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34話。洛陽の泥の中で⑩

文章修正の可能性有り

「へっ。袁紹(クソガキ)め。漸く兵士の陰に隠れやがったか」


袁紹の配下が懸念している通り、何進が袁紹に対して攻撃を行わないのには理由が有る。


まぁ理由と言っても、そもそも何進にはここで袁紹を殺す気は無いと言うだけの話なので、ある意味では理由は無いと言えるかもしれないが……その辺は受け取る側の価値観次第と言ったところだろうか。


ここで何進が袁紹を殺さない理由は簡単で、自身の道連れとして袁家を確実に滅ぼす為であった。


細かいことを言うならば、もしもここで何進が袁紹を殺した場合袁家にとって最良の結果が訪れる可能性が有るので、何進は袁紹を生かして帰す必要が有ると判断していたのだ。


どちらにせよ自分は袁紹の兵に殺されるだろうから生存は不可能と割り切っている。なので袁紹を殺した場合は何進と袁紹の相討ちと言う形になるのかも知れないが、その場合は間違いなく袁隗は袁家としての責任を全て袁紹に押し付けると同時に、大将軍府にもその責任を追及してこようとするだろう。


名目としては「今回の件は大将軍と近衛の行き違いにあった」だとか「袁紹は確かに袁家の人間だが、その地位は禁軍を預かる光禄勲である李儒が管理すべきものである」と言った感じにして有耶無耶にしようとするはず。


場合によっては袁隗も自分の命を捨てるくらいはするかも知れないが、その程度だ。


結果として汝南袁家は生き残ることになるだろう。いや、それどころか、袁逢が袁術を後継者として定めることに異を唱える者が居なくなるので、場合によってはその権限は強化される可能性まである。


だから何進は袁紹は殺さない。彼にはこのまま無傷で生きて帰ってもらい、袁隗が何かを言う前に声高らかに「自分が張譲や何進を討ち取った!」と喧伝してもらいたい。


それが有って初めて生き残った李厳から報告を受けた李儒が、袁家を滅ぼす為に動くことが可能になるのだから。


まぁそこまで阿呆なら最高なのだが、実際は「張譲が何進を殺したので報復を行った」程度の話にするのだろうと思われる。しかし重要なのは袁紹による宮中への乱入なので、それはそれで構わない。と言うか、この後は李儒らに「上手くやれ」と言ってぶん投げる予定なので、考えるだけ無駄だと割り切っている。


自身の命を使い十常侍と袁家を道連れにすると言うこの策は、袁家や宦官連中にしてみたら「下賤の者が思い上がるな!」と激昂を上げるであろう。しかしこうして張譲の足を奪い袁紹が安全な場所に避難した時点で、この策は半ば以上成功したと言っても良い。


「よっしゃ。んじゃ苗。そろそろ逝くぞ」


「「ぎゃーー!」」


そう言って何進は残ってた投擲用(調理用)の鉈を投げまくり、脇に置いていた戟を手に取れば


「おうよ!」


「「ぐわぁぁぁ!!」」


何進から策を聞いたものの最後まで良く分かっていなかった何苗も、何進の言葉を聞いて残る投擲用の鉈を全て投げ捨てて、牛刀を改良した偃月刀を構える。


「さぁかかってこいや雑魚共!この大将軍様の首を取るのはどいつだっ!」


何進の名乗りと共に振られた戟がぶぅん!と言う音を出して唸りを上げる。


間合いに入ったら間違いなく死ぬ。そう感じさせる佇まいを見て袁紹に誘われた者たちは「何処が贅肉塗れの中年だ!」と非難の声を上げようとしたが、何進はそんな兵士共の躊躇を見逃さず敵に突っ込んでいく。


とは言えそれは正面の袁紹が居る方向ではない。万が一にも袁紹を殺さないように、同時に袁紹の誘いに乗った連中やその一族が「袁紹が無傷なのに何故己の息子は死んだのか?」だの「袁紹に誘われたせいで自分の子が死んだ」と思われるようにすることを考え、何進は袁紹には一切の傷を付けずにこの場の戦いを終わらせる予定であった。



