(あぁ、知り合いに関取がいればこの壁に向かって突っ張りしてもらうのに。。。関取派遣とかないかな。)と、ところで。なんで急に話しかけてきたんですか?今まで無視やったのに。
「あぁ、それな。実はな最近、俺も壁としてのランクが上がってな-。照れるから言うの恥ずかしいけど昇進したわけやわ。そんで話せるようになってん。」
(なんじゃその壁ランクって。。。付喪神みたいなあれかいな?)そ、それはおめでとうございます。良かったですね。
「そやー今までは見たり、聞いたり、考えたりだけやったからやっとアウトプットできるわーあ、一応言うとくで?プライベートな情報についてはお口硬いから安心しーや。そりゃ、プライベートルームでしてること見られてる思ったら居心地悪なるかもしれんけど、気にせんといて欲しいわー。大丈夫やて、いい年して趣味がコスプ」
(ぎゃぁーー何を言ってるんだこの壁は。知らん。断じて知らんぞーそんなこと。誰の情報と間違えているのやらー)・・・ぶっ壊す。
「えっ!?い、いや、ごめんて、大丈夫やて、俺ここから動かれへんし嬢ちゃんしか話せへんやん。外部流失はないってー、せやからごめんて。堪忍してやー。せっかく昇進したのに壊されるんはかなんわー」
(・・・お母さんに言って部屋変えてもらお、去年結婚した兄貴の部屋が空いてるからそこと交換してもらお。)そろそろ寝たいんですがいいですか?明日も用事があるもので・・・
「あらま?そうなん?いやーまだまだ話し足りへんのやけど、この後今後の壁についても話したいし、ほら、壁ドンかて徐々に忘れられていくから次に来る壁を何か探さなあかんからなんかアドバイスとかもらいたいなー思ってってやなー。個人的には・・・」
現在 1:30
さすがに眠いし、寝坊して明日のイベントに遅れるわけにはいかない。そして正直この壁うっとうしい。黙らせる方法がないかと考えていると前に職場の田中さんにもらった効くと言われている御札を思い出した。効くかどうかなんて半信半疑だが、とりあえず貼っとくかと思い探し出す。
そういや、田中さんどーしたかなー。去年に仕事やめてから会っていない。いや、会いたいかといわれればどちらかというと遠慮したい方なのだが、やめるときに水晶がね。呼んでるの。次の満月までに行かなきゃ行けないの!とか意味わからんこといって上司とけんか別れしてたから心配。。。
おっ、あったあった-。3枚1セットの謎の文字が書かれた御札を一枚取り出す。なんと貼り付け易いように両面テープ付き!ぺりぺりっと剥がしてうるさい壁まで持っていく
「それでな、次来るのはな一周回って“壁に耳あり。庄司にメアリー”やと思うねん。ネタの斬新さとかはないけど、基本がしっかりしてて、しっかり面白い。ここがやっぱり一発で受けるやつらとはちゃうと思うねんなー。ん?嬢ちゃん、それは、、、えっ!?もしかして貼っちゃう系?」
YES!慈悲はなしー。ここ一番の100万ドルのスマイルを見せて思いっきり御札を叩き付けた。ぎゃって声が聞こえたかもしれないが私の平手が壁にぱちんっと大きく音がなったので気のせい気のせい。でも手が痛い。
静けさを取り戻した自室に満足し、ベットに横たわる。後で坊さんを派遣してもらわないと。明日はイベントだ。
お休みー
~FIN~
読んでいただきありがとうございました。
補足というかなんというか
完全にノリで書きました、すいません!!
っはぁーすっきりしたー。