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最新バーベキュー事情 1

 みんなで集まっている時に、ふと、焼き肉の話題になった。

 レオ吉くんが肉の豆の調理法について、僕らに話してくれる。


「肉の豆はちょっとパサパサしているので、網焼きより鉄板焼きの方が良いかもしれませね。ボクはさらにバターなどを追加して、ひと工夫しています」


 その話を聞いて、ミサキがこんな事を言い出す。


「レオ吉くんの焼いた肉豆を食べてみたい! バーベキューをやりましょう!」


 ミサキの目はかなり真剣だ。口からはすでによだれが垂れ落ちそうになっている。



 ジミ子がちょっと嫌な顔をしながら言う。


「ちょっと屋外は虫がね…… この間はツカサのお姉さんから借りた、あのマシーンがあったから平気だったけど」


「虫を撃退するマシーンって、あの映画の『スター・ウォーフ』に出てくる『デット・スター』みたいなヤツだよね?」


 僕がそう言うと、レオ吉くんが補足(ほそく)してくれる。


「それは『バグ・バスター』ですね。うちの会社の商品の中では、かなり売れていますよ。最近はキャンプ場などで標準装備する施設が増えているそうですよ」


 それを聞いて、ミサキの表情が明るくなる。


「じゃあ、『バグ・バスター』が設置してあるバーベキュー場を選べば問題ないわね」



 キングがスマフォをイジりながら話す。


「じゃあ、場所をしらべてみるか。設置してある場所が、近くにあるといいんだが」


 ヤン太が何か意見があるようだ、思いついたように言う。


「あっ、ちょっと良いかな? この所、気温が異常に高いから、熱中症とか心配なんだけど」


「大丈夫よ。肉を食べて暑さを吹き飛ばせば平気だから」


 ミサキが何も考えずに、そんな答えを出す。ミサキはそれでも平気かもしれないが、僕らは違う。特に暑さに慣れていないレオ吉くんは心配だ。



 そんな話をしていると、キングがバーベキュー場を見つけ出したらしい。


「おっ、この前に使った、4つ先の駅のバーベキュー場が設置しているな。『バーベキュー用品完備、食材さえ持ってくれば、手ぶらで出来ます!』『バグバスター完備、虫対策もバッチリ!』『冷暖房完備、快適にバーベキューを楽しめます!』だってさ」


「『冷暖房完備』ってどういう事よ? あそこは確か公園の一角だったハズでしょう?」


 ジミ子が思わず突っ込んだ。施設によっては屋内でバーベキューが出来る場所もあるが、あの公園は草むらにテーブルがあるだけで、そういった施設は無かったはず。もしかして、新たに建物を建築したのだろうか?



 僕らが不思議がっていると、レオ吉くんが解説してくれる。


「うちの会社で、屋外型の冷暖房装置をいくつか扱っているので、もしかしたらそれを使っているのかもしれません。簡単な物だと、ビニールハウスのようなテントを作って、そこにエアコンを付けるような物ですね」


 僕が感心しながら言う。


「そんなのがあるんだ。それだと快適そうだね」


「そうですね。ビニールハウスの様な物なので、屋外でバーベキューをしている感じは、しなくなるかもしれませんが……」


 まあ、確かにこれだと、屋内でやっているのと変らないかもしれない。ただ、これなら快適だし、急な雨が降ったとしても大丈夫だろう。



 ヤン太がみんなに確認をする。


「このバーベキュー場で構わないよな? 日付は明日で大丈夫か?」


「うん」「いいぜ」「いいわよ」「いいですよ」


 みんなOKの返事をだすと、キングがスマフォで予約をしようとする。


「おっと、冷暖房装置付きは追加料金が3000円かかるな。こっちで大丈夫か?」


 すると、ジミ子が即座に答える。


「6人で割れば1人あたり500円だし、良いんじゃないの。この暑さだし、冷房完備の場所でやりましょうよ」


「じゃあ、冷暖房完備付きの施設を予約するぜ…… OK、予約は取れたぜ」



「後でスーパーに食材を買いに行きましょうよ。肉豆とタマネギとピーマンと、あとトウモロコシとかあっても良いかもしれないわね。調味料は家からもっていけば良いし……」


 ミサキがスマフォでメモをしながら、食材を考える。この熱意を少しでも勉強に反映できれば、成績が上がると思うのだが……


「肉の豆ならボクの家庭菜園に植えてありますよ。下ごしらえや味付けをして、持ってきましょうか?」


 レオ吉くんがそう言うと、ミサキはこんなお願いをする。


「お願い。出来るだけたくさん持ってきて」


「ええと、1人1個くらいで十分ですよね。1個が400~500グラムありますし」


「3つは食べられるわ。6人だから18個ね」


 それを聞いて、ヤン太があきれながら言う。


「3つも食べられる訳がないだろう。ミサキは3個で、他の人は1人1個で、8個もあれば十分だ」


 それを聞いて、レオ吉は呆然(ぼうぜん)としながら答える。


「ミサキさんは3つ食べられるのですね…… 1キログラムを超えますけど……」


「大丈夫よ。久しぶりにお肉を食べるんだから」


 久しぶりだと、どうして大丈夫かは分らないが、まあミサキなら食べられる量だろう。

 この後、僕たちはスーパーに出かけて、食材を買い集める。食材は、僕のもっているクーラーボックスへと詰め込んだ。食べ物だけでなく飲み物や、冷やしたタオルも入れたし、これで準備は万全だ。

----おしらせ----

夏バテで体調を崩し気味なので、更新がちょっと不定期になるかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[一言] ご自分ペースで自由にやって下さい。 冷暖房完備のバーベキューとか天国ですね。
[一言] 食欲モンスターミサキは夏バテ知らずですねw 身体に気をつけて栄養あるもの食べてください。
[良い点] 家で冷房つけて焼肉でいいのでは? まあリア獣なので皆で集まることに意義がありそうだけど [気になる点] 今はコロナや暑さがあるので 休めるときには休まんとイカですたいよ なろうのSF枠はテ…
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