―――



ズガンッ!と言う音がしたと思ったら数人の兵士が弾け飛ばされていた。

ブオンッ!と言う音が鳴り響いたと思ったら、数人の胴体が切り裂かれていた。

ゴスッ!と言う鈍い音が聞こえたと思ったら、頭を潰された兵が倒れていた。


「オラオラオラオラオラオラぁ!」


「「「ひぃぃぃぃぃ!!」」」


それは正しく縦横無尽。何進の突進に巻き込まれた兵士たちは、まるで嵐に巻き込まれたかのように吹き飛ばされ、切り裂かれて、叩き潰されていく。


ただ彼らも大人しく殺されたわけでは無い、何人かは戟の間合いに入り、何進の腹に剣を突き立てる事に成功した者も居た。


「よ、よしっ!あの者に続け!!」


「「「おぉ!」」」


袁紹が兵士の陰に隠れながら指示を出し、半ばやけになった兵士も勢いをつけて突撃を敢行する。しかし現実は「言うは易し行うは難し」と言ったところだろうか。


「ハッ!甘ぇ!」


兵士らは右手で戟を振るう何進に対して左から近付こうとするものの、何進は腰を軸にして戟を回し遠心力を利用した薙ぎ払って周囲の敵を弾き飛ばす。また、その攻撃を身を低くして避け接近してきた者に対しては、装備した手甲でゴガンッ!だのドガンッ!と言う音を立てて殴り倒すことでその命を奪っていく。


「なんだと?!」

「直接斬ったはずだっ!」

「……えぇい!肉屋の小倅は化物かっ!」


間違いなく腹に剣が刺さっているにも関わらず、全く勢いが衰えない何進を見て袁紹らが悲鳴を上げる。彼も一応の武術は修めているし、家中でも指折りの実力が有ると言われて調子に乗っていたと言うのもあった。


……結局のところ袁紹の武とは、平均30だの40の中で60有るだけに過ぎなかった。さらに周囲が遠慮して持ち上げていたことも理解していなかったし、黄巾の乱に参加していない彼は本当の死兵を見るのもこれが初めてである。


今まで(袁家)の脛を囓って生きてきて、趣味で武を鍛えた程度の袁紹である。彼の威勢は戦場で本物の武人と向き合えば、すぐに剥がれてしまう鍍金(メッキ)でしかない。


今回も「この数の前には何進がいくら抵抗しても無駄だ」と言う思いがあった為に余裕を持っていられたのだが、ここで死兵と化した何進の武と向き合ってしまったことで、彼個人は名家のお坊ちゃんでしかないと言うことが露呈してしまう。


結果として初めて間近に感じる戦の臭いに余裕を無くした袁紹は、何進が自分を超える武の持ち主で有ると言うことを理解して、万が一を考えて兵士の陰から出ようとはしない。


そんな袁紹には、自身は安全な場所に隠れて兵士たちに「死ね」と言う声を上げている自分が、周囲の人間からどう見えるか?と言うことを考える余裕すら無かった。



―――



(へっ!李儒(あの腹黒)の言う通りだな!)


何進は自分の腹に刺さっている剣を抜き、周りにいる兵士に投げつける。


「は?ぐわっ!」

「へ?ぎゃっ!」


まさか何進が己を刺した武器を投げてくるなど想像もして居なかった兵士は、呆けた顔をして命を失い、その隣に居た兵士もまた動きを止めたところで、頭を潰されて殺される。


「おのれぃ!どうなっているっ!」


その様子を見て袁紹が声を上げるが、無理も無いだろう。遠く離れた袁紹は叫ぶだけで済んでいるが、何進と向き合っている兵士は不死身の化物を相手にしているような気持になり、完全に腰が引けてしまっている。


当然のことながら何進は不死身などではない。これは常々何進に「暗殺に気を付けろ」と言っていた李儒が何進に与えた策だ。


……策と言っても至極単純なことなのだが。



~~~



『そもそも閣下はずんぐりむっくりしているので、腹が狙われやすいんですよね』


『ずんぐりむっくりってお前ぇ……まぁいいけどよ』


それが大将軍(上司)に言うことか?と思いながらも、コイツは無意味なことは言わないと理解している何進は彼の次の言葉を待つ。あまりにもあっさりとありのままの事実を言われて否定できなかったとも言う。


『ですので腹に詰め物をしましょうか』


『あぁん?まぁその理屈はわからんでもねぇが、流石に不自然だろ?』


言いたいことは分かる。「腹を狙われるなら腹に防具を装備すれば良い」と言うことだろう。単純だからこそ効果的と言っても良いかもしれない。ただ、何進は現状でさえ腹が出ているのだ。これ以上何かを入れてしまえば流石に不自然過ぎるだろうし動きも阻害されてしまう。


『え?痩せれば良いじゃ無いですか?』


『……そうだな』


そんな何進の言葉は「痩せれば良いぢゃない」と言う、至極真っ当な意見によって捻じ伏せられた。


『元々閣下には自衛のための武術が必要だと思っていましたから丁度良いですね。その無駄な腹の肉を徹底的に絞りましょうか』


『……ソウダナ』


無駄って……何進としても言いたいことはあるのだが、この件に関しては李儒が言っていることが全面的に正しいし、自分の命を守る為の献策なので大将軍と言えど文句も言えず微妙な顔をするしかない。


そんな何進に対して李儒は黒い笑顔を浮かべていたと言う。


それから数年。李儒が洛陽に居なかった時は配下が鍛錬に付き合っていたが、その際も彼は腹から詰め物を取ることは無かったので、何進の腹には見た目ほどの肉が無いと言うことを知る者は、本人の他には李儒しか居ないと言う状況であった。


とは言えその減量は、ずんぐりむっくりの腹がシックスパックになる程のものではない。それなりの減量に成功した程度だ。しかしそれでも詰め物を入れる隙間は生まれたし、無駄な贅肉が無くなったことで腰痛も和らいだ。これにより普段の生活は随分と楽になったのは何進も自覚している。


その上で多少痩せたことを誤魔化す為に普段はゆとりのある服を着こんでいたし、手足の甲の間にも詰め物を入れることで出来るだけ不自然さを見せないようにしていた。


まぁ一言で言ってしまえば、45を過ぎてから配下によって強制的に武術を仕込まれた(ダイエットさせられた)と言うだけの話である。


~~~



そんなわけで彼らが刺したのは鎧や腹に仕込んでいた詰め物でしかないので、当然何進にダメージは無い。


実際に剣を刺して、その手応えに不自然さを感じた者も居るが、彼らは声を上げる前に殺されているので、遠くにいる袁紹らはもとより近くにいる兵士にもその事はわからなかったし、刺さった部分から血が流れないことに関して訝しむ者も居たが、そう言った連中は「鎧の下では血を流しているのだろう」と考えていた。


彼らにとって大将軍の何進はずんぐりむっくりしているのが常識であり、服の下では細マッチョ……とまでは行かないが、無駄な脂肪を減らした健康体になっているとは予想もつかないことだろう。


この辺も常識の穴を突いた李儒の作戦勝ちと言えるかもしれない。


それはさておき。


戦闘は人数だけで決まる物では無い。参加者の士気がモノを言うことは多々ある。その士気を保つために兵士が必要だと言う意見も有るが、今は置いておこう。


今の問題は、袁紹が用意した兵士たちが何進の気に呑まれていると言うことだ。彼らは斬っても刺しても勢いの衰えない何進に対して恐れを抱きつつあり、さらに負傷して呻く雇い主の安全を考えれば「このままここで戦うのは危険なのではないか?」と言う考えまで浮かんでいる。


こうして一度逃げる理由を見つけてしまえば人間とは脆いものだ。袁紹がいくら声を上げても何進に近づく兵士は減っていき、息を整えたい何進も休憩がてら突撃を休止して兵士たちと睨み合うと言う膠着状態が生まれつつあった。


しかし現状で相手を呑み込みつつある何進は、鍛錬の際に散々李儒から叩きのめされたこともあって自分の武力を過信していない(大将軍冗談)


まぁ元々歳が歳だし、武術だって付け焼刃に近いものでしかない。自分の体力の限界も理解している。李儒からも『閣下が一人で殺せるのは、賊なら良くて200人。兵士なら100人、精鋭なら30人が良いところでしょう。故に油断慢心してはいけません』と言う、ありがたい評価も貰っているのだ。


しかし、なんだかんだで張譲の分も合わせれば既に何進一人で100人は殺しているので、李儒の予想を覆したと思っている何進は「ざまぁみろ!」と言う気にはなってるが、目の前にいるおよそ500人の敵兵全てを倒せると思い上がってはいない。(禁軍も自分の敵だとカウントしている)


さらに言えば、これに後詰が加わるので最終的に敵の数は1000人を超えると言うことも分かっている。だからこそ何進はここで精一杯暴れて袁紹の仲間(雑兵以外の連中)を殺そうとしているのだ。


ここに居る連中さえ殺せれば良いと云う覚悟を持って命を燃やす何進と、その命懸けの戦ぶりに恐れを抱いている兵士たち。腰が引けている連中の攻撃では詰め物をした何進の防御を突破するのは難しいし、何より勢いが違う。


(今のうちに出来るだけ数を稼ぐか)


息を整え終えた何進は、そう思って敵が集まって居るところに突撃しようと周囲を見渡たす。すると視界の端に人だかりが見えた。それは護衛連中が雇い主を守ると言った感じではなく、一人の敵によってたかって群がるような感じで……


「く…ったれが。あ、兄貴……す…ねぇ……」


その場所に誰が居たかを思い出した何進の耳に、弟の謝罪の言葉が届く。


「車騎将軍何苗!蒋奇が討ち取ったぁ!」


「お、おぉ!良くやったぞ!」


「「「「う、うぉぉぉぉ!」」」」


反対側で暴れていた何苗は、何進よりも若く勢いは有ったがしっかりとした武術を嗜んでいたわけでは無い。勢いと力任せで荒くれ者の戦い方をして戦っていたのだが、10数人を殺したところで兵士に纏わり着かれ力尽きてしまった。


……何苗が兵士に群がられていく様子を見て、何進は怒りを表すどころか苦笑いをしていた。


「へっ。別にお前ぇが謝ることなんかねぇだろうによぉ」


全身に傷を負い、多数の人間に群がられ、まともに声を上げることも出来なかったはずの何苗が最期に口にした言葉は、敵や何進に対する恨み言ではなく、謝罪の言葉であった。


……一体彼は何に謝罪したのだろうか?


今まで何進がやっていることを理解出来ずに、まともに手伝うことが出来なかったことだろうか?

李儒や荀攸に嫉妬して臍を曲げたことだろうか?

何進を信じることが出来ずに対立して張譲を庇おうとしたことだろうか?


……それとも最後の最後で何進を一人残して死んだことだろうか?


今となっては何苗の気持ちは分からない。しかし三人で話し合った際に何苗の気持ちを理解した何進にしてみれば、彼に対して自分の出世に巻き込んでしまったと言う気持ちは有っても、彼を恨む気持ちも無ければ先に死んだことに対して文句を言う気も無かった。


まぁ泉下で会うことがあったら「この馬鹿野郎が」と小突くつもりでは有るが、それも特に意味が有る叱責ではない。ただ兄としてなんとなく弟を小突くだけだ。


「よし!残るは何進だけだ!囲んで殺せ!首を取れば殺せる筈だ!奴を殺した者には恩賞は思いのままだぞ!」


「「「おぉ!!」」」


「はっ。雑魚どもが」


この期に及んで兵に隠れて()()()()()!等と声を上げる袁紹に対して蔑みの目を向ける何進だが、先述したように彼には袁紹を殺す気はない。


「あぁ~ぁ。向こうに逝く前にやることが増えちまったなぁ」


故に相手は向かってくる雑兵である。だが今の何進はその雑兵にこそ用があった。


「死ねやっ!」


「「「う、うわぁぁぁ!!」」」


何苗を失って呆然としていた(ように見えた)何進が、いきなり向きを変え勢いをつけて何苗を殺した兵士たちへと突撃を行った。そう、何進の用とは、何苗の仇討ちである。


自分も大量の人間を殺しているがそれはそれ。雑兵ごときに自分の弟を殺された何進は怒りに任せて彼らを殺そうとしていた。


斬る「うぎゃーー!」

突く「グボッ!」

薙ぐ「血、血ぃ!」

叩く「いでぇよぉ!」


どれが何苗の仇である蒋奇なのか分からないので、何進は何苗が戦っていた場所にいた兵士を手当たり次第に殺していく。


「オラオラオラオラオラオラオラオラぁ!」


「こ、殺せ!早くそいつを殺せぇ!!!」


数十人を殺して戟の刃や柄に血が付着して使いづらくなったら、投げ捨てて兵士が持っている武器を拾っては投げたり斬ったりを繰り返し、それも無くなったら殴って殺し、腕が上がらなくなったら踏みつけて殺していった。


………


それから数十分後。何進が動きを止めたとき部屋の中には150人を超える死体と100人を超える重傷者が居たと言う。


そして袁紹の取り巻きの名家の人間たちも数多く失われたり重傷を負っていたが、彼らを今回の乱に(いざな)った袁紹は無傷であったと言う。


「よ、ようやく死んだか!フンっ!下賤の者が手こずらせおって!……皆の者、よくやった!これで漢は正しい統治者によって正しく再興するのだ!」


「「「「…………」」」」


そこには何進の死体を踏みつけながら、声高らかに己の行いを正当化しようとする袁紹と、それを苦々しげに見る兵士たちが居た。


―――



中平6年(西暦189年)9月。大将軍何進、嘉徳殿にて死す。享年46歳。


後世の歴史家たちは「これによって漢の再興の芽は潰え、戦国乱世の幕が開けた」と口を揃えて評価を下している。



―――




数日後、洛外。



「あれは……あぁ。そうか」


「む?何かおっしゃいましたか?」


「……いえ、なんでもありません。それより董閣下、今すぐ全軍を停止させ皆を下馬させてください」


「は?」


「ん?聞こえませんでしたか?」


「い、いいえ!失礼しました!全軍停止っ!そして騎乗している者は今すぐ下馬せよっ!」


いきなりわけのわからない命令が下された連中がざわつく中、李儒は洛陽方面から駆けてくる部隊に目を向ける。


「そうか……あのオヤジ、逝ったか」


そう呟く彼の目には隠しきれない怒気があったと言う。



――


第一章。洛陽の泥の中で。了。

第一章にあたる部分はこれにて終わりです。


禁軍は袁紹の命令に従っておりますので何進からしたら敵ですが、彼らからすれば何進は正規の手続きをして宮中にいますので、袁紹から「何進を捕えろ」と言う命令が出たら聞いていたかもしれませんが「何進を殺せ」と言う命令を受けても動く気はありません。


ですがまぁ、なんだかんだ言ってもエリートな兵士ですので、成りあがりな何進よりは名家の袁紹の方が気質が近いと言うのはあります。その為、分類するなら袁紹よりの中立と言ったところでしょうか。


――


補足説明


何進強すぎない?と言うご感想を頂きましたので補足です。


三國志演義と呼ばれる時代小説では一人で808人殺したり、数十万の大軍を一人で押し返したりした武人や、800人で十万を超える敵をボコボコにした将軍が居ます。


正史と呼ばれる正しい歴史資料とされるモノでも、三千人で十万の敵を蹴散らしたり、二万で30万の敵を滅ぼす将軍も居ます。


それに比べたら『近代武術を学んで完全武装した何進が命を捨ててなりふり構わず戦った場合、普段からまともに食事もできず、武器もなければ訓練も受けていない賊を200人。そこそこの訓練を受けただけの兵士なら100人。鍛えているけどまともな実戦経験がない上に命を惜しむ洛陽の精鋭 (笑)だったら30人殺せれば良いところ』と言うのは良心的な数字だと思っております。


まぁ『三國志演義はまともな時代小説じゃない!』と言うような方であれば、この数字も厳しいかも知れませんが、そのへんは読者様の感性の問題になりますね。

